圧迫骨折

皆さんは「圧迫骨折」をご存知でしょうか?

私の両親は高齢になってから、ともに家の中で転倒し「圧迫骨折」をやってしまい、そこから急激に体が弱くなってしまったことを記憶しております。

そこで、今回は「圧迫骨折」のことを知ってもらい、予防の手助けと、圧迫骨折になってしまった場合の注意点をご紹介させていただき、少しでも皆様の健康な老後にお役立てできたら幸いでございます。

圧迫骨折とは

圧迫骨折とは、背骨(脊椎[せきつい])の椎骨(椎骨とは脊椎を構成する骨のこと)が圧迫されて潰れることを指します。主に骨の強度が低下している場合に発生しやすく、高齢者や骨粗鬆症の患者に多く見られます。

圧迫骨折は脊椎の一部が崩れたり潰れたりするため、痛みや姿勢の変化を引き起こします。

骨粗鬆症で骨密度が低下し、骨が脆くなることで、転倒しなくても、日常的な動作や軽度の外部からの力でも骨折が起こりやすくなります。

症状1 急激な背中や腰の痛み

突然の鋭い痛みが主な症状です。痛みは動作や体重をかけた際に増強します。

症状2 姿勢の変化

背中が丸くことや、身長が縮むことがあります。これは圧迫された椎骨が潰れることで脊椎全体の形状が変化するためです。

症状3 運動の制限

痛みのために身体を動かすことが困難になり、日常生活に支障をきたします。

圧迫骨折の予防法

特に高齢者にとって、圧迫骨折になると治すのにとても時間を要すると推測されます。ですので、予防することは特に重要です。

以下に高齢者が圧迫骨折を予防するための具体的な方法を5つご紹介します。

あくまでも一般的な方法ですので、無理をせずできることだけを取り入れることをおススメします。

1 栄養と食事

まず、骨の健康を保つために、カルシウムとビタミンDを十分に摂取することが重要です。乳製品、葉物野菜、魚などから摂取できます。また、日光浴もビタミンDの生成を助けますが、長時間の直射日光は避けるようにしましょう。

何よりも重要なのは、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取する事です。特に高齢者の方は食事の質を重視し、栄養の偏りを避けるようにしましょう。

2 運動

ウォーキングや軽いジョギング、ダンスなどの運動は骨密度を高めます。無理のない範囲で定期的に行うことをおススメします。

可能であれば、軽いダンベルや抵抗バンドを使用した筋肉を鍛える運動をすると、骨を支える力を強化するのに有効です。

ヨガや太極拳などの運動を取り入れてバランス感覚を養うことは、転倒を防ぐために有効な手段です。

3 ライフスタイルの改善

喫煙は骨密度を低下させるため、禁煙することが望ましいです。また過度の飲酒も避けるべきです。

体重が極端に少ない方も骨折のリスクが高まるので注意が必要です。

4 環境の整備

家の中の障害物をチェックし取り除きましょう。また、滑りにくいマットを使用するなどの工夫をすると良いです。特に浴室や階段など、転倒の危険が高い場所には注意が必要です。

5 補助器具の利用

歩行補助器具
必要に応じて杖や歩行器を使用し、転倒リスクを減らしましょう。無理して骨折をしてから後悔するより、補助器具を利用し、いつまでも介助なしで自分で歩けることのほうが大切だと思います。

外出する時は、滑りにくい靴を選ぶことも重要です。

あとがき

いかがでしょうか、高齢者の方にとって、圧迫骨折の予防は特に重要です。

これらの予防法を総合的に取り入れることで、圧迫骨折のリスクを大幅に減らすことができます。

この機会に、医療機関で自分の骨密度検査を行ってみてはいかかでしょうか。自分の骨密度を知ることも、圧迫骨折を予防するためにとても重要な事だと思います。