「酢はダイエットに良いの?」
このページはそんな疑問を持つ人に向けて管理栄養士が作成しています。
調味料として広く認知されている『お酢』。
様々な健康効果があると聞いた事がある人も多いのでは。
そんな中で
「酢を飲めば痩せれるって聞いたけどホント?」
なんて質問をよく頂きます。
そこでこのページでは、お酢のダイエット効果について解説していきます。
摂り過ぎによるリスクも存在するので、その辺りも含めて読んで下さい。
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酢って何?
基本的に、麦などの穀物から作られる酢を『穀物酢』といいますが、穀物酢の種類は多くあります。
具体的には、米や玄米から作られる『米酢』、『玄米酢』『黒酢』『香酢(もち米)』、サトウキビから作られる『きび酢』も穀物酢に該当します。
また果物から作られる『果実酢』も存在します。たとえば、リンゴから作られる『りんご酢』や、ブドウから作られる『ワインビネガー』、『バルサミコ酢』、柿を原料とした『柿酢』、イチジクから作られる『イチジク酢』などが果実酢です。
この他にも『梅酢』、『もろみ酢』など実に多くの種類が存在します。
酢の『酢酸』が内臓脂肪減少に役立つ
酢を飲んだ時に『すっぱい』と感じますよね。この酸味は酢に含まれる『酢酸』という成分によってもたらされます。
酢酸とは、穀物酢や食酢に約4~5%程度含まれています。(酢の種類によって異なります)
おなじく酸味をもたらす『クエン酸』とは違い、揮発性のため、酸味とともにツーンとする刺激臭もともないます。
特定保健用食品(トクホ)として認定
現在、一般的に言われている酢に含まれる酢酸の健康効果には以下のようなものがあります。(ヒトへの有効性が実証されていないものも含めて)
・血圧を下げる
・疲労回復
・血液の流れを良くする
・脂質代謝を改善する
・糖代謝を改善する
この中で特定保健用食品(トクホ)にも認められているのは『血圧』に関する効果で、『血圧が高めの方に適した食品』という表示が認められています。
酢がダイエットに有効な理由
酢が内臓脂肪の減少に役立つ
近年の研究によって酢に含まれる酢酸にダイエット効果が期待できるという報告があります。
具体的には酢を摂取することによって『内臓脂肪減少』や『皮下脂肪の減少』に役立つとされます。
2005年、肥満の男女155名(BMI25~30)を対象に行われた比較試験で、対象者に『りんご酢』を12週間摂取させたところ、内臓脂肪と総脂肪面積、体重、BMI、体脂肪率、ウエスト・ヒップ径、血中トリグリセリドが低下することが確認されています。
また、1日に1500mgの酢酸を摂取させたグループでは、上記の内容に加え、皮下脂肪面積の低下や血圧の低下も認められました。
J Am Diet Assoc.2005 Jul:105(7)114-4
副作用の報告も!過剰摂取には注意
ここまで読み進めてくれた方の中には『ダイエットに役立つならどんどん摂ろう』と思って人もいるかもしれません。
しかしちょっと待ってください。
酢の過剰摂取には気をつけなければなりません。
国立栄養研究所のデータベースによれば、糖尿病や妊婦の人への過剰摂取の危険性が報告されています。
つまり、持病を持つ人が安易に過剰摂取するとリスクがともなう可能性があります。
基本的に上記に紹介したような持病を持つ人は主治医に相談するようにした方が良いでしょう。
ただ、国立栄養研究所のデータにもあるように、お酢を食事から摂取する分には安全とされているため、必要以上に摂取しなければ特に問題は無いと思われます。
量の問題ですから、ダイエットを目的にする場合1日に大さじ1杯程度を目安に摂取する分には良いでしょう。
食事制限と運動も併用して
ここまで酢のダイエット効果についてご紹介してきましたが、酢を摂取していればドカ食いや運動をしなくても良いという事ではありません。
酢を摂っていても過剰に食べていれば、必要以上に摂った分は脂肪に変換されて蓄積します。
また運動不足は消費カロリーの低下につながるため太りやすい体質を招きます。
したがって、酢を取り入れながら適正カロリーの食事内容にし、定期的な運動をもすることを心掛けましょう。
酢はあくまでダイエットのサポートという位置づけであることを知っておいてください。
まとめ
このページで紹介したように、お酢の酢酸によって内臓脂肪を減らす効果が期待できそうです。
ただ、国立栄養研究所のデータベースの中には『内臓脂肪の減少は確認できなかった』とされるものもあるので、確実とは言いきれない部分もありますし、過剰摂取には注意しなければなりません。
したがってダイエットでお酢を取り入れたい方は、お酢だけに頼るのではなく、食生活の改善と運動も取り入れた方が良いでしょう。
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参考にさせて頂いた文献