高齢者が不足しやすい栄養素

年齢を重ねるごとに、食事の管理に気をつかう方は多いと思います。

今回は、特に高齢にともなって不足しがちな栄養素をご紹介していきます。

これを知ることで、シニア世代の方々が食事で何を意識すれば良いのか、ヒントになるはずです。


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高齢にともなって食生活が変わりやすい

高齢者に不足しやすい栄養素が発生する背景には、高齢にともなう食生活の変化があります。

これは、「噛むチカラ」「飲み込むチカラ」が弱くなることで、「食べる量の減少」が関わります。

噛んだり、飲み込むチカラが弱くなると、若い時より必然的にそもそも、食べる量が減ってしまい、必要な栄養素が足りなくなってくるのです。

これにより、人によっては、加齢にともなって不足してくる栄養素がでてきてしまいます。

不足しやすい栄養素

では、どんな栄養素が不足しやすいのか具体的に紹介していきます。

また、それらが摂れる食材もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

たんぱく質

高齢にともない、たんぱく源の摂取が減る傾向にあります。

たんぱく質は、筋肉、臓器、血管をはじめ、カラダをつくるためのメイン材料になるとても大切な栄養素。

これが不足すると、体力や抵抗力が弱まるため、高齢者は特に不足しないように意識する必要があります。

ちなみに、一般的に1日に必要な最低限のたんぱく質は、男性65g、女性50gです。

最低でも上記のたんぱく質は、毎日とるように気を付けたいところです。

また、厚生労働省の食事摂取基準2020によると、高齢者の虚弱(フレイル)対策には、体重1kgあたり、1~1.2gのたんぱく質をとる必要性が示唆されています。

例)体重50kgの女性の場合、50×1.2g = 60g のたんぱく質が1日に必要。

中でも食事で取り入れたいのが、たまご、肉、魚、大豆製品です。これらは、たんぱく質を豊富に含み、筋肉をはじめ、カラダの材料になる栄養素がバランスよく含まれています。

おすすめ食材

※()内は、およそのたんぱく質量

たまご1個(7g)、肉類100g(20g)、魚類100g(20g)

カルシウム

そもそも、高齢者にかぎらず、カルシウムは日本人が不足しがちな栄養素であることが、国民栄養調査がわかっています。

カルシウムは、骨の材料になるため、不足すると骨折しやすくなり、高齢者にとっては寝たきりのリスクとなるため、不足しないように摂る必要があります。

ただ、カルシウムは、乳製品で手軽に補給できるため、牛乳であれば、コップ1杯(150ml)、プロセスチーズ1Pで、不足しがちな分を補うことができます。

乳製品を食事にとりいれましょう。

ビタミンD

ビタミンDは、骨粗しょう症に関わっているので、高齢者にとって重要なビタミンです。

腸でのカルシウムの吸収率を上げてくれるほか、免疫力の維持にも関わっています。

ビタミンD自体は、日光に当たることで合成できるため、日中の外での活動がおすすめですが、体調によって外で活動できないという方は、ビタミンDが豊富な食材をとりいれましょう。

おススメ食材

  • 干しシイタケ
  • キクラゲ
  • サンマ
  • サケ

ビタミンC

ビタミンCは、強い抗酸化作用があり、老化を防止し、病気の予防にもなる栄養素。

とくに抵抗力の弱まってくるシニア世代の方々は摂っていただきたい栄養素です。

ビタミンCが豊富にとれるのが、かんきつ類やトマトなどの野菜類です。

食事のデザートにフルーツを取り入れることで、手軽にビタミンCは、補給できるのでおすすめです。

なお、ビタミンCは基本的にカラダにためておくことができないため、できれば、3食に少量のフルーツ(みかん、オレンジ、りんごなど)と取り入れると良いでしょう。

毎日コツコツ摂りましょう

今回紹介した栄養素や食材は、毎日コツコツ摂る必要があります。

噛むチカラや飲み込むチカラが弱い方は、長めに煮込んだり、すりつぶしたりするなど調理の面でも工夫して摂るようにしましょう。


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