水素水効能ウソ
「水素水って効果あるの?」栄養相談を受けているとそんな質問をよく受ける。

あくまで私の意見だが、水素水は人間が摂取しても効果は期待できないように思う。というか、そもそも水素水を飲む必要はないと思っている。
相談者の多くに水素水を飲んでいる方は多いのだが、あまり効果の実感が聞こえてこないのも事実だ。
そこで今回は水素水について解説していこうと思う。

水素水は何の為に飲む?

そもそも水素水を飲んでいる人は、何を目的に飲んでいるのだろうか。私が栄養相談を受けている方々は次に紹介するような目的で飲まれている方が多かった。

・がん予防
・美容のため
・体の老化防止
・ダイエット
・糖尿病
・リウマチ

これらを目的に飲むという事は、販売元が上記に有効であるような宣伝をしているに他ならないと思う。
ちなみに水素水購入者の多くは「訪問販売」「マルチ企業」から購入している人が多かった。つまり販売員が口頭でこのような説明をしているように推察される。

しかし、本当にこれらの症状に効果があるのかは疑問だ。次にいったい水素水とはどのようなものか解説していこう。

水素水ってどんなもの?

水素水とは、その名の通り水素を含んでいる水だ。通常、水は「H2O」だが、これに水素である「H2」を強化して入れているのが「水素水」と呼ばれている。つまり水素水を飲むという事は、水素を体の中に多く取り入れるという事になる。

では「水素」を多く入れるとどんなメリットがあるの?と思うだろう。基本的に水素水のメリットは次のような事が言われている。

水素水の効能は、活性酸素を除去する

「活性酸素」というものをご存じだろうか。水素水を知る上で、活性酸素の知識が必要になるので簡単に説明する。
我々は酸素を吸っていきているが、吸った酸素は体の細胞で使われる。この時使われ切れなかった酸素は「活性酸素」というものに変わるのだ。

活性酸素にはヒドロキシラジカルという悪玉活性酸素があり、悪玉活性酸素は細胞やDNAを傷つけて、がんや様々な病気の原因となると言われている。ちなみに、この悪玉活性酸素は喫煙や飲酒、ストレスなどで増大する。

水素水はこの活性酸素を除去する効果があるという。

もう少し詳しくいうと、水素水に含まれる水素(H2)がヒドロキシラジカル(悪玉活性酸素)と結合する。すると無害な水(H2O)に変換されて体の外に排泄されるというのだ。
これによって「がん予防」「ダイエット」「美容」「ダイエット」などに有効などとしている。

以上が水素水を販売する多くの販売会社が宣伝している内容だ。まあ、この時点から科学的根拠が疑わしい訳だが、次に食品業界人が知っている水素水の真実を紹介していこうと思う。


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水素水の正体は「アルカリイオン水」

実は水素水というのは、「アルカリイオン水」という名前で昔から存在していたことをご存じだろうか。
これは私がサプリメントメーカーに勤めていた時から業界では有名な話だ。
以前売っていたアルカリイオン水が今では「水素水」と名前を変えただけで売上が上がっているのだ。

アルカリイオン水は電解水のことで、水を電気分解することで水素を含んだ水が生まれるというもの。1990年代は売れたが徐々に売上が減少。2000年代に入ってから水素水に名前を変えたところ再び息を吹き返した。「水素水生成器」「水素水サーバー」なんていうものがあるが、実は前からあったのだ。

ただ、販売されている水素水の全てがアルカリイオン水という訳ではない。中には「水素ガス」を充填して作られている水素水も存在する。

しかしながら、水素水が活性酸素を除去するという宣伝はどれも変わらない。

「水素水に効能なし」国立健康・栄養研究所が発表

2016年6月、国立健康・栄養研究所が「水素水には効能はない」と研究結果を発表している。
水素水の「活性酸素除去」「がん予防」「ダイエット効果」に関して信頼できる十分なデータはない、という事だ。

国民生活センターが複数の水素水販売業者に改善命令

2016年12月15日、国民生活センターは水素水を販売している業者に対し「活性酸素を除去する」「アトピーに有効」などの表示は、薬機法および景品表示法違反にあたるとして改善するよう要望した事を発表している。

実は水素水に関する相談は、消費者センターにたくさん寄せられている。国民生活センターの発表によると2011~2016年の間に2000件以上の相談があったとされる。
これは相談件数であり、苦情件数ではないことを前置きしておく。しかしながら件数が多い事、しかも年々相談件数が増えているため、国民生活センターが動いたというわけだ。

水素の入っていない水素水が売られている

2016年、国民生活センターが販売されている水素水の水素濃度を測定したところ、記載されている水素濃度よりも低い濃度になっている製品が複数存在していた。
さらにペットボトルで売られているものに関しては水素ガスが検出されなかったものもある。

そもそも水素は抜けやすい

国民生活センターが実施した検査で、ペットボトルの商品から水素が検出されなかったのは当たり前の話なのだ。

そもそも水素はものすごく小さい。我々人間はペットボトルは密閉されているように見えるが、水素からすると穴だらけ。ペットボトルの容器から抜けて出てってしまう。検査で水素が検出されたものはアルミ缶などの製品だった。

つまり、基本的にペットボトルの水素水には水素が入ってないと考えて良いだろう

水素水は、ただの水。販売業者が認める

国民生活センターは水素水の販売業者に対して、「水素水を飲むことで期待できる効果は何か?」というアンケートを実施した。すると、ほとんどの企業が「水分補給」と回答したのだ。

これは消費者を舐めているとしか思えない。消費者に対しては「活性酸素除去」「がんなどの病気予防」などを一番目立たせて宣伝しているにも関わらず、行政に対しては「水分補給が一番の目的です」の回答。これでは消費者は納得がいかないし、水分補給が一番の目的だとすると、自分達で「ただの水です」と言っているようなものだ。

水分補給をするのであれば、もっと安く購入できるスポーツドリンクのがましであろう。

色々と紹介したが、私の結論としては水素水には頼らない方が良いという事である。

では、本当に活性酸素を除去するためにはどうしたらよいか。それを次にご紹介する。

水素水を飲むより野菜を摂ろう

疲れに野菜
これは水素水を飲んでいる人みんなに言っていることである。

活性酸素を本当に除去したいなら、水素水を飲むより野菜の摂取を意識してほしい。

水素じゃなくても活性酸素の除去は可能なのだ。野菜に含まれる「抗酸化ビタミン」や「ポリフェノール」などの「ファイトケミカル」には活性酸素を除去するパワーがある。したがって野菜をしっかり意識して食べていけば、カラダの活性酸素対策はできるのだ。特に抗酸化成分は緑黄色野菜に多く含まれているのでおススメ。

「でも野菜は嫌い」という人は果物を摂るようにして欲しい。果物にも抗酸化ビタミンやファイトケミカルは含まれる。ただ、農薬の問題もあるので「国産」を選ぶようにしたい。

活性酸素を除去するための知識は以前ご紹介させて頂いている。ぜひ下記記事も合わせて読んで頂きたい。

参考:がん・老化防止成分「ファイトケミカル」を上手に摂るたった1つの方法

参考:【管理栄養士監修】がんを予防する食べ物一覧


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