
この記事を読めばわかること
- なぜ高齢者は熱中症になりやすいのか
- 気をつけたい初期症状
- 今すぐできるやさしい対策法
上記について、管理栄養士が解説しています。ぜひ御一読ください。
「暑くないのに、倒れてしまった…」それ、熱中症かもしれません
「クーラーは体に悪いから使ってない」「昔は扇風機だけで乗り切ってきた」
そう思っている方も多いのではないでしょうか?
けれど、年齢を重ねると暑さに気づきにくくなるのです。
実際、2024年の夏には全国で65歳以上の高齢者の搬送者が全体の約8割を占めたという報告もあります(※1)。
なぜ高齢者は熱中症になりやすいの?
加齢に伴って、私たちの体は少しずつ変化していきます。
- 暑さを感じにくくなる(温度感受性の低下)
- 汗をかきにくくなる(体温調節機能の低下)
- 喉の渇きを感じにくくなる(脱水のサインに気づかない)
これらの変化が重なると、気づかぬうちに体内の水分と塩分が失われ、熱中症が静かに進んでいってしまいます。
こんな症状は、すぐに涼しい場所へ
熱中症は、初期症状を見逃さないことが大切です。
- めまいがする
- ぼーっとする
- 手足がつる
- 顔が赤く火照っている
- 軽い吐き気
これらは「軽度の熱中症」のサイン。すぐに水分補給をして、日陰やエアコンの効いた室内に移動しましょう。
今日からできる、やさしい熱中症対策3つ
1. 「喉が渇く前に」こまめな水分補給を
目安は1日あたりコップ6〜8杯程度。特に朝起きたとき・入浴前後・寝る前は体から水分が失われやすい時間です。
一気に飲まず、少しずつこまめに飲みましょう。
おすすめ:麦茶、経口補水液、みそ汁など「塩分も含む飲み物」が理想です。
なお、カラダの水分吸収が効率が良いのは、「経口補水液」と呼ばれるドリンクです。
以下は私が管理栄養士としておススメする経口補水液ですので、ぜひ夏場は常備するようにしてください。
2. エアコンは“健康の味方”
「28℃を超えたら冷房を入れる」を合言葉にしましょう。室温が高くなくても、湿度が高いと体にこたえます。
扇風機との併用で電気代も抑えつつ快適に過ごせます。
ポイント:寝ている間もタイマー設定は注意。夜間の熱中症も増えています。
3. 衣類と日除けの工夫
外出時は帽子・日傘・通気性のよい服が基本。なるべく午前10時~午後3時の外出は避けるようにしましょう。
涼しい時間に買い物や散歩を行うことがおすすめです。
気をつけてほしい「薬」と「持病」
利尿剤、降圧剤などを使っている方は脱水に注意が必要です。
糖尿病や心疾患などの持病がある方は、症状の進行が早い傾向にあります。
心配なときはかかりつけ医に相談しましょう。
まとめ|命を守る、ちょっとした心がけ
高齢者の熱中症は、予防こそ最大の治療です。暑さをがまんせず、どうぞご自身をいたわってください。
「まだ大丈夫」は、危険のサインかもしれません。
今日からできる小さな一歩が、大きな安心につながります。
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参考情報(出典)
- 総務省消防庁「令和6年 夏期における熱中症による救急搬送状況」
- 厚生労働省「高齢者の熱中症予防について」
- 日本気象協会「熱中症ゼロへ」プロジェクト
- 日本老年医学会「高齢者の脱水・熱中症予防ガイドライン」
- 公益社団法人 日本中毒情報センター「経口補水液の使用法」