筋トレで痛風になる

筋トレで痛風になる
『筋トレで痛風になるの?』

『筋トレしたら痛風になったんだけど』

『痛風を予防するには何を食べればいいの?』

このページは、そんな疑問を持つ人に向けて管理栄養士が作成しています。


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筋トレによって痛風になった

そもそも、この記事を作った理由は、私自身が筋トレによって痛風になった経験があるからです。

私は2017年に半年で-30kgのダイエットに成功した経験があります。数字だけを見るとすごいと思うかもしれませんが、ダイエット中に起こったトラブルがあります。

それが『痛風』です。

ダイエット中、突如として足首の痛みに襲われました。その痛みは、足首に注射針を打ち込まれるかのようなものでした。

数日経っても痛みがひかないため、病院で診察を受けました。

診断結果は痛風。

しかし、食事内容にも気をつかっていたため、痛風になるとは思ってもいませんでした。医師にライフスタイルを相談したところ、原因は筋トレの可能性が大きいと言われました。

なぜ痛風が起こるのか

なぜ痛風が起こるのでしょう。簡単な流れは以下のようなものになります。

プリン体→尿酸→尿酸が関節にたまる→はがれる→はがれたものを白血球が攻撃→痛みを感じる

私たちのカラダには『プリン体』と呼ばれるものがあり、食事で摂取したり、体内で作られたりしています。このプリン体は本来はエネルギー源としても使われるため悪いものではありません。しかし、このプリン体が代謝されると『尿酸』という物質になり、これが肥満やストレス、乱れた生活習慣など様々な理由で血液中の尿酸の濃度が高くなると『高尿酸血症』となります。

この状態が続くと、関節に尿酸が固まります。そしてあるきっかけで、はがれ落ちると白血球が攻撃し痛風発作が起こります。

参考サイト:東京女子医科大学 膠原病リウマチ痛風センター

筋トレによって痛風になる可能性

筋トレだけというわけではありませんが、筋トレを含む『激しい運動』が痛風につながる可能性があります。

これは激しい運動を行うことで、新陳代謝が活発化し、代謝産物である尿酸が増加することが原因とされています。ただこの場合の尿酸値上昇は一時的なものであると考えられています。しかし、医師の話では頻繁に高付加の運動をしていれば痛風になる可能性があるといいます。

私の場合、当時週6日ハードな筋トレを行っていた事が良くなかったのかもしれません。

尿酸値を下げるのにおススメな食事法

では、ここから尿酸値が高くなり過ぎないようにする食事法のポイントをご紹介していきます。

特に筋トレなど激しい運動を行うトレーニーやダイエット中の方に参考にして頂きたいです。ちなみに食事法はあくまで予防を目的としているのであって、すでに痛風と診断された方は医師の治療を優先して行うようにして下さい。

プリン体が多い食品を食べ過ぎない

まず、食事で出来ることはプリン体の多いものを食べ過ぎないという事です。

体内のプリン体の量というのは、食事由来のものよりカラダの中で自分で作り出す量のが圧倒的に多い訳ですから、食事内容はあまり関係ないように思われる場合があります。しかし、プリン体をたくさん含む食品を過度に食べ過ぎた場合は尿酸値が上がる原因となるので注意が必要です。

以下にプリン体が多い食品を挙げておくので、これらの過剰摂取には気をつけるようにしましょう。

レバー類(鶏、豚、牛)、白子、アンコウの肝、魚の干物類、イワシ、カツオ

水分補給をしっかりと

尿酸は尿に溶け込んで排泄することができます。

よって水分をしっかりと補給し、尿を作り出すことが必要になってくるのです。

尿酸値対策にしっかりと水分を補給するようにしましょう。

野菜を多く食べる

尿酸値対策におススメなのは野菜を多く食べることです。どのくらい食べるのかというと、出来れば1日に350gの野菜を目標として食べて欲しいです。これは健康日本21で目標とされている野菜の摂取量になります。

尿酸値対策で野菜を食べる目的というのは、尿酸を排泄しやすい環境を作ってやるためです。

基本的に尿酸は尿から排泄することが可能ですが、この時、尿が『アルカリ性』に傾いていた方が尿酸が尿に溶け込みやすくなるとされています。

野菜というのは、そのほとんどがアルカリ性であって尿をアルカリ性に傾かせやすくする性質があります。

よって、尿酸を排泄させやすい環境にするためにも野菜を多く摂取するように心がけましょう。

また、野菜を摂るメリットは尿酸対策だけでなく、ボディメイクやダイエットの観点から見てもメリットがいっぱいです。野菜に含まれるビタミンやミネラルは微量栄養素と言われ、カラダ作りや代謝をスムーズに行う手助けとなってくれます。

また野菜に含まれる食物繊維は、食事制限中になりがちな便秘を予防するサポート役でもあります。

海藻類もおすすめ

尿酸対策にはワカメなどの海藻類もおススメです。

野菜の部分とかぶるのですが、海藻類もアルカリ食品の代表格ですから、尿中に尿酸を溶け込ませ排泄させるサポート役になります。

カロリーも低ので食事制限に影響を与えませんし、含まれる水溶性食物繊維は便の排泄をスムーズにしてくれるので、野菜同様にダイエット中の便秘対策になる付加価値があります。

牛乳が尿酸排泄を助ける

次におススメするのが牛乳の摂取です。

牛乳に含まれるカゼインが尿酸の排泄の手助けをするという研究があります(参考 N Engl J Med 2004; 350:1093-1103 )

カゼインとは生乳に含まれる主要タンパク質です。乳タンパク質のおよそ80%を占めます。ヨーグルトやチーズは牛乳と比べて固形化していますよね?あれはカゼインが乳酸菌によって凝固してくるために起こるものです。

牛乳のカゼインは胃腸で分解され、「アラニン」という物質に変化します。このアラニンこそが腎臓に働きかけ、尿として尿酸を排泄してくれるとされています。

実際に牛乳と痛風の関係に関する研究論文もあり、47150人を対象に「低脂肪牛乳を1日にコップ1杯飲む」という実験を12年間追跡調査したところ、痛風の発症が43%減少したというデータも存在します。(参考:N Engl J Med. 2004 Mar 11 )

詳しくは下記ページで解説しているので、そちらを読んで下さい。

【栄養士推奨】尿酸値を下げたいなら牛乳をのむべし

まとめ

痛風予防の食事のポイントまとめます。

・プリン体の多い食品の過剰摂取を避ける
・水分を十分に摂る
・野菜を多く摂取する
・海藻などのアルカリ食品を摂る
・カゼインを含む乳製品を摂取する

痛風は自分も経験しましたが、痛みが激しく運動ができなくなりました。医療機関の情報サイトでも肥満の解消が痛風の予防に良いとされていましたが、ダイエット時に痛風になると運動ができないので悪循環です。

よって日頃から痛風予防の食事を心がけたいものです。


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