管理栄養士のタイゾーです。
現代人の多くが悩まされている糖尿病。
糖尿病は生活習慣病のひとつに位置づけられており、日頃の食生活と関わりが深い病気です。
そんな糖尿病の予防にオススメな食品のひとつが「味噌」です。
味噌は私達日本人にとって非常に身近な食品ですよね。
しかし、食の欧米化によって昔ほど味噌を食べる人は減っているように思います。
このページでは古来から使われている味噌の糖尿病予防パワーを、栄養士視点ご紹介していきます。
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糖尿病とは
まず糖尿病がどのような病気なのかを解説しておきます。
糖尿病とは血液中の「ブドウ糖」の量が多い状態が続くことをいいます。
血液中のブドウ糖は食事をすることで増えますが、本来であれば、時間の経過とともに減少するものです。
しかし、糖尿病の場合は血液中のブドウ糖が減らないため、長時間血液の中に糖があふれていると思ってください。
食事をして血液中のブドウ糖が増えると、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きによって、ブドウ糖は肝臓や筋肉、脂肪組織にエネルギー源として取り込まれます。
その結果、血液中のブドウ糖は減少して食事の前の状態に戻ります。これが正常の人の場合です。
糖尿病のひとは、インスリンの働く仕組みがうまく機能していないため、血液中のブドウ糖が肝臓などに取り込まれずに血液中に増えてしまいます。
この血液中のブドウ糖の濃度の事を「血糖値」といい、糖尿病のひとは、血糖値が以上に高くなってしまいます。
「糖尿病になるとなぜいけないの?」
と思う人もいるでしょうが、糖尿病で恐いのが「合併症」です。
血液中の糖の量が多いと、血管に負担がかかってしまい下記に上げるような様々な合併症につながることが分かっています。
糖尿病の合併症
・糖尿病網膜症 → 失明につながる場合も
・糖尿病腎症 → 人工透析が必要になる場合も
・糖尿病神経障害 → 足の切断が必要になる場合も
味噌が糖尿病に役立つ
糖尿病は乱れた生活習慣によって引き起こされるものです。
中でも重要なのが食生活で、食生活が乱れると血糖値が急激に上がったりして糖尿病になりやすくなってしまいます。
そんな中で、近年になって『味噌』に糖尿病への有効性が示唆されるようになってきました。
味噌は日本人が古くから慣れ親しんできた発酵食品で、近年の研究によって味噌に含まれる成分に糖尿病予防が期待できる事がわかってきました。
ここからは味噌が糖尿病に有効であるという理由についてご紹介していきます。
味噌の「メラノイジン」に糖尿病予防効果
私が糖尿病予防に味噌をオススメする最大の理由が、味噌に含まれる「メラノイジン」という成分にあります。
メラノイジンというのは味噌の「色」のもとになる成分です。
皆さんは味噌の原料は何か知っていますか?
味噌の原料は「大豆」です。
大豆を加熱・発酵させてることで味噌が出来ます。
この長期間にわたる加工工程の中で、大豆のアミノ酸と糖が結合して生まれるのが褐色成分である「メラノイジン」です。
メラノイジンが糖の吸収を抑える
なぜメラノイジンが糖尿病に良いのかというと、糖の吸収を抑えてくれる働きがあるからです。
先に紹介したように、糖尿病は血糖値が高くなるのが問題で、この血糖値は食事に含まれる糖が腸で吸収されることによって上昇します。
しかし、メラノイジンは糖が腸で吸収されるのを防いでくれる作用があります。
糖の吸収を抑える事ができれば、血糖値の上昇も抑える事ができるというわけです。
メラノイジンは血管の老化を防止する
糖尿病で恐いのは、先に紹介したように合併症です。
血液中に糖があふれる状態が続くことで、血管に負担がかかって老化する事でさまざまな病気につながってしまいます。
したがって糖尿病のためには、血管の老化を防止する必要もあります。
実は、味噌に含まれるメラノイジンは、この血管の老化も防いでくれる作用があるのです。
メラノイジンは「抗酸化作用」という力を持っており、老化を引き起こす「活性酸素」という物質を除去してくれます。
活性酸素が少なくなれば、血管の老化を防止する事につながります。
つまり、味噌を摂ることで「血糖値の上昇を抑える」「血管の老化を抑える」という2つの糖尿病予防効果が期待できるというわけです。
赤味噌がオススメ
「味噌なら何でもいいの?」
と疑問を持つ人のために、オススメの味噌を紹介しておきます。
味噌の中でもオススメするのが「赤味噌」です。
先に紹介したメラノイジンは褐色成分のため、色の濃い味噌に多く含まれています。
つまり、メラノイジンを摂取したいなら白味噌よりも、褐色の強い赤味噌がオススメというわけです。
糖尿病に具だくさん味噌汁を取り入れよう
「どのように味噌を取り入れたらよいのか?」
そんな疑問を持つ人は、味噌汁にして食事に取り入れてください。
特に、私は栄養士として「具だくさん味噌汁」を取り入れることをオススメします。
具だくさんと言っても、里芋やジャガイモといった「イモ類」は糖質が多いので入れないで下さいね。
いれて欲しいのは「野菜」やワカメなどの「海藻」です。
野菜や海藻には豊富な食物繊維が含まれています。
食物繊維を食事の中で多く摂ることによって、食後の血糖値の上がり方を緩やかにすることができるため、味噌のメラノイジンとの相乗効果が期待できます。
中でもワカメなどの海藻類には「水溶性食物繊維」という、血糖値の上昇をおさえてくれる効果が高い成分が多く含まれているので、ぜひ取り入れることをオススメします。
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