このページは『アボカド』の成分や効果・効能を管理栄養士の視点からご紹介しています。
アボカドとは
アボカドはメキシコと中央アメリカが原産の『果物』です。
アボカドの最大の特徴は脂質を多く含むことです。
果物というと脂質が低いイメージがありますが、このアボカドは果物の中でもダントツの脂質量を誇ります。
脂質が多くねっとりとした口当たりがあることから別名『森のバター』とも呼ばれます。
脂質というと嫌悪感を抱く方もいるかもしれませんが、アボカドに含まれる脂質は私たち健康に役立ってくれる『良質な脂質』が豊富です。
アボカドの脂質の約70%以上を占めるのが『オレイン酸』『リノール酸』『リノレン酸』といった『不飽和脂肪酸類』です。
詳しくは後述しますが、これら不飽和脂肪酸は動脈硬化予防や高血圧予防、コレストロール上昇を抑えるといった効果が期待できる成分なのです。
その他にもビタミンB1、B2、B6といった疲労回復のビタミンや、カラダの老化防止に働くビタミンEなど栄養素が充実して含まれています。
また、脂質が多いためカロリーが高いという面がありますが、糖質の量が少ないため糖質制限ダイエットにもよく取り入れられている食品です。
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アボカドの効果
動脈硬化、高血圧予防
アボカドに豊富に含まれる成分に『オレイン酸』があります。
オレイン酸は、別名オメガ6といわれる不飽和脂肪酸の一種で、動脈硬化や高血圧の原因となるLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らしてくれる効果が期待できます。
動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳梗塞といった命にかかわる病気につながってしまうため、これらの予防にアボカドを摂取することは有効と考えられます。
老化防止に
アボカドは『ビタミンE』を100g中3.3mg含んでいますが、これは果物の中でも屈指の含有量です。
ビタミンEは抗酸化作用が強く、がんやカラダの老化の原因といわれる『活性酸素』を除去する働きがあります。
したがってアボカドはお肌やカラダの老化防止や、がん予防の効果も期待できると言えます。
疲労回復
アボカドは疲れが気になる人にもオススメです。
これはアボカドが『ビタミンB群』を豊富に含むためです。
ビタミンB群は私たちが生きる上で大切なエネルギーを効率よく生み出すためのサポートをしてくれる栄養素です。
疲れたカラダを回復するには、効率良くエネルギーを発生させる必要があるため、ビタミンBを含むアボカドは疲労回復に役立つと言えます。
便秘の予防や改善に
便通を良くするために大切にしたいのが『食物繊維』という栄養素です。
これは食物繊維を摂取することで、腸内で水分を吸収して便の量を増やしたり、腸内細菌のエサになることで腸内環境の改善に役立つからです。
アボカドに含まれる食物繊維総量は、1個(140g)あたり7.42gとなっており、多くの食物繊維が摂取できます。
厚生労働省が定める食事摂取基準では、1日に成人男性20g以上、成人女性18g以上の食物繊維の目標量が設定されているため、1日1個アボカドを食べればかなり摂取食物繊維量を稼ぐことができます。
またアボカドは多くの良質な脂質含んでいますが、良質な脂質を摂取することで便の通りを良くする効果も期待できます。
糖質制限ダイエットに向いている
アボカドの1個あたり(140g)の>糖質量は1.26gであるため、かなり低糖質食品です。
したがって糖質制限ダイエットを行う人には向いている食品と言えるでしょう。
また先にも解説している通り、アボカドに含まれるビタミンB群はエネルギーを効率よく発生させるために働いてくれるので、ダイエット中の運動のサポートに良い食材です。
カロリー制限ダイエットには向いていない
後述するアボカドの成分表を見て頂ければわかりますが、アボカドはカロリーが高い食品です。
なぜアボカドのカロリーが高いかというと、脂質を多く含むためです。
脂質は1g=9kcalとなっているので、脂質を多くふくむアボカドはカロリーが高くなります。
したがってカロリー制限をするダイエット法では、カロリーオーバーになりやすい食品と言えます。
ただし、カロリー範囲内で食べる分にはカラダに良い成分が多いのでメリットは多くあります。
アボカドの成分表
エネルギー | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | 水溶性 |
262kcal | 3.5g | 26.18g | 8.68g | 7.42g | 0.2g |
ナトリウム | カリウム | カルシウム | マグネシウム | 鉄 |
9.8mg | 1008mg | 12.6mg | 42.6mg | 0.98mg |
ビタミンA | ビタミンB1 | ビタミンB2 | ビタミンC | 食塩相当量 |
8.4μg | 0.14mg | 0.29mg | 21mg | 0g |
アボカドの保存方法
アボカドは室温が27℃を超えると痛みやすくなります。
寒い時期は常温でもかまいませんが、基本的に冷蔵庫での保管をオススメします。
また、すでに熟したアボカドを購入してきた場合は、すぐに食べるか、ポリ袋で包んで冷蔵庫で保存し1~2日以内には食べきるようにしましょう。
アボカドの選び方
アボカドは、完熟してくると皮が黒く変色してきます。したがって、「すぐに食べたい」という場合であれば皮が黒々とした物を選ぶと良いでしょう。
すぐに食べないという場合であれば『皮が緑色』のものを購入し、20℃前後の場所に置いておけば追熟して美味しく食べる事ができます。
アボカドの調理のコツ
アボカドを調理するときは、レモンを使う事をオススメします。
これはアボカドに含まれるビタミンEの抗酸化作用は、レモンに含まれるビタミンCの抗酸化作用と協働で働き、効果が高まるからです。
切ったアボカドにレモン汁とオリーブオイルを振りかけ、海老と混ぜ合わせてカクテルとして食べても良いでしょう。
またビタミンCの多いパプリカと合わせてサラダにして食べるのもオススメです。
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