高齢者の年金にプラス

「食料品も電気代も高くなって、大変。。。。。」

そんなお悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

特に年金を中心に生活している方にとって、毎月の生活費が少しでも増えることは、ありがたいことですよね。

実は、日本には、一定の条件を満たす年金受給者に対して、年金に上乗せしてお金を支給する制度があります。

その名前は「年金生活者支援給付金」です。

2026年度の老齢年金生活者支援給付金は、月額5,620円を基準として計算されます。

仮に毎月5,620円を受け取れる場合、1年間では67,440円になります。

ただし、これはあくまで基準額を12か月分受け取った場合の計算例です。実際に受け取れる金額は、年金保険料を納めた期間などによって異なります。

また、この制度は、対象者全員に自動的に支給されるわけではありません。

新たに受け取る場合には、原則として請求手続きが必要です。

今回は、2026年10月時点の最新情報をもとに、どのような方が対象になるのか、いくら受け取れるのか、どうやって申し込むのかを、できるだけわかりやすくご紹介します。

この記事でわかること

  • 年金生活者支援給付金とは何か、どのような人が対象になるのか
  • 2026年度の給付金額と、受け取れる金額の計算方法
  • 給付金の申請方法と、手続きが遅れた場合の注意点

年金生活者支援給付金とは?

年金生活者支援給付金とは、公的年金などの収入やその他の所得が一定の基準以下の方を対象に、年金に上乗せして支給される公的な給付金です。

消費税率の引き上げによる税収の一部を活用し、年金受給者の生活を支援するために設けられています。

この制度には、大きく分けて次の3つがあります。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

今回は、65歳以上の方に関係する「老齢年金生活者支援給付金」を中心に説明します。

なお、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取っている方にも、それぞれ別の支給要件による給付金があります。

この給付金は1回だけではありません

給付金と聞くと、国や自治体から一度だけ支給されるお金を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、年金生活者支援給付金は、原則として2か月に1回、年金と同じ時期に支給される制度です。

一度受給が認められ、その後も支給条件を満たしていれば、継続して受け取ることができます。

たとえば、毎月3,000円の給付金が支給される場合、通常は2か月分の6,000円がまとめて支払われることになります。

もちろん、収入が増えたり、世帯の状況が変わったりして、支給条件を満たさなくなった場合には、支給が終了することがあります。

それでも、条件に当てはまる間は継続して受け取れるという点は、年金生活者にとって大きな特徴です。

どんな人が対象になるの?3つの条件を確認しましょう

老齢年金生活者支援給付金を受け取るには、基本的に次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

条件① 65歳以上で老齢基礎年金を受け取っている

まず、65歳以上で老齢基礎年金を受給していることが条件です。

老齢基礎年金とは、国民年金制度に基づいて支給される年金のことです。

会社員として働いていた方でも、老齢厚生年金とあわせて老齢基礎年金を受け取っている場合があります。

そのため、「昔は会社員だったから自分には関係ない」と決めつける必要はありません。

ただし、老齢厚生年金を受け取っている場合、その収入も所得基準の判定に関係します。

条件② 同じ世帯の全員が住民税非課税である

次に、同じ世帯に属する全員が、市町村民税を課税されていないことが条件です。

ここは特に注意していただきたいポイントです。

たとえば、ご本人の年金収入が少なく、住民税が非課税だったとします。

しかし、同じ世帯に住民税を納めているご家族がいる場合、原則として老齢年金生活者支援給付金の対象にはなりません。

一方、同じ家に住んでいても、住民票上の世帯が分かれている場合などは、世帯の判定が異なることがあります。

ただし、住民票上の世帯を変更すると、ほかの税金や社会保険制度にも影響する場合があります。給付金を受け取ることだけを目的に安易に世帯を変更するのではなく、必要に応じて自治体の窓口で確認しましょう。

