コレステロールの知識

「MEC食ダイエットって危険なの?」

このページはそんな疑問を持つ人に向けて作成しています。

近年注目されるようになったダイエット法である『MEC食』。

私は管理栄養士として、このダイエット法でやせることは出来ると思います。実際に実践してダイエットに成功したひともいるでしょう。

ただ、MEC食には危険性やデメリットも存在します。

このページではMEC食の危険性やデメリットに関して管理栄養士の目線から紹介していきます。もしアナタがMEC食ダイエットをやろうと思っているなら、このページを読んで危険性やデメリットも理解した上で行うことをおススメします。


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MEC食(メック食)とは

まずMEC食について解説していきます。

MEC食とは、肉・卵・チーズを主体に食べていくダイエット法のことです。

Meet(肉)・Egg(卵)・Cheese(チーズ)のそれぞれの頭文字をとって『MEC食』と呼ばれています。

基本的にこれら3つの食材を中心に食べる事によって痩せていくのを目的にしていますが、ただ食べるだけでなく以下のようなルールに従って行っていく事が必要とされています。

  • 1日に肉200g、卵3個、チーズ120gを目標に食べる
  • ひと口30回は噛んで食べる
  • 米やパンなど糖質の多い食品は食べないようにする
  • 清涼飲料水(ジュース)&お菓子(スイーツ)はNG!

ダイエットの知識がある人ならここまでのポイントで気づいているかもしれませんが、MEC食は「糖質制限ダイエット」と非常に似ているダイエット法です。

では何が違うのかというと、糖質制限が納豆や豆腐といった大豆製品をOKとしているのに対して、MEC食では『肉食』が推奨されています。

MEC食はホントに痩せるの?

MEC食で痩せる事ができるか?と聞かれれば、答えは「YES」。

脂肪に変換されやすい糖質の摂取量を制限することは、短期間の体重減少が見込めます。

また肉・卵・チーズはタンパク質が豊富に含まれるため、筋肉ができやすくなり代謝UPも見込めます。

ただ、覚えておきたいのは良いことばかりではないということです。

MEC食の危険性やデメリット

ここからは、本題であるMEC食を行う事で考えられる危険性やデメリットについて解説していきます。これからMEC食をやってみようという人はぜひ抑えておきましょう。

頭がボーっとする。イライラする。

まずMEC食で起こる症状が、イライラしたり、ボーっとするといった症状です。

ちなみにこれらの症状は、MEC食だけでなく通常の糖質制限ダイエットでも多くの人が症状として表れます。

なぜこのしょうな症状が起こるのかというと、『糖質の摂取量』が一気に減少することで、脳が機能低下を起こすからです。

そもそも、普段炭水化物を摂取している私たちは、炭水化物に含まれているブドウ糖をエネルギーとして利用しています。

これは脳も同じで、糖質である『ブドウ糖』が脳を働かせるためのエネルギー源になっています。

先に紹介したようにMEC食では、糖質が多く含まれる米やパン、麺類、芋類などを食べることはNGですから、脳のエネルギー源が枯渇してしまい、脳がうまく動かなくなってしまうのです。

その結果、イライラやボーっとするといった症状が出てきます。

ただ、私たちのカラダは糖質をエネルギーとして利用できない場合、脂質から『ケトン体』という物質を作り出して脳のエネルギーとして利用する仕組みがあります。

MEC食ではこの仕組みを利用する事を狙っていますが、ケトン体の回路が働くためにはある程度の期間が必要になってくるため、ケトン体回路が働くまでは糖質不足の症状に苦しむことになります。

腸内環境が悪くなりやすい

MEC食を実践すると『便秘』や『下痢』に悩まされる可能性が出てきます。

これは肉・卵・チーズを多く摂取することで腸内環境が悪化することが原因です。

肉・卵・チーズは良質なタンパク質を多く含み、筋肉をつけて代謝UPにつながるためダイエット効果が期待出来る食材です。

しかし反面、動物性たんぱく質を摂り過ぎることで、腸内の『悪玉菌』が増えてしまい腸内環境が悪化しやすくなるのです。

腸内環境が悪化した場合、人によっては便秘や下痢などの症状が出るようになります。

したがってMEC食を行う人は腸内環境の悪化を防ぐために野菜をたくさん食べる事をおススメします。

野菜に含まれる『食物繊維』は腸内の善玉菌のエサとなることで腸内環境を改善したり、排便をうながすといった効果が期待できます。

ただ糖質の多い野菜はMEC食ではNGですから、『ブロッコリー』など糖質が低い野菜を多く食べるようにしましょう。

リバウンドの危険性

MEC食を続けている間は、体重や体脂肪の減少が見込めます。しかし、MEC食をやめたとたんにリバウンドをしてしまう人も少なくありません。

これは、糖質の摂取をガマンしていた反動で、やめた途端に、糖質が多く含まれる食品を一気にドカ食いするからです。

MEC食を実践してたからといえど、また糖質を摂り始めれば、過剰になった分はインスリンというホルモンの働によって脂肪に変換されてしまいます。

ダイエットの開放感で食べたい気持ちはわかりますが、ダイエットが終了してからも糖質の摂取量には気をつけるようにしましょう。

尿酸値が上がる可能性

MEC食だけでなく糖質制限をしている人の中には「尿酸値が上がった」という人も少なからず存在します。

尿酸値が高まると「痛風」になってしまい激痛に悩まされることになります。

MEC食で主体に食べていく肉・卵・チーズには、尿酸の原料となるプリン体の含有量は少なくなっています。

しかし、運動で筋トレなどの無酸素運動を過剰に取り入れた場合、尿酸値が高くなる事があるので注意が必要です。

詳しくは下記ページで解説しているので合わせて確認してください。

>>糖質制限ダイエットで尿酸値が上がる理由と対策を栄養士が解説


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