「肥満が気になる」「午前中は頭が働かない」「よく眠れない」

そんな悩みがある方は食事を摂るタイミングに問題があるかも。

実は同じ食事を摂るにも食べる時間やタイミングで効果に差がでてくることがわかっています。

そんな食事のタイミングや食べ方を考える学問が『時間栄養学』。

このページでは、管理栄養士が『時間栄養学に基づいた食事のとり方』について紹介していきます。

肥満に悩む人だけでなく、体調管理をしたい人、仕事や勉強のパフォーマンスを上げたい人の参考になれば幸いです。

時間栄養学ってどんなもの?

時間栄養学の夕食
これまでの栄養学は、「どんな物を」「どれくらいの量を」食べるのかという考え方でした。

時間栄養学とは、この従来の栄養学の考え方にプラスして『どのタイミングで』『どのように』食べるのかという考え方が加わった学問のことです。

つまり、食事の内容や量だけを考えるだけでなく、摂取するタイミングや食べ方にも目を向けようという事です。

なぜ時間栄養学が必要なのか

私たちが摂取した栄養は消化→吸収→代謝の順番にカラダの中で利用されていきます。

しかし、この消化、吸収、代謝の働きは、私たちのカラダに備わっている『体内時計』というものに大きく影響を受けるのです。

よく「寝る前に食べると太る」なんて話を聞くかもしれませんが、これは1日のうちに働く体内時計の影響で夜は代謝が落ちて、食べた栄養をエネルギーとして消費するチカラが低下するからです。

消費できない分の栄養は脂肪として蓄積していくことになりますから、寝る前に食べると太ってしまうのは当然のことなのです。

したがって同じ食事内容でも、どのタイミングで摂取するのか、時間栄養学を取り入れた食生活をおくることは体調管理の大切な第一歩となります。

体内時計を考えた食事の摂り方3ポイント

では、時間栄養学の観点から見た食事のとり方についてご紹介していきます。

具体的に体内時計を意識した食事で気を付けて欲しいのに以下の3ポイントがあります。

  • 朝食はやっぱり大事
  • 食事は朝4:昼3:夜3の割合で
  • 1日の食事は12時間以内に

それぞれを詳しく解説していきます。

朝食はやっぱり大事

「朝食は摂った方が良い?とらなくても良い?」

このような質問をよく受けますが、時間栄養学で考えると朝食は必ず摂った方が良いです。

というのも私たちの体内時計というのは朝食によってリセットされるからです。

なぜ体内時計のリセットが必要なのかというと、私たちの体内時計が25時間のリズムで動いているから。当然ですが、1日は24時間であるため1時間の誤差があるのです。

したがって体内時計のリセットを行わない場合1時間ずつズレていき夜更かし体質になりやすくなります。

もしこのページを読んでいるアナタが「だんだん夜更かしになっていく」としたら、ひょっとすると体内時計のリセットがうまく行えていないからかもしれません。

つまり、結論をいうと『体内時計は狂っていくのでリセットして1日をスタートさせることが大切』ということです。

先に紹介したようにリセットのために有効なのが朝食。

朝食から得られるエネルギーによって体内時計がリセットされることがわかっているのです。

また、朝食を摂ることは体内時計のリセット以外にも午前中に脳やカラダを働かせるためのエネルギーの獲得や、代謝をアップさせて肥満を防止するなどの効果が期待できるため、良いことばかり。

逆に朝食を摂らなかった場合、仕事の効率や勉強の成績が低下するという研究報告1)もありますし、肥満に関しては朝食を摂らない場合は1.75倍も太りやすくなるというデータもあります。2)

1) Osong Public Health Res Perspect.2016 Aug;7(4):220-227
2) Horikawa C et al.,Skipping breakfast and prevalence of overweight and obesity in Asian and Pacific regions:ameta-analysis.Prev.Medicine 53,260-267

食事は朝4:昼3:夜3の割合で

次のポイントになるのが、3食食べる食事の量の割合。

前半にも紹介していますが、1日の総摂取カロリーや食事内容が同じでも、体内時計の影響で食べる時間が変わればカラダへの影響は変わってきます。

つまり1日の総摂取カロリーが同じでも、大部分を代謝が下がる夜に食べれば太りやすくなるということ。

したがって時間栄養学では朝昼晩に食べる食事量の配分が大切になってきます。

そこで目安にしてもらいたいのが『朝4:昼3:夜3の割合』。

特に一番増やしたいのが朝食の摂取量です。日中は活動量も増えるため、朝に摂ったカロリーも消費しやすくなり太りづらくなるのです。

もし朝食をどうしても食べれないという方であれば、昼の割合を増やすようにし、できるだけ夜の食事量を控えるようにしていきましょう。

1日の食事は12時間以内に

仕事などで夕食がどうしても遅くなるという人もいるでしょうが、できれば1日に食べる食事は朝食を摂ってから12時間以内に済ませたいです。

アメリカの肥満の人を対象にした研究によれば、それまで14時間以上の間に食事を食べていた人を、10~11時間の間に食事を食べるようにしてもらったところ、体重の減少と睡眠の改善が報告されています。3)

つまり、12時間以内に食事を済ませると、残りの12時間は絶食状態になることで、太りにくく、さらには睡眠が良くとれるようになるという効果が期待できるということです。

仕事や勉強などで特に夕食が遅くなるという人は難しいかもしれませんが、そういう方は夕方くらいにオニギリやサンドイッチなど間食をとっておくなど工夫しましょう。そして仕事が終わってからはサラダなどできるだけ低カロリーなものを摂るようにしてください。

3)Gill S and Panda S,A Smartphone App Reveals Erratic Diurnal Eating Patterns in Humans that Can Be Modulated for Health Benefits.Cell Metabolism.22,789-798