条件③ 前年の年金収入などが一定額以下である

3つ目は、前年の年金収入金額とその他の所得の合計が、一定の基準以下であることです。

2026年10月分から適用される所得基準は、生年月日によって異なります。

生年月日 老齢給付金の所得基準 補足的老齢給付金の所得基準
1956年4月2日以後生まれ 826,500円以下 826,500円超~926,500円以下
1956年4月1日以前生まれ 824,100円以下 824,100円超~924,100円以下

ここでいう所得基準の金額は、1年間の金額です。

また、年金収入に加えて、仕事などによるその他の所得も判定に関係します。

2026年10月分から2027年9月分までの判定では、原則として2025年中の年金収入や所得などが使われます。

なお、障害年金や遺族年金などの非課税収入は、この所得判定に含まれません。

実際に対象になるかどうかは、年金の種類や世帯の課税状況なども含めて判断されます。

「補足的老齢年金生活者支援給付金」って何?

少し難しい名前ですが、これは所得が一定の基準をわずかに超える方にも、給付金を段階的に支給する仕組みです。

たとえば、ある所得基準を1円超えただけで、給付金が突然ゼロになってしまったら、不公平に感じる方もいらっしゃるでしょう。

そこで設けられているのが、補足的老齢年金生活者支援給付金です。

所得が高くなるにつれて給付額を調整し、給付金を受け取る人と受け取れない人の間で、所得の逆転が起きにくいようにしています。

そのため、「基準額を少し超えているから絶対にもらえない」と判断するのは早いかもしれません。

ご自身が対象になるかどうか、確認してみる価値があります。

2026年度はいくらもらえるの?

2026年度の老齢年金生活者支援給付金の基準額は、月額5,620円です。

2025年度の月額5,450円から引き上げられました。

ただし、ここで注意したいのは、5,620円という金額はあくまで計算の基準になる金額だということです。

実際の給付額は、国民年金保険料を納めた期間や、免除されていた期間などに応じて計算されます。

たとえば、保険料を20年間納めていた場合

保険料納付済期間が240か月で、免除期間がない場合を考えてみましょう。

この場合、一般的な計算式は次のとおりです。

5,620円 × 240か月 ÷ 480か月 = 2,810円

つまり、この例では月額2,810円となります。

1年間継続して受け取れる場合は、

2,810円 × 12か月 = 33,720円

となります。

なお、これは納付済期間だけを使った単純な計算例です。免除期間がある場合や、補足的老齢年金生活者支援給付金に該当する場合などは、計算方法が異なります。

また、実際の受給には所得や世帯の条件を満たす必要があります。

今年は9月から対象者に案内が送られています

ここからは、特に大切な申請手続きについてご紹介します。

2026年9月1日から、新たに年金生活者支援給付金を受け取れると見込まれる方に対して、請求書が順次発送されています。

対象となる方には、緑色の封筒で「年金生活者支援給付金請求書」が届きます。

封筒の中には、はがき型の請求書や手続きの案内などが入っています。

ご自宅に届いた郵便物を、まだ確認していない方はいらっしゃいませんか?

普段、役所や年金関係の郵便物をまとめて保管している方は、一度確認してみてください。

申請しないと受け取れないの?

新たに給付金を受け取る場合は、原則として請求手続きが必要です。

「対象者なら自動的に振り込まれる」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。

請求書が届いた方は、案内に従って必要事項を記入し、提出しましょう。

なお、すでに年金生活者支援給付金を受け取っていて、引き続き支給条件を満たしている方は、原則として毎年申請し直す必要はありません。

申請が遅れると受け取れない月が生じることも

2026年度の手続きで、特に気をつけたいのが提出時期です。

2026年9月に送られた請求書については、9月30日までの提出が案内されていました。

しかし、9月30日を過ぎてしまった場合でも、手続きができなくなるわけではありません。

2027年1月4日までに請求書が届けば、条件を満たす方は2026年10月分からさかのぼって受け取ることができます。

一方、2027年1月4日までに請求書が届かなかった場合は、2027年2月分以降からの支給となり、2026年10月分から2027年1月分までを受け取れなくなります。

