寄生虫ダイエット

『スタイルの良いカラダ』。これは多くの人がなりたいと思う事ではないでしょうか。

確かに引き締まったカラダは、見た目が良くなり、精神的にも自信がつくというメリットがあります。

ただ、『ダイエットに何を摂ったら良いの?』と疑問に持つ方もいるでしょう。

そんな方にオススメな栄養素が『ビタミンB群』です。

『群』とつくように、ビタミンBにも種類があります。その中でも『ビタミンB1』『ビタミンB2』『ビタミンB6』はアナタのダイエットをサポートしてくれる栄養素です。

今回はそんなビタミンBとダイエットの関係について管理栄養士の視点からご紹介していきます。

ビタミンBが多く含まれている食品についてもご紹介していくので、ぜひ参考にしてください。


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肥満は健康にも良くない

『痩せたい』と願う人は多くいます。しかし、これは『見た目を良くしたい』という思いが根底にある人が大半です。

確かにダイエットをすることで見た目に変化が現れます。

ただ、ダイエットで得られるメリットは見た目を良くするだけではなく、『健康を守る』という側面をもっています。

現在、肥満は『生活習慣病』の大きな原因であることがわかっており、糖尿病や高血圧症、動脈硬化などを招くとされています。

したがってダイエットをして適正に痩せることは、見た目の向上以外にも病気から身を守るという側面を持っているのです。

もちろん痩せすぎもいけませんが、健康のためにも『標準体重』を目標にする必要があります。

ちなみに標準体重とは、統計的に最も健康的に生活できる『理想的な体重』とされているものです。

標準体重は

身長(m) ☓ 身長(m) ☓ 22 = 標準体重(kg)

の式で求める事ができます。

例えば、160cmの方であれば

1.6 ☓ 1.6 ☓ 22 =56.32

つまり、160cmの方は、約56kgが標準体重になる訳です。

一度自分の標準体重を求めてみて、標準体重を大きくオーバーしているようならダイエットを検討した方が良いでしょう。

痩せるためには『消費カロリー>摂取カロリー』が基本

ダイエットを成功させるためには、『食べるカロリーよりも消費カロリーの方が多い状態を作る』必要があります。

と言っても『カロリー摂らなければいいや』なんて安易に考えないでください。

私たちは普段、食事や間食、飲料などで必要なカロリーを摂取する事で『エネルギー』を発生させて生きています。

車がガソリンをエネルギーとして利用して動くように、私たちも食べた栄養(カロリー)をエネルギーに変えて生きているのです。

したがって、私たちが生きていく上で、カロリーを摂ることは絶対に必要な事です。

ただ、必要以上に摂りすぎた栄養は『脂肪』に変換されて蓄積して肥満になりますので、摂りすぎが良くないという事です。

脂肪は非常時(飢餓状態)にエネルギーとして使われるいわば『栄養の貯蔵庫』としての役割を持ちます。

つまり肥満で悩んでいる方は、この貯蔵庫が膨れ上がっている状態とも言えます。

では、肥満を解消し、痩せるためには何が必要かというと、先ほども紹介したように『消費カロリーが摂取カロリーよりも多いこと(消費カロリー>摂取カロリー)』です。

脂肪はカラダに栄養が足らなくなるとエネルギーをして燃焼されるため、消費カロリーが摂取カロリーを上回れば当然痩せていく事ができます。

つまり、ダイエットを成功させるためには

・摂取カロリーを低下(食事制限)

・消費カロリーの増加(運動、代謝アップにつながる栄養素の摂取)

が必要であることが分かります。

ビタミンB群で消費カロリーアップ

先に紹介したように、ダイエットを成功させるためには『消費カロリー>摂取カロリー』にする事が大切です。

つまり、消費カロリーを増やすことができれば効率的に痩せていけることになります。

そこでオススメなのが、『ビタミンB群』です。

ビタミンB群を摂取することで消費カロリーアップの効果が期待できます。

ビタミンB群の種類は色々ありますが、簡単にまとめると私たちの体内で栄養素をエネルギーとして利用する時に補助的に働くことで、代謝を上げ消費カロリーアップにつながる栄養素なのです。

