体内時計とは

時間栄養学とは何か

時間栄養学とは
栄養学の分野では、これまで「どんな栄養を、どれくらい食べれば効果がでるのか」という事に主眼をおいて研究がなされてきました。そして化学の発展によって新しい栄養素と人間への作用がどんどん分かってきました。その研究の中で、「どのタイミングで栄養を摂ると効果がより上がるのか」という研究がなされてきました。これが時間栄養学の原点と言われます。
ただ食事を食べ、栄養を摂取するのではなく、人間の身体に合ったタイミングで栄養を摂ると、より効果的だという事がわかってきました。時間栄養学を理解し、実践する事で健康につながるだけでなく、ダイエットにも効果的。
「時間栄養学って何?」「時間栄養学なんて聞いたことない」「効果的なダイエットを行いたい」という方の為に、時間栄養学の世界を紐解いていきましょう。

人間の生体リズムは1日1時間ずれていく

一日は何時間でしょう?
はい、24時間ですね。誰でも当たり前のように知っていますが、我々のカラダは一日を24時間と思っていません。

人間の身体は「生体リズム」というリズムを刻んでいます。実は、人間の身体は25時間という生体リズムを刻んでいるのです。例えば、時計も窓もない部屋で3日間生活をしてもらうとします。窓もないので、昼夜の判断がつきません。その状況下だと生体リズムだけで寝起きをしなくてはならないのです。すると生体リズムは25時間なので、日が経つ毎に寝る時間が1時間ずれていくのです。簡単に言えば、ほかって置くと「夜更かしの体質」になっていくと思って下さい。

こうなると大変です。会社や学校の始業時間は毎日一緒ですから、生体リズム25時間の考えでいくと、日々寝るのが遅くなって睡眠時間が削られていくことになります。しかし、心配いりません。人間の身体はこの生体リズムをリセットする仕組みをもっています。生体リズムをリセットできると、毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きて活動できるようになります。
では、生体リズムのリセット法をご紹介していきます。

朝、起きたら日光を浴びよう

朝日を浴びて生体リズムをリセット
まず、朝目覚めたら部屋のカーテンを開けて日光を浴びるようにして下さい。朝の光を浴びることで、生体リズムがリセットされる事がわかっています。
人間は体内に「中枢時計」という機能を持っています。みなさんは時計が狂った時に、ネジを回して時計を直しますよね?
同じように人間の狂った中枢時計をなおすネジが「光」なのです。朝の光を浴びる事で体内の中枢時計が調節され、生体リズムがリセットされます。ですから、「朝起きたらまずカーテンを開ける」という習慣を作りましょう。

朝ごはんは必ず食べよう

時間栄養学と朝食
朝食を食べるという行動も生体リズムのリセット法のひとつです。朝食を食べる事で、「今から活動を開始するぞ」と体が認識します。特に朝食には炭水化物とタンパク質を意識してとるようにして下さい。タンパク質に含まれるアミノ酸と炭水化物に含まれる糖分には生体リズムのリセット効果があることがわかっています。脳も働き出して仕事のパフォーマンス向上にもつながります。
また、朝食の効果はそれだけでなく、ダイエットにもおススメ。朝食を抜いてしまうと体が飢餓状態になり、昼食や夕食を食べた時に脂肪に変換されやすくなってしまいます。

高脂肪食は生体リズムを狂わす可能性

動物実験等により、高脂肪食を食べると生体リズムが狂ってくる事がわかってきました。また、揚げ物や脂質の多い食事をしていると血管の老化や、脂質異常症、生活習慣病を招いてしまいます。

カフェインの摂り過ぎに注意しよう

高脂肪食同様、過剰摂取に気を付けて欲しいのがカフェイン。「眠気を覚ます為のコーヒー」は今や常識になっている。確かにコーヒーに含まれるカフェインは覚醒作用があり、眠気対策になります。しかし、覚醒効果があるということは、中枢時計も伸ばしてしまうという事です。過剰なカフェイン摂取は控え、コーヒーは一日3杯くらいに留めておきましょう。

食事は12時間以内に3食食べよう

朝食を食べてから昼食、夕食は12時間以内に済ませるようにしましょう。12時間以内におさめることで生体リズムの調整がされやすくなります。食事を遅い時間にとってしまうと、中性脂肪に変換されやすく肥満の原因になります。人間は夜になると省エネモードに切り替わるので、夜食はエネルギーとして燃焼されにくくなり、脂肪として蓄積されてしまいます。肥満防止のためにも規則正しい時間に食事を摂るようにしましょう。

まとめ

・時間栄養学とは、「どのタイミングで栄養を摂るのか」という栄養学である。
・人間の生体リズムは25時間。ほかって置くと1時間づつズレが生じる。
・生体リズムリセットには「朝日を浴びる」「高脂肪食を控える」「カフェインの過剰摂取を控える」「12時間以内に食事を終える」といった方法がある。
1日の摂取カロリーが同じでも、どのタイミングで摂るのかで、健康状態が左右されるのは面白いですね。時間栄養学についても最新情報が入り次第、ご紹介していきます。