プライマリヘルスケアを簡単にまとめた

管理栄養士の国家試験でよく出題されるものに『プライマリヘルスケア』があります。

今回は、そんなプライマリヘルスケアについて難しい部分をはぶき、ポイントのみをギュッとまとめました。


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プライマリヘルスケアって簡単にいうとどういうこと?

『全ての人々に健康を』というスローガンのもと、健康が基本的人権であることを明言したものです。

ぎゅっとまとめると、「先進国や途上国、都市部や農村部などで医療格差をなくそう!」を目的に、世界の人々を、地域差や貧富の差など関係なく、平等に健康に導くための戦略がつめこまれたものです。

プライマリヘルスケアの起源は?

プライマリヘルスケアが唱えられたのは、カザフスタンのアルマ・アタという場所です。

1978年にアルマ・アタで、WHO(世界保健機関)とユニセフ(国際連合児童基金)が合同会議を行った際に、宣言文が出されたわけですが、この宣言文の中で定義されています。

これが、『アルマ・アタ宣言』ってやつです。

プライマリヘルスケアが生まれたストーリー

ここが重要です。プライマリヘルスケアがなぜ生まれたのか?つまりストーリーを知っておくことで、イメージしやすくなり、プライマリヘルスケアが理解しやすくなります。

先に説明した通り、プライマリヘルスケアが生まれたのは1978年のことです。なぜこのタイミングでプライマリヘルスケアが出たのか。

それは、世界で医療の格差や健康の格差が生まれていたからです。

1940年代に、第二次世界大戦という大きい戦争が終わりました。するとそれまで先進国の植民地だった国々が続々と独立していきます。

独立したのはいいものの、ほとんどは発展途上国。

つまりは貧しいわけです。

病院とか医療が十分に整備されておらず、先進国の援助で病院などの医療機関が少しずつ建つくらいでした。

さらに先進国でさえ、都市部と農村部では医療を受けれる体制に差が生まれました。

まとめると、世界規模で健康に対して格差が発生していたということです。

そんな中、『世界の全ての人の健康格差をなくそう!』『全ての人々に健康を!』というスローガンのもと生まれたのがプライマリヘルスケアというわけです。

先進国、発展途上国関係なく、世界の全員が健康になるようにという願いが込められているように思います。

さらに言うと、アルマ・アタ宣言が出された当時はアメリカとソ連が対立している時代。

世界が東西に分裂して仲がわるかった時代です。

でも、そんな中が悪かったアメリカとソ連が同じテーブルについて、協議し、合意したわけです。

歴史上、初の世界共通の保健医療目標が定まった瞬間です。

プライマリヘルスケアの5原則

ここまでが、プライマリヘルスケアが作られた背景や目的です。これらをかんがみて、4つの原則が設定されています。それが下記の内容。

・住民のニーズに基づいた方策
 →地域に住んでいる住民の必要とするもの(ニーズ)に応じて、医療や保健を提供すること。なお貧しい国は清潔な水の整備や風土病の対策が必要。

・地域資源を有効に活用することや適正な技術の使用
 →田舎など、病院(医療機関)が遠い場所でも予防接種をすることは可能。またその土地でとれる食べ物を上手く活用して、栄養状態を改善することが必要。

・住民参加
 →保健医療の活動に住民自身が参加することが必要されている。健康づくりの主体も住民。

・他のセクター(農業、教育、通信、建設、水など)との協調や統合
 →医療機関だけでなく、農業、商業、教育などとも連携しつつ、健康へのアプローチが必要。

プライマリヘルスケアのポイントまとめ

  • プライマリヘルスケアはアルマ・アタ宣言で提唱
  • 「全ての人々に健康を」がスローガン
  • 先進国、途上国、都市部、田舎の区別なく平等に保健医療が受けられ、住民が参加できる体制つくり
  • 公平性、住民参加、住民のニーズにこたえる、予防活動を重視


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