痛風と牛乳
管理栄養士のタイゾーです。

みなさんは自分の「尿酸値」気になったことありませんか?

日頃、私が栄養カウンセリングをしている方の中で、尿酸値が高くて悩んでいる方が多くいらっしゃいます。それも高齢者よりも30代くらいの若い年齢層に多いです。
尿酸値が高い方は、尿酸値を下げるために運動をしたり、水を積極的に飲んでいる方が多いように思いますが、思うように結果が出ていないという方もいるのでは。そんな方はぜひこの記事を読んで頂ければと思います。

尿酸は悪者ではない

痛風の方や尿酸値が気になる人にとっては「尿酸=悪者」というイメージをお持ちかもしれません。しかし、尿酸とは決して悪者というわけではありません。

そもそも尿酸とは人間が体の中で作り出しているものです。この尿酸には「抗酸化作用」がそなわっており、カラダの老化を防止する役目を担っているのです。私たち人間が現在のように長生きできるようになった理由のひとつに、この尿酸の存在があるとさえ言われています。つまり、本来カラダにとって必要だから作っているわけで、いらないものではありません。

尿酸値は高すぎてはダメ

尿酸は私たちにとって必要なものですが、増えすぎるのもよくありません。尿酸が体の中で増えすぎた場合、激痛をともなう「痛風」という病気につながります。痛風とは名前の通り、風があたっただけで痛むというくらい激しい痛みが出る病気です。尿酸の基準値は2.1~7.0mg/dLとされておりこの基準値を超えた場合、痛風になる危険性が高くなります。


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なぜ尿酸値が高いと痛風になるのか

ここで尿酸と痛風の関係をご紹介しておきます。

必要以上に体内で尿酸が作られてしまった場合、血液中で尿酸が結晶化してしまいます。この結晶というのが針のかたまりのようにギザギザしているのです。

さらにこの結晶は関節の中で重なり合ってこびりつき、結晶のかたまりを作っていきます。ちなみにここまでだと痛みはまだでません。更にどんどん固まっていった結果、ちょっとした衝撃で骨から剥がれてしまいます。ここから痛みが出てきます。

剥がれた尿酸の結晶を、免疫細胞が「敵」と判断して攻撃を開始します。この戦いが「炎症」として現れ、激痛を生み出すのです。つまり痛風というのは尿酸の結晶によって炎症が起きているという事です。

尿酸が高くて恐いのは痛風だけではない

尿酸値が高いと痛風の危険性があるというのは知っている方が多いのではないでしょうか。しかし恐いのは痛風だけではありません。

体の尿酸などを処理する「腎臓」にダメージが蓄積し、場合によっては「慢性腎臓病」になる可能性も。ちなみに尿酸値が高い人は、慢性腎臓病で人工透析になる確率が通常よりも5.7倍も高くなると言われています。

さらに心臓病の死亡リスクも1.8倍上がります。

プリン体が多い食材の摂り過ぎには注意

尿酸は「プリン体」という物質から作られます。プリン体は「食事から摂取する分」と「自分の身体で作り出す分」の両方がありますが、その割合は2:8で食事よりも、カラダで作り出す割合のが多くなっています。そしてプリン体は肝臓へと運ばれ、肝臓で尿酸が作られます。

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よくプリン体の多いものを食べない人でも尿酸値が高い人がいますが、これは運動のやり過ぎや体質によって体内でつくるプリン体が多くなるためです。体内のプリン体は細胞の代謝とともに生まれます。筋トレなどの運動をすると筋肉の細胞が壊れ、それを回復するためにプリン体が生まれるのです。したがって激しい筋トレをする人は尿酸値が高くなる傾向にあります。

プリン体は食べる方より、体内で作られる割合のが多い。これによって「じゃあ食べ物はそんなに気にしなくていいか」と考える人がいますが、そうではありません。プリン体の多い食品の食べ過ぎには注意が必要です。下記にプリン体の多い食材を紹介しておきますので、痛風や尿酸値の高い方は控えるようにして下さい。

・ビール
・レバー
・白子
・アンキモ
・イカ
・エビ
・タラコ
・ウニ
・牡蠣

また、この他にも砂糖などの「糖」の摂り過ぎも尿酸値を上昇させる原因となります。

尿酸値対策には牛乳がおススメ

痛風には牛乳
尿酸値対策のために、プリン体が多い食事を控えたり水分を多く摂っている人がいらっしゃいますが、私は牛乳がおススメです。

尿酸を排泄させてやろう!

私が牛乳をおススメする理由は、牛乳には尿酸を排せつする作用があるからです。

多くの方が、プリン体が多い食品を控えるなど「尿酸を増やさない努力」をされています。もちろん尿酸を必要以上に増やさないようにするのは大切なことです。しかし、「尿酸を排泄させる」という方にも目を向けて頂きたいと思います。

尿酸値を排せつする上で、ポイントとなってくるのが「腎臓」です。腎臓は尿酸を排せつさせる役目を持っている器官ですが、尿酸値の高いかたの多くは腎臓がうまく働かずに尿酸を出せていないと考えられています。その結果、体に尿酸が蓄積してしまいます。

しかし、この腎臓を働かせて尿酸を排せつする力が牛乳にはあるのです。

牛乳は腎臓から尿酸を出しやすくする

なぜ牛乳が尿酸を排せつするのかというと、牛乳に含まれる「カゼイン」という物質にあります。

カゼインとは生乳に含まれる主要タンパク質です。乳タンパク質のおよそ80%を占めます。ヨーグルトやチーズは牛乳と比べて固形化していますよね?あれはカゼインが乳酸菌によって凝固してくるために起こるものです。

牛乳のカゼインは胃腸で分解され、「アラニン」という物質に変化します。このアラニンこそが腎臓に働きかけ、尿として尿酸を排泄してくれるのです。

実際に牛乳と痛風の関係に関する研究論文もあり、47150人を対象に「低脂肪牛乳を1日にコップ1杯飲む」という実験を12年間追跡調査したところ、痛風の発症が43%減少したというデータも存在します。(参考:N Engl J Med. 2004 Mar 11 )

低脂肪牛乳やヨーグルトでもOK

痛風にはヨーグルト
カゼインが含まれているかがポイントなので、研究論文にもあるように「低脂肪牛乳」もOKです。さらにヨーグルトにもカゼインは含まれているのでヨーグルトでもOKです。

尿酸値のために牛乳やヨーグルトを摂るタイミング

気になるのは「いつ牛乳やヨーグルトを食べればいいの?」という所ですが、私としては食事中か食後をおススメしています。これは食事で摂取するプリン体を尿酸として排泄させるためです。ただ、薬ではないので絶対は存在しません。定期的に病院で尿酸値の検査をしながら自分にベストなタイミングを掴んで頂ければと思います。

ただ、筋トレなどの運動をする人には「運動後」をおススメしています。これは運動によって筋肉組織が破壊されることで上昇する尿酸値を下げるためです。よく筋トレ後にプロテインを飲む方がいらっしゃいますが、ぜひ牛乳で飲んで下さい。


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