ネギの粘液ヌル

ネギのガン予防
鍋や薬味など様々な活躍をしてくれるネギだが、ネギには病気を予防する素晴らしい成分が含まれている。

今回はそんなネギの知られざる力を紹介する。これを読めば、明日スーパーでネギを買いたくなるはずだ。

ネギに含まれる「ヌル」が免疫力を活性化する

近年の研究でネギから免疫力を向上させる物質が見つかった。その名も「ヌル」。下の画像を見て欲しい、赤丸の部分を触ったことはないだろうか。ネギの青い部分には、ぬるぬるとした透明な粘液が存在する。
 
ネギのヌル

この粘液こそが「ヌル」。そもそもヌルとはネギが乾燥地帯で生き延びるために自分で作り出したもの。

「気持ち悪いから捨ててた」という人は非常にもったいない。
農研機構によれば、ヌルには免疫細胞が活性化する働きがあることが分かったという。しかもヌルの免疫細胞を活性化する効果は半端ではない。「マクロファージ」「IgA」「ナチュラルキラー細胞」といった「免疫力の要」を3つとも活性化するのだ。

免疫細胞についてご存じない方の為に「IgA」「マクロファージ」「ナチュラルキラー細胞」について少し紹介しておこう。
・IgAは唾液などにふくまれ、ウイルスをやっつける役目をもつ、
・マクロファージとは体内に侵入したウイルスや細菌をたべてやっつける免疫細胞
・ナチュラルキラー細胞とはがん細胞をやっつけてくれる免疫細胞

ヌルを摂取すると上記3つとも活性化するのだからすごい。ちなみにヌルはIgAを1.5倍 マクロファージを5倍、 ナチュラルキラー細胞を3~4倍に活性化する事が判明している。

ただ、ヌルを摂取するためには注意が必要だ。ヌルはネギの全体にあるわけでなく、青い(緑)部分に多く存在する。つまり、青い部分を食べる必要があるのだ。

白ネギの青い部分も捨てずに食べる事をおススメする。

ヌルは熱に強い

栄養素の中には熱に弱いものが多く存在する。熱に弱い栄養素は失活して効果を失ってしまうのだが、安心してほしい。ヌルは温度変化に強いのだ。ヌルは加熱しても冷凍しても効果は変わらない。したがって加熱調理をしてもヌルの健康効果は得られるという事を覚えておこう。


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ネギの香り成分「アリシン」にも健康効果

ヌル以外にもネギには免疫力を上げる成分が含まれている。それが「アリシン」だ。アリシンは「香気成分」というネギが持つ香りの成分のこと。

実は、古来より「ネギの匂いには健康効果があるのでは?」と言われてきた。江戸時代中期にかかれた「大和本草」には薬としてのネギの力が記されている。

「突然死した人間の鼻にネギの茎をを指し入れると、鼻血が出て死者が蘇る」というような記述がる。・・・・。もちろん、実際にはこんなことはあるわけない(笑)間違ってもやらないように。しかし、当時の医学書にこのような記述があるように、ネギの香りには健康効果があるのでは?と研究がされてきた。

現在、食品の香りには健康効果があることが判明しており「香気成分」と言われている。ネギでいうならアリシンがそれにあたる。

ネギに含まれる「アリシン」には血管を拡張して体温を上昇させる力をもっている。体温が上昇することで免疫力向上につながる。

ネギが免疫をあげると言われるのにこんな事例がある。2003年に流行した「SARS」をおぼているだろうか?感染者8000人、死者700人以上をだしたSARSだが、中国の「章丘」という都市だけはSACRSに感染しなかったという。この都市はネギの摂取量が非常に多く免疫力が高い事が要因と考えられている。
特に章丘では生でネギが食べられている。実は香気成分のアリシンは熱に弱い。加熱調理をしてしまうとせっかくのアリシンがなくなってしまうのだ。つまりネギは生の状態で摂った方がよいわけだが、章丘の住民たちはそれを行っていた。
さらにネギをすりつぶしてペースト状にしたものを洗剤替わりとして使っていたのも、住民たちの免疫力向上に一役買っていたようだ。

ちなみにアリシンに関してはネギだけに含まれているわけではない。玉ねぎでも摂取できるので免疫力を高めたい方は覚えておくと良いだろう。ただし、熱に弱いのは変わらないので、玉ねぎで摂取する場合も生食が必要となる。


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