今回は、「タバコは体に悪いと思っているけど、やめられない!」という方向けの内容です。
タバコの害については以前、「喫煙者が陥りやすいCOPDとは?」という記事でご紹介した事があります。記事を読んで頂ければわかりますが、タバコは体に良い事はひとつもありません。
家族からも禁煙をススメられるし、喫煙所も年々減少してきています。だけどヤメラレナイ・・・・。こんな方も多いのではないでしょうか。
そんな方の為に、タバコを吸う人が、せめて健康の為に食べておかなくてはならない栄養素についてご紹介します。
「禁煙する気が無い人」も「これから禁煙しようと思っている人」も、ぜひ知っておきましょう。
タバコ1箱1,000円に?
とうとうタバコ1箱が1,000円になる時代が近づいてきたかもしれません。
2016年10月25日、自民党の受動喫煙防止議員連盟の会長・山東昭子元参院副議長が、菅官房長官に「タバコ1箱の価格を1,000円に引き上げるよう」に申し入れをしました。これに対して、菅官房長官は「東京オリンピックもあり、良いタイミング」と返答したそうです。
タバコを吸わない人にとっては朗報。喫煙者にとっては悲報ですね。それでも、吸う人は吸うのでしょうが、現在よりも喫煙率が減る事は間違いないと思われます。
タバコが引き起こす病気
タバコは「百害あって一利なし」と言われるとおり、様々な病気を引き起こす原因となります。以下に代表的な病気をご紹介します。
・肺がん
・喉頭がん
・口腔がん
・食道がん
・膀胱がん
・すい臓がん
・肝臓がん
・COPD
・狭心症
・心筋梗塞
・喘息
・胃潰瘍
・歯槽膿漏
・虫歯
・骨粗鬆症
・不妊
・血管性認知症
※詳しくはこちらの記事でも解説しています:喫煙者が陥りやすい病気
とっても多くの病気を引き起こす事がわかると思います。これを知っても中々タバコはやめられないのだから、依存症というのは恐ろしいですね。。
現在、タバコが「がん」の原因のひとつである事は世界中で認知されています。これは知っている人も多いかもしれまん。
しかし、なぜタバコを吸うと、がんになるのでしょう?
その原因は喫煙によって、体内に発生する「活性酸素」にあります。
喫煙によって発生する「活性酸素」とは
活性酸素は、体内で発生すると、細胞を傷つけ、がん細胞を増やしてしまう作用を持っています。
基本的には活性酸素は体内の「SOD酵素」という酵素の力によって、無害な水に変換されます。しかし、体内の活性酸素が増大してしまうと処理しきれなくなり、細胞を傷つけて、がんを増やしていきます。
つまり、活性酸素を増やさないようにする事が大切なわけですが、体内の活性酸素を増やしてしまうのが喫煙なのです。喫煙をすると体内の活性酸素が増えて、がんができやすくなります。
当たり前ですが、活性酸素対策で、一番効果があるのは禁煙です。
しかし、「どうしてもタバコがやめられない。でも健康も気になるし・・・」という人は、次に紹介する、活性酸素に対抗する栄養素を食べるようにして下さい。せめて最低限これだけは行うようにしましょう。
喫煙者は「ビタミンC」を摂るようにしよう!
私が栄養士として、喫煙者に必ず摂って欲しい栄養素とは「ビタミンC」です。ビタミンCは、認知度が高い栄養素ですが、その健康効果を知る人は意外と多くありません。「ビタミンCは風邪に良い」ぐらいのイメージをお持ちの方が多いです。
ビタミンCの着目すべき健康効果は「抗酸化作用」にあります。
「抗酸化」という言葉を聞いた事ありませんか?抗酸化とは、簡単に言えば「活性酸素に対抗するちから」です。体内で発生した活性酸素を消去してくれるちからがあります。
ビタミンCは、まさに抗酸化作用を持つ栄養素です。しかも、摂り過ぎても尿と一緒に排泄されるので、過剰症の心配がない栄養素です。
次に紹介する食品に多く含まれているので、喫煙者は意識して食べるようにして下さい。
■ビタミンCを含むオススメ食品
・アセロラドリンク
・パプリカ
・パセリ
・芽キャベツ
・ピーマン
・ゴーヤ
・レッドキャベツ
・モロヘイヤ
※ちなみに、ビタミンC=レモンというイメージがありますが、レモンに含まれるビタミンC量はそこまで多くないのでご注意を
しかし、ビタミンCを摂る上で、ひとつポイントがあります。それはビタミンCは熱に弱いという事です。熱を加えると、ビタミンCの健康パワーは無くなってしまいます。
したがって、ビタミンCを含む食品は「生」で食べる事を心がけて下さい。
またビタミンC以外にも、抗酸化作用のあるおススメの栄養成分で「ファイトケミカル」というものがあります。ファイトケミカルについては下記の記事で詳しく解説していますので、あわせてお読み下さい。
関連記事:がん防止成分「ファイトケミカル」を上手に摂るたった1つの方法
一番良いのはタバコを吸わないこと
私が、喫煙者の栄養相談をしている時にビタミンCの摂取をおススメします。しかし、これは「ビタミンCを摂ればタバコを吸って良い」というわけではありません。
やはり、一番良いのはタバコを吸わないことです。健康にもお財布にも良い事はありません。どうしてもやめられないという方も、現在では「禁煙外来」もありますので、一度病院に相談されても良いかもしれません。