年齢を重ねるにつれ、心配になるのが骨粗鬆症。
骨粗鬆症とは、骨組織の密度を失うことによって、骨が脆くなる状態を言います。
通常、骨は密度があり、強度を持っていますが、骨粗鬆症では骨密度の低下が進み、その結果、骨が脆くなりやすくなります。
この状態が進むと、軽い外力や転倒などでも骨折しやすくなります。
骨密度が年齢とともに下がる理由
主な理由は、骨形成と骨吸収のバランスが崩れ、骨吸収が優勢になるためです。
今回は、なぜ骨密度が下がるのか、骨粗鬆症の予防について分かりやすく解説いたします。
骨密度が低下する理由
〇骨形成と骨吸収のバランスの変化
若いころは骨が急速に成長し、骨形成(新しい骨を作るプロセス)と骨吸収(老骨を分解して骨をリニューアルするプロセス)がバランスよく進行しています。
しかし、年齢が上がると、このバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回るようになります。
つまり、加齢に伴い骨量は減少していくのです。
〇ホルモンの変化
性ホルモンの減少が骨密度の低下に関与しています。
特に、女性の閉経期においてエストロゲンの急激な減少が骨密度の低下を引き起こすことがよく知られています。
エストロゲンは骨形成を促進し、骨吸収を抑制する働きがあります。
そのため、ホルモンの変化が骨の健康に影響を与えます。
〇骨の微細構造の変化
骨は微細な構造でできており、骨小構造が変化することで骨強度が影響されます。
年齢とともに微細な骨構造が変わり、弱くなる傾向があります。
〇栄養不足や運動不足
骨密度の維持には栄養素が不可欠です。
特にカルシウムとビタミンDが重要で、成長期までにしっかりカルシウムを摂取をしないと骨粗鬆症になるリスクが上がるともいわれています。
また、低栄養が高齢者の中に増加しています。
バランスを意識した食事を心がけましょう。
適切な運動も重要で、運動不足が骨密度低下につながる可能性があるため、続けられる軽い運動も行いましょう。
〇遺伝的要因
遺伝的な要因も骨密度に影響を与えます。
家族に骨粗鬆症などの骨の問題がある場合、個人の骨密度に関するリスクが高まることがあります。
これらの要因が複合的に重なり、高齢者において骨密度が減少するとされています。
骨粗鬆症の予防について
つぎに、骨粗鬆症対策として骨密度を上げるためには、どのようなことが大切か見ていきましょう。
最も重要なことは、適切な栄養摂取、適度な運動、日常生活の工夫です。
①栄養摂取の重要性
カルシウムとビタミンDの適切な摂取が骨密度の維持と向上には不可欠です。
乳製品、豆腐、青魚、レバー、卵などの食品をバランスよく摂るように心がけましょう。
鉄、マグネシウム、リン、ビタミンKなども骨の健康に寄与する栄養素です。
バラエティ豊かな食事を心がけましょう。
②日光浴の重要性
日光浴を浴びることでビタミンDの生成が自然にされます。
毎日適度な時間外に戸外で過ごすことが大切です。
ただし、紫外線の過剰な曝露は避けましょう。
③適度な運動
重力に対抗する活動(重いものを持つ、歩く、登るなど)は骨を刺激して骨密度を向上させます。
ウォーキング、ジョギング、ウエイトトレーニングなどが効果的です。
バランス感覚や筋力を向上させるエクササイズやヨガも良いとされています。
④適切な体重維持
適切な体重を維持することも骨粗鬆症対策になります。
極端なダイエットや過度な体重増加はカラダの負担になります。
バランスの取れた食生活を心がけましょう。
⑤転倒予防
日常生活において転倒は、高齢者にとって大きなリスクです。
安全な居住環境の確保、転倒予防のための運動、適切な靴の着用などに気をつけて、転倒するリスクを減らしましょう。
まとめ
最後にもう一度、骨粗鬆症の予防をまとめていきます。
①栄養素(カルシウム、ビタミンD)の重要性
②日光浴の重要性
③適度に運動をする
④適切な体重維持
⑤転倒予防の生活
骨粗鬆症を予防するには、日々の生活が重要です。
骨粗鬆症になってから焦るのではなく、若いうちからの積み重ねがとても大切です。
また、骨粗鬆症対策は簡単なことばかりなので、みなさんも今日から生活に取り入れていきましょう。