ビタミンBにもB1、B2,B6、B12など色々な種類がありますが、それらをまとめて『ビタミンB群』と呼んでいます。

どの栄養素も私たちがエネルギーを発生させるためのサポート役を担っているため、消費カロリーを上げて痩せたい方には、心強い味方になるでしょう。

ダイエットに役立つビタミンB群の種類と働き

先ほどはビタミンB群の大まかな役割を紹介しましたが、ビタミンBの種類によってダイエットへの働きが異なってきます。

より詳しく知りたい方のために、ダイエットに対するそれぞれのビタミンBの働きを紹介していきます。

対象となるのは『ビタミンB1』『ビタミンB2』『ビタミンB6』です。

また、摂取量や多く含まれる代表的な食品も紹介しているので参考にしてください。

ビタミンB1

主に糖質をエネルギーに変化するサポートをしてくれるのがビタミンB1です。

糖質とは何かわかりますか?

糖質とは、ごはんやパン、麺類、イモ類などに多く含まれる栄養素で、主にエネルギーになりますが摂りすぎれば脂肪に変換されて蓄積されます。

そんな糖質をエネルギーとして利用しやすくしてくれるのがビタミンB1です。

厳密に説明すると、糖質からエネルギーを産み出す時に働く『解糖系』から産み出される『ピルビン酸』を『アセチルCoA』に変換するサポート(ピルビン酸脱水素酵素)をします。また、クエン酸回路(TCA回路)でも『α-ケトグルタル酸』を『スクシニルCoA』に変換するサポートをします。これらの反応は両方ともグルコース(糖質)からエネルギーを作る反応です。

※糖質がエネルギーに変わる流れを知りたい方は『糖質の代謝』で詳しく解説

難しい説明だったかもしれませんが、一般の方の認識としては『ビタミンB1が糖質の代謝をサポートする』という認識でOKです。

ビタミンB1はどれくらい摂れば良い?

次にビタミンB1の摂取量について紹介しておきます。
下の表は『食事摂取基準2015』で定められたビタミンB1の推奨量ですが、運動をする人や肉体労働をする人によってはビタミンB1の摂取量を増やす必要があります。

■男性

年齢推定平均必要量推奨量目安量
0-5月0.1
6-11月0.2
1-2歳0.40.5
3-5歳0.60.7
6-7歳0.70.8
8-9歳0.81.0
10-11歳1.01.2
12-14歳1.21.4
15-17歳1.31.5
18-29歳1.21.4
30-49歳1.21.4
50-69歳1.11.3
70歳以上1.01.2

■女性
年齢推定平均必要量推奨量目安量
0-5月0.1
6-11月0.2
1-2歳0.40.5
3-5歳0.60.7
6-7歳0.70.8
8-9歳0.80.9
10-11歳0.91.1
12-14歳1.11.3
15-17歳1.01.2
18-29歳0.91.1
30-49歳0.91.1
50-69歳0.91.0
70歳以上0.80.9
妊婦+0.2+0.2
授乳婦+0.2+0.2

ビタミンB1の多い食品

ビタミンB1が多く含まれるオススメの食品は豚肉です。また主食では玄米に比較的多く含まれているので、ダイエット中は白米を玄米に置き換えるのも良いでしょう。

  • 豚ヒレ(80g)・・・0.78mg
  • 豚もも(80g)・・・0.72mg
  • 豚ロース(80g)・・・0.55mg
  • うなぎ(100g)・・・0.75mg
  • そば(130g)・・・0.25mg
  • 玄米(150g)・・・0.24mg

ビタミンB2

ビタミンB2は、三大栄養素である糖質、タンパク質、脂質の全ての代謝を促進してくれる栄養素です。

糖質、タンパク質、脂質はいずれも私たちのカラダにとって必要な栄養素であり、バランス良く摂取しなければなりません。

それら全ての代謝にかかわるビタミンB2はダイエット中はもちろんのこと普段の生活でも摂取すべき栄養素です。

摂取されたビタミンB2は、フラビンモノヌクレオチド(FMN)やフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)という『補酵素』として働くことで三大栄養素全てをエネルギーに変えるサポートをしています。

とくに、脂質をエネルギーに変えることに利用されることから、糖質制限ダイエット(ケトジェニックダイエット)などの脂質を多く摂取する人は摂ると良いでしょう。

ビタミンB2はどれくらい摂れば良い?

