「カメリナオイルって何?」

「カメリナオイルってコレステロールの悩みに良いの?」

このページではそんな疑問を持つ人に向けて管理栄養士が作成しています。

近年、日本でも注目され出した食用油である『カメリナオイル』。一般的に「コレステロールに良い」とか「動脈硬化に良い」とか言われていますが実際どうなんでしょう。管理栄養士の視点から期待される効果や危険性等もご紹介していきます。


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カメリナオイルとは

カメリナオイルの効果と危険性
まずカメリナオイルとはどのようなものかをご紹介しておきます。

カメリナオイルは主に北ヨーロッパや北米で栽培されている『カメリナサティバ』というアブラナ科の種から摂れる食用油のことです。

近年ではオリーブオイルやエゴマ油等が健康的な油という認知度が高まっていますが、カメリナオイルも含まれる脂質の種類や成分から健康的な油とされています。

カメリナオイルがコレステロールの悩みに良いと言われる理由

「コレステロールが高い」という悩みを持っている人もいるかと思いますが、そもそもなぜコレステロールが高いと良くないのでしょう。

これはコレステロール値が高い状態が続くことで血管の『動脈硬化』につながる可能性があるからです。

動脈硬化というのは、文字通り血管が硬くなり弾力が失われる状態をいいます。コレステロールが多すぎると血管壁内に『プラーク』というものが作られやすくなり、血管の壁が厚くなってしまうのです。この状態が続くと脳梗塞や心筋梗塞をはじめとした様々な血管の病気に繋がると危険視されています。

では、カメリナオイルはなぜコレステロールや動脈硬化の悩みに良いと言われているのでしょうか。

これはカメリナオイルに含まれている脂質の種類にあります。

具体的には良質な脂質の代表格として知られる『不飽和脂肪酸』が豊富に含まれています。

特に多いのが『オメガ3』とも言われる『α-リノレン酸』です。

α-リノレン酸は多すぎると動脈硬化につながる『悪玉コレステロール(LDL)』を減らす作用をするだけでなく、コレステロールを肝臓へ運んで処理してくれる『善玉コレステロール(HDL)』を増やしてくれる作用をしてくれます。

この他にもオリーブオイルに含まれるような血管の健康に役立つとされるオレイン酸など全体的に良質な脂質成分が豊富なのが特徴です。

血管の老化防止が期待されるポリフェノール

不飽和脂肪酸が豊富に含まれるところだけ見ると、エゴマ油や亜麻仁油でも良いように思います。

しかしカメリナオイルがこれらの油と違うのはポリフェノール類(植物ステロール)抗酸化ビタミン(ビタミンE)を多く含む点です。

これらの成分は血管の老化に影響するとされる活性酸素を抑え込む力がある成分で、良質な脂質成分とあわせて血管の健康に役立つと考えられます。

また、これらはカメリナオイル自体の酸化防止作用に働き、品質保持に役立つだけでなく加熱調理でも成分を劣化させにくいというメリットをもたらします。

エゴマ油や亜麻仁油も良質な脂質が豊富ですが、加熱すると酸化しやすく本来の健康パワーを発揮できないという特徴があるため、この点ではカメリナオイルに軍配が上がるでしょう。

カメリナオイルに危険性はあるのか?

カメリナオイルを通常摂取する分には危険性は無いと思います。

しかし、過剰に摂取するのは賛成できません。なぜなら、どんなに良質な脂質も摂り過ぎれば栄養バランスを崩し、健康に悪影響をもたらす可能性があるからです。もう少し詳しく解説していきます。

カロリー過多になる可能性

食用油である以上、良質な脂質を含むとはいっても高カロリーであることは間違いありません。

脂質は1gあたり9kcalとなっており、糖質・タンパク質が1gあたり4kcalであるのに比べれば倍以上のカロリーになっています。

したがってカメリナオイルも摂り過ぎればカロリーオーバーになります。(これはオリーブオイルもエゴマ、亜麻仁油も同じ)

カロリーオーバーになれば、いくら良質な脂質でも脂肪として蓄積するため肥満を招く可能性はあります。

リノール酸も含まれている

カメリナオイルは不飽和脂肪酸類が豊富に含まれていますが、ひとつ気になるのが『リノール酸』の存在です。

製造メーカーによっても違うのでしょうが、カメリナオイルの脂肪酸構成を見るとリノール酸が約20%程度含まれているとされています。

『栄養士解説!リノール酸の危険性』というページでも紹介していますが、リノール酸の摂取によってアレルギー性疾患や脳血管系疾患、心臓病のリスクになることが日本脂質学会から発表されています。

よって通常使う分には問題ないでしょうが(カメリナオイルはリノール酸の影響を少なくするαリノレン酸の量のが多いので)、ドバドバ使うといった過剰摂取には注意した方が良さそうです。

ドレッシングに利用したり、食材にちょいかけするくらいでOK

上記に紹介したのは『全ての料理にかける』とか、『炒め物の調理油としてドバドバ使う』といった極端な使い方をした場合の危険性であって適量使う分には悪影響は無いでしょう。

ドレッシングに利用する油をサラダ油→カメリナオイルに変更したり、スープにティースプーン1杯程度、炒め物に中さじ1杯程度、を利用する分には過剰摂取になるリスクは少ないでしょう。

ただし、健康のためにはカメリナオイルにだけ使っていれば良いという訳ではありません。基本的にはご飯などの主食、肉・魚・卵・豆といった主菜、野菜を中心とした野菜類もバランス良く食べていくというオーソドックスな食習慣は大切です。

カメリナオイルを利用したいという方は、全体の食事バランスも見直した上で利用する事をおススメします。

※食事のバランスを良くする方法は『バランスの良い食事が摂れるようになる4つの方法』で解説しているのでよかったら参考にして下さい。


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