つまり、申請が遅れると、受け取れるはずだったお金を受け取れなくなる可能性があるのです。

まだ手続きしていない方は、できるだけ早めに確認しましょう。

なお、ここで紹介した期限は、2026年9月に請求書が送付された方に関するものです。65歳になって新たに請求する方などは、個別の案内をご確認ください。

給付金の申請方法を順番に説明します

手順① 届いた封筒を確認する

まず、年金生活者支援給付金の請求書が届いているか確認します。

2026年9月からの案内では、緑色の封筒が使用されています。

封筒の中には、はがき型の請求書などが入っています。

手順② 請求書に必要事項を記入する

請求書の案内に従って、氏名などの必要事項を記入します。

記入する場所がわからない場合は、同封されている説明書を確認しましょう。

無理に自分だけで手続きを進めず、ご家族などに手伝ってもらっても構いません。

手順③ 郵送する

必要事項を記入したら、同封の目隠しシールを貼り、切手を貼って郵便ポストに投函します。

提出期限が近い場合は、郵便の配達日数も考慮しましょう。

「投函した日」ではなく、請求書が届く日が重要になる場合があります。

手順④ 電子申請も利用できます

2025年1月以降に、対象となるはがき型の請求書が届いた方は、電子申請を利用することもできます。

マイナポータルとねんきんネットを連携し、インターネット上で手続きする方法です。

電子申請を利用すれば、郵送する手間や切手代を省くことができます。

ただし、利用には必要な準備がありますので、スマートフォンやパソコンの操作に慣れていない方は、無理をせず郵送による手続きを選んでもよいでしょう。

請求書が届いていない場合はどうする?

「自分も対象になりそうなのに、請求書が届いていない」

そんな場合は、年金事務所や給付金専用ダイヤルに相談しましょう。

たとえば、所得情報が確認できない場合など、通常のはがき型請求書とは異なる書類が送られることもあります。

また、請求書を紛失してしまった場合でも、所定の請求書を使って手続きする方法があります。

届いていないから対象外だと決めつけず、気になる方は一度確認してみることをおすすめします。

こんな方は特に確認してみましょう

次のような方は、年金生活者支援給付金について確認してみるとよいでしょう。

  • 65歳以上で、老齢基礎年金を受け取っている方
  • 年金収入が少なく、住民税非課税世帯に該当する方
  • 以前は働いていたけれど、昨年から収入が減った方
  • 最近65歳になり、年金の受給を始めた方
  • 以前は給付金の対象外だったけれど、現在は所得が減っている方

ただし、実際の判定には前年の所得が使われるため、今年収入が減ったからといって、すぐに対象になるとは限りません。

また、年金を受け取っているすべての方が対象になる制度ではありません。

ご自身の状況を確認し、必要に応じて市町村など、専門窓口に相談しましょう。

すでに給付金を受け取っている方は?

