BDNFを増やす方法
最近、「知人の名前が思い出せない」「カギをどこに置いたのか思い出せない」といった「物忘れ」の症状でお困りの方はいませんか?

人間は年齢とともに、物忘れをしやすくなっていきます。しかし、そんな脳の問題を解決するカギとなる物質が存在します。

それが「BDNF」という物質です。

BDNFという名前自体を知らないという方もいらっしゃるでしょう。しかし、このBDNFには脳を健康に導く役割が存在するのです。しかも物忘れだけでなく、「うつ病」などの精神疾患の改善にも関わっているとされます。そこで今回は脳のお悩みを解決するカギと言われるBDNFについて解説していきます。

うつ病などの精神疾患や、物忘れ、認知症といった「脳」に悩みのある方は是非読んで下さい。

なぜ年齢とともに脳の悩みが増えるのか

人間の脳は加齢とともに、老化していきます。もう少し詳しくいうなら、歳をとるごとに脳の大きさが小さくなっていきます。いわゆる「脳の委縮」というやつです。

また、脳には神経細胞が沢山存在していますが、加齢によって1日に10万個も死滅するとされています。

東北大学加齢医学研究所によれば、20歳の方の脳の容量は男性約1200CC、女性1000CCとされています。しかし20歳ごろをピークにして、年齢とともに段々と脳の神経細胞が減少していきます。さらに50歳頃から脳神経の減少は促進してしまいます。そして70歳になると、20歳の脳に比べて約180CC(牛乳瓶1本分)も脳が小さくなると言われています。脳の神経が減少し、委縮してしまうと脳の働きが悪くなります。

脳が正常に働かないと、脳にかかわる様々な症状が出てきます。例えば、「物忘れ」「怒りっぽくなる」「注意力がなくなる」「言葉が出てこない」などの症状です。さらに「うつ病」などの精神疾患もなりやすくなります。精神疾患は心の病気と言いますが、脳の働きによる病気です。したがって、脳が正常に働かなくなるとうつ病にもかかりやすくなります。

残念ながら、加齢によって起こる脳の老化は誰にでも起こります。しかし脳の老化を抑えたり、若返らせたりする研究は世界中で行われているのです。

高齢なのに記憶力が高い人は「海馬」が違う

皆さんの周りには、高齢にも関わらず、「記憶力がしっかりしているなあ」と感じる方はいらっしゃいませんか?

お年寄りの中にも脳がしっかりしている人は沢山いらっしゃいます。この方は、他の方と何が違うのでしょうか。じつは脳のある部分に違いがあることが分かったのです。

その部分が「海馬」です。

「え?海馬って何?ウマ?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。海馬とは脳の中にあるタツノオトシゴのような形をしている部位の事です。この海馬という場所は、脳に新しく入ってきた情報を1カ月~半年ほど、一時的に保存しておくところです。大きさは小さいものですが、膨大な情報を保存しておける大切な場所です。

高齢で記憶力が高い方というのは、この海馬が元気なのです。

実は、この海馬は記憶力など脳の健康のカギを握っています。

本来、加齢によって小さくなった脳を再び大きくすることは難しいとされています。しかし脳の中でも海馬については回復が可能である事がわかってきました。

たとえ、歳をとっても海馬が回復していけば、物忘れなどの記憶力を保つ効果が期待できます。

その海馬を回復する物質こそが「BDNF」なんです。次にBDNFについてご紹介していきます。

BDNFとは何?

そもそも「BDNFという名前自体を聞いた事がない」と言う方もいるでしょう。

まず、BDNFとは「脳由来神経栄養因子」です。と、いわれても訳が分からないですよね。これはタンパク質の一種で、「海馬の神経細胞を元気にするエサ」と思って下さい。

BDNFをエサとして海馬が大きくなります。すると神経ネットワークが再生して記憶力などの脳機能が良くなるとされています。

基本的にBDNFは若い人は分泌量が多いですが、高齢になるほど分泌量が低くなります。しかし、高齢になってもBDNF分泌量を高めることが可能なのです。

BDNFを増やす方法

では、どうすればBDNFを増やす事ができるのでしょう。その方法を次に解説していきます。ぜひ読んで下さい。

運動をするとBDNFが増える

詳しいメカニズムは解明されていませんが、運動をすることにより脳内でBDNFが増える事が分かっています。

さらに、脳内で分泌されるだけでなく、「筋肉」からも分泌される事が分かっています。筋肉で作られたBDNFは血液に乗って脳へ運ばれるとされています。

ではどんな運動をすることが良いのか気になりますよね。

有酸素運動が有効

BDNFを増やす有酸素運動

東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典先生によると、ウォーキングなどの有酸素運動が有効とされています。

全身の筋肉を使う有酸素運動をやり続けることによって、体中の筋肉からBDNFが作られ、約10%増えるとされています。これによって増えたBDNFによって海馬が大きくなることが期待できます。

しかし、たまに有酸素運動をするだけではBDNFは増えていきません。大切なのは継続的に有酸素運動を行うことです。

藤原先生によれば、BDNFを増やすためには、「30分ほどの有酸素運動を毎日おこなうと良い」とされています。

チョコレートがBDNFを増やす

BDNFを増やすためには有酸素運動だけでなく、チョコレートの摂取も有効とされています。とくにチョコレートの中に含まれている「カカオポリフェノール」がBDNFを増やす作用をします。

愛知学院大学の大澤教授の研究によれば、45~69歳の347人に、カカオポリフェノールを多く含むチョコレートを1日5gを5枚、約150 kcalを4週間摂取したところBDNFが増加したという結果が出ています。

したがってBDNFを増やすためにはカカオポリフェノールがポイントになるので、カカオが高純度で含まれているチョコレートを食べると良いでしょう。

BDNFはうつ病にも有効

BDNFによって海馬が回復するメリットは、物忘れなどの認知症リスクを下げるだけではありません。

高齢者だけでなく、若者にも多い「うつ病」対策にもなります。

うつ病などの精神疾患を抱えている人には、海馬の縮小が見られます。つまりは、うつ病の人が運動によってBDNFが増加した場合、海馬が大きくなって、うつ症状が改善する可能性もあるはずです。

もともと、うつ病には運動が推奨されています。運動には緊張状態を解いたり気分をリフレッシュさせたりする効果もありますが、BDNFの観点からも、うつ病に関して効果が期待できるかもしれませんね。


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