
こんにちは。「シニア応援倶楽部」の管理栄養士タイゾーです。
この記事では、「がん予防」について、世界中の信頼性の高い研究や日本の最新の情報をもとに、高齢の方にもわかりやすくまとめてみました。
がんは、誰にとっても身近な病気になりました。実は日本人の2人に1人が一生のうちにがんと診断される時代。けれども、「がんになるかどうか」はすべて運任せではありません。毎日の生活習慣によって予防できる部分もたくさんあることが、たくさんの研究から分かってきました。
「何をどう気をつけたらいいのか?」
そんな疑問に、できるだけやさしく、正確にお答えしていきますね。
がんって、そもそもどんな病気?
がんとは、体の中の細胞が異常に増え続ける病気です。
健康な細胞は、必要な時にだけ増えて、役目を終えると自然に死んでいきます。
でも、何らかの原因で細胞の設計図(遺伝子)に傷がついてしまうと、その細胞がブレーキが壊れたように増え続けてしまうことがあります。
つまり、誤ってカラダに生まれた「出来損ない細胞」。
これが「がん細胞」です。
さらに厄介なのが、がん細胞は周囲の組織に広がったり、血液やリンパの流れに乗って別の場所に移動(転移)したりすること。
これが命にかかわる状態を引き起こす原因になります。
ちなみに、「がんはうつるの?」と聞かれることがありますが、ご安心ください。
がんは人から人にうつる病気ではありません。
ただし、一部のウイルス感染(ピロリ菌、B型肝炎、HPVなど)が発がんの原因になることはあります。これについては後ほど詳しくお話ししますね。
がんの原因は「遺伝だけ」じゃない
「うちは家系的にがんが多いから…」
確かに遺伝も一因(5%と言われる)ですが、実はがんの大部分は生活習慣や環境要因が関係しています。
国立がん研究センターや世界保健機関(WHO)によると、がんのうち3〜5割は予防できると言われています。しかも、年齢を重ねてからでも遅くないのが、がん予防のポイントです。
では、どんなことに気をつけたら良いのでしょうか?
科学的にわかっている「がんを防ぐ生活習慣」
ここからは、信頼できる研究結果をもとに「これを気をつけるとがん予防に効果的」とされている生活習慣をわかりやすくご紹介します。
論文や公的機関の情報をまとめると8つのポイントにまとめることができました。多いので、このページを何度も見返してくださいね。
それではいきましょう。
① 禁煙(タバコは吸わない)
まず一番大事なのがたばこを吸わないことです。
喫煙は肺がんだけでなく、食道がん・膵臓がん・膀胱がん・子宮頸がんなど、実にさまざまながんのリスクを高めることがわかっています。
受動喫煙(人のタバコの煙を吸い込むこと)も同じく有害なので、家族や周囲の協力も大切ですね。
📝 出典:国立がん研究センター「科学的根拠に基づくがん予防」
https://www.ncc.go.jp/jp/cis/divisions/prevention/index.html
② お酒はほどほどに(できれば控える)
アルコールも、肝臓がん、食道がん、大腸がん、乳がんなどの原因になることがわかっています。
特に女性は、閉経後にお酒をたくさん飲むことで乳がんリスクが上がることが報告されています。
「ちょっとの晩酌が楽しみ」という方も多いと思いますが、量と頻度に気をつけることが大切です。
📝 出典:厚生労働省「健康日本21」アルコールと健康
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b3.html
③ 塩分を減らす(減塩)
日本人は塩分を摂りすぎる傾向にあります。
特に高齢の方は、漬物・味噌汁・塩辛などを日常的に好む方も多く、これが胃がんの原因となる可能性があるとわかっています。
厚生労働省が推奨する**1日の食塩摂取量の目安は7g未満(女性は6.5g)**です。
「薄味にすると味気ない…」という方は、だしや香辛料、酸味(レモン・お酢)などを活用してみましょう。
📝 出典:日本高血圧学会「減塩のススメ」
https://www.jpnsh.jp/general_salt.html
④ 野菜と果物をしっかり摂る
野菜と果物の摂取量が少ない人は、がんのリスクが高まることが複数の研究で分かっています。
特に、食道がん・胃がん・肺がんの予防に効果があると考えられています。
厚生労働省は、1日野菜350g以上、果物100g以上を目安にすることをすすめています。
(目安:野菜は小鉢5皿、果物はりんご半分程度)
📝 出典:厚生労働省「健康日本21」栄養・食生活
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b2.html
⑤ 熱すぎる飲食は冷ましてから
意外かもしれませんが、「熱すぎる飲み物や食べ物をよく摂る人は、食道がんのリスクが高まる」という研究結果があります。
とくに、70℃以上の熱いお茶やスープなどを口にすると、粘膜にダメージを与えることがあると指摘されています。
「猫舌じゃないから大丈夫!」という方も、一呼吸おいてから口に入れる習慣をつけると安心です。
📝 出典:WHO国際がん研究機関(IARC) Monographs Volume 116, 2016
https://monographs.iarc.who.int/wp-content/uploads/2018/06/mono116.pdf
⑥ 体を動かす(無理のない範囲で)
運動はがん予防だけでなく、認知症や生活習慣病予防にも役立つことが分かっています。
特に大腸がんや乳がんの予防に効果があるとされていて、WHOや国立がん研究センターも「日常生活の中で体をこまめに動かすことが大切」としています。
たとえば、1日30分の散歩・家事・ストレッチなど、自分の体に合った無理のない方法でOKです!
📝 出典:国立がん研究センター「身体活動とがん」
https://epi.ncc.go.jp/can_prev/311/3227.html
⑦ 健康な体重を保つ
体重が多すぎても、少なすぎても、がんのリスクが高まることがあります。
特に女性は、閉経後に太りすぎると乳がんのリスクが高まるといわれています。
目安としては、BMI(体格指数)で21〜25前後が標準的とされています(計算式:体重kg ÷ 身長m²)。
栄養バランスのよい食事と、適度な運動がやはりカギですね。
📝 出典:国立がん研究センター「がん予防と体型」
https://epi.ncc.go.jp/can_prev/311/3231.html
⑧ がんにつながる感染症に注意
一部の感染症は、がんの原因になります。
代表的なものには以下があります:
ピロリ菌 → 胃がん
B型・C型肝炎ウイルス → 肝臓がん
HPV(ヒトパピローマウイルス)→ 子宮頸がん
高齢の方でも、過去に感染したまま気づいていないケースもあります。
一度、かかりつけ医で検査しておくと安心ですね。
📝 出典:国立がん研究センター「がんの原因と感染」
https://epi.ncc.go.jp/can_prev/311/3233.html
「今から」がんの予防習慣をはじめよう
いかがでしたか?
がん予防のためにできることは、たくさんあります。そして、どれも「今日から少しずつ始められること」ばかりです。
もちろん、すべてを完璧にする必要はありません。でも、できることを1つずつ積み重ねていくことで、体はきちんと応えてくれます。
「年だからもう手遅れかな…」なんてことはありません。予防は、何歳からでも始められる「生き方」そのものだと思います。
これからも「シニア応援倶楽部」では、管理栄養士監修のもと、皆さんの健康を応援する情報をわかりやすく、まごころをこめてお届けしていきます。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
※この記事は国立がん研究センター、厚生労働省、WHO、IARC、WCRFなどの公的機関と論文情報をもとに、管理栄養士がまとめました。