すでに年金生活者支援給付金を受け取っている方は、引き続き支給条件を満たしていれば、原則として再申請は不要です。

ただし、給付金の支給条件は毎年確認されます。

前年の所得や世帯の課税状況などによっては、給付額が変わったり、支給が終了したりすることがあります。

一度対象外になった方が、その後再び条件を満たした場合には、あらためて請求手続きが必要になります。

以前は受け取れていたのに最近振り込まれていないという方は、届いている通知書を確認してみましょう。

給付金を装った詐欺にも注意してください

公的な給付金の案内に便乗して、個人情報やお金をだまし取ろうとする犯罪にも注意が必要です。

年金生活者支援給付金の手続きに関して、行政機関が電話で口座番号を聞き出したり、手数料などの支払いを求めたりすることはありません。

「給付金を受け取るには、先に手数料が必要です」

「今すぐATMへ行って操作してください」

「口座情報を教えないと給付金が受け取れません」

このような連絡には注意しましょう。

不審な電話がかかってきた場合は、相手に個人情報を伝えず、一度電話を切ってください。

そのうえで、公式ホームページなどに案内されている問い合わせ先へ、自分で電話をかけて確認しましょう。

給付金について相談できる窓口

年金生活者支援給付金についてわからないことがある場合は、専用の相談窓口が設けられています。

給付金専用ダイヤル:0570-05-4092

050から始まる電話を利用する場合は、03-5539-2216です。

受付時間は、原則として次のとおりです。

  • 月曜日:午前8時30分~午後7時
  • 火曜日~金曜日:午前8時30分~午後5時15分
  • 第2土曜日:午前9時30分~午後4時

祝日や年末年始などは受付を行っていません。月曜日が祝日の場合は、翌開所日などに受付時間が延長されることがあります。

また、お近くの年金事務所でも相談できます。

「自分が対象なのかわからない」「書類の書き方が難しい」といった場合は、遠慮せず相談してみましょう。

ご家族の方にも知っていただきたい制度です

ここまで、年金生活者支援給付金についてご紹介してきました。

この制度は、年金収入などが一定の基準以下の方の生活を支えるために設けられています。

しかし、制度そのものを知らなかったり、請求書が届いていても手続きをしていなかったりする方がいるかもしれません。

特に、一人暮らしの高齢者や、郵便物の確認が負担になっている方にとっては、ご家族のちょっとした声かけが役立つこともあります。

「年金に上乗せしてもらえる給付金があるみたいだけど、確認してみた?」

そんな一言が、制度を知るきっかけになるかもしれません。

ただし、給付金を受け取れるかどうかは、年金収入、その他の所得、世帯の課税状況などによって異なります。

条件に当てはまらない場合もありますので、正確な情報を確認することが大切です。

まとめ|年金生活者支援給付金は、まず対象かどうか確認を

今回は、2026年10月時点の年金生活者支援給付金についてご紹介しました。

2026年度の老齢年金生活者支援給付金は、月額5,620円を基準として計算されます。

ただし、全員が5,620円を受け取れるわけではなく、保険料納付期間や所得などによって実際の金額は異なります。

また、対象となるには、65歳以上で老齢基礎年金を受け取っていること、世帯全員が市町村民税非課税であること、前年の年金収入などが一定の基準以下であることなどが必要です。

そして、これから新たに受け取る方にとって大切なのが、請求手続きです。

2026年9月に案内が届いた方は、2027年1月4日までに請求書が届くよう手続きすることで、条件を満たせば2026年10月分から受け取ることができます。

手続きが遅れると、受け取れない月が生じる場合もあります。

もし、ご自宅に緑色の封筒が届いていたら、後回しにせず内容を確認してみてください。

年金を中心とした暮らしの中では、毎月数千円でも家計の助けになることがあります。

「自分には関係ないだろう」と思い込まず、まずは対象になるかどうかを確認してみましょう。

そして、周りに年金生活を送っているご家族やお知り合いがいらっしゃれば、ぜひ今回の制度についてお話ししてみてください。

参考文献・情報源

  1. 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」2026年10月1日更新。

    https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/sonota-kyufu/shienkyufukin/rourei.html
  2. 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」2026年4月1日更新。

    https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/kojin/2026/202604/0401.html
  3. 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」2026年9月1日更新。

    https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/sonota-kyufu/shienkyufukin/seikyu/ta.html
  4. 酒田市「年金生活者支援給付金の請求手続きについて」2026年9月3日更新。

    https://www.city.sakata.lg.jp/kenko/kokuminnenkin/shienkyuhu/seikatushasienn.html
  5. 日本年金機構「年金生活者支援給付金を受け取るためには、毎年、手続きが必要ですか。」2025年10月1日更新。

    https://www.nenkin.go.jp/section/faq/jukyu/seido/sonota-kyufu/shienkyufukin/tetsuduki/tetsuduki03.html
  6. 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」2026年10月時点の制度情報。

    https://www.mhlw.go.jp/nenkinkyuufukin/system.html