ビタミンB2は、ビタミンB1の摂取と同じく運動をする人や肉体労働者などは多めに摂取する必要があります。
■男性

年齢推定平均必要量推奨量目安量
0-5月0.3
6-11月0.4
1-2歳0.50.6
3-5歳0.7
0.8
6-7歳0.80.9
8-9歳0.91.1
10-11歳1.11.4
12-14歳1.31.6
15-17歳1.41.7
18-29歳1.31.6
30-49歳1.31.6
50-69歳1.21.5
70歳以上1.11.3

■女性
年齢推定平均必要量推奨量目安量
0-5月0.3
6-11月0.4
1-2歳0.50.5
3-5歳0.60.8
6-7歳0.70.9
8-9歳0.91.0
10-11歳1.11.3
12-14歳1.21.4
15-17歳1.21.4
18-29歳1.01.2
30-49歳1.01.2
50-69歳1.01.1
70歳以上0.91.1
妊婦+0.2+0.3
授乳婦+0.5+0.6

ビタミンB2の多い食品

ビタミンB2は動物性食品や植物性食品など幅広く含まれており、とくに動物の肝臓や、酵母、胚芽などに多い傾向にあります。

  • 豚レバー(50g)・・・1.8mg
  • 牛レバー(50g)・・・1.5mg
  • 鶏レバー(50g)・・・0.9mg
  • うなぎ(100g)・・・0.74mg
  • サンマ(150g)・・・0.27mg
  • 納豆(50g)・・・0.28mg

ビタミンB6

ビタミンB6はビタミンB2と同じく、糖質、タンパク質、脂質の代謝に関わっていますが、中でもタンパク質の代謝に大きく関わっています。

タンパク質は肉や魚、大豆などに多く含まれる成分で、消費カロリーアップに必要な『筋肉』の材料となります。

ダイエット中は消費カロリーを上げるためにも『筋肉をつけていく』or『減らないようにする』ことは必須事項なので、筋肉の材料となるタンパク質はしっかりと食べる必要があります。

ビタミンB6は、このタンパク質を代謝するためのサポート役を担っているため、筋肉をつけてダイエットをしたい方にぜひ摂ってもらいたい栄養素です。

具体的には、ビタミンB6は体内でリン酸化されて『ピリドキサールリン酸(PLP)』という補酵素としてタンパク質の代謝に関わります。

ビタミンB6はどれくらい摂れば良い?

ビタミンB6の必要量はタンパク質の摂取量によって変わります。タンパク質の摂取量1gに対して0.014mgが必要とされます。
タンパク質を多く摂取する人はしっかり摂取するようにしましょう。
■男性

年齢推定平均必要量推奨量目安量耐容上限
0-5月0.2
6-11月0.3
1-2歳0.40.510
3-5歳0.50.615
6-7歳0.70.820
8-9歳0.80.925
10-11歳1.01.230
12-14歳1.21.440
15-17歳1.21.550
18-29歳1.21.455
30-49歳1.21.460
50-69歳1.21.455
70歳以上1.21.450

■女性
年齢推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量
0-5月0.2
6-11月0.3
1-2歳0.40.510
3-5歳0.50.615
6-7歳0.60.720
8-9歳0.80.925
10-11歳1.01.230
12-14歳1.11.340
15-17歳1.11.345
18-29歳1.01.245
30-49歳1.01.245
50-69歳1.01.245
70歳以上1.01.240
妊婦+0.2+0.2
授乳婦+0.3+0.3

ビタミンB6の多い食品

ビタミンB6は穀類、肉類、魚介類、野菜類など幅広く含まれています。

  • 牛レバー(50g)・・・0.45mg
  • 鶏レバー(50g)・・・0.33mg
  • 鶏ささみ(100g)・・・0.6mg
  • カツオ(100g)・・・0.76mg
  • 鮭(80g)・・・0.51mg

ビタミンB6がタンパク質の代謝に関わることから、タンパク質が多く含まれる鶏肉、カツオ、鮭といった食品で摂ると良いでしょう。


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参考にさせて頂いた文献

  • 厚生労働省 食事摂取基準2015
  • 日本食品成分表2015(七訂)
  • 女子栄養大学栄養学部教授 川端輝江(2012).しっかり学べる栄養学153-159