新型コロナウイルスのワクチン接種が医療従事者から高齢者に拡大し始めた昨今、接種の検討をしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、中には「安全性とかは大丈夫なの?」と不安を持っている方もいるはず。
そんな中、4月9日に厚生労働省は先行して接種した医療従事者2万人を対象に副反応(副作用)に関する中間報告を発表しました。
参考ページ:第55回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)資料
一般の方にはわかりにくい内容になっているため、今回はポイントとなる部分をなるべく分かりやすく紹介していきます。
そもそもワクチンに副反応はあるのか?
結論をいえば、今回の新型コロナウイルス用のワクチンには、副反応は存在します。
実際に下記のページを見ていただくとわかるのですが、厚生労働省の公式HPに
「予防接種を受ける方には、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています。受ける方の同意なく、接種が行われることはありません。」
とあるように、副反応が存在することが明記されています。
海外では、色々な副作用の事例が報告されているようですが、日本人での報告はこれまでありませんでした。
しかし、4月9日に先に接種した医療従事者2万人を対象にした副反応の調査報告が発表されたのです。
これにより、接種後にどのような副反応がおきる可能性があるのか徐々にわかってきました。
それでは、発表内容のポイントをご紹介していきます。
2回目の接種で副反応がでる確率が高い
コロナウイルスワクチン接種は、複数回に分けて行われます。
発表内容によると、このうち、2回目を接種した時に副反応が多くでることがわかりました。
特に多かった副反応には以下のようなものがあります。
・発熱(1回目3.3% 2回目38.1%)
・頭痛(1回目21.2% 2回目53.6%)
・倦怠感(1回目23.2% 2回目53.6%)
いずれも、1回目接種時よりも2回目の方が圧倒的に多く報告されているようです。
また、最も多い副反応は、接種した部位した部位の疼痛で、90%以上の人が副反応を報告しています。
高齢者は「今のところ副反応の発生率が低い」
現段階の発表でみると、高齢者に関しては上記の副反応の発生率が低いようです。
65歳以上の接種者では、
・発熱 9%
・頭痛 20%
・倦怠感 38%
でした。
これは、若年層にくらべ、高齢者の方が副反応が出にくいことをしめしています。
ただし、対象者2万人のうち高齢者は480人とまだまだ少ないので現段階では何とも言えないかもしれません。
重篤な副反応が出る確率は0.063%、新型コロナ発生抑制効果は91%
厚生労働省発表では、意識障害等の重篤な副反応が出る確率は2021年4月現在では0.063%になっています。
先行接種した医療従事者のうち、重篤な副反応が出た例は22件でした。
また、肝心の新型コロナの予防効果ですが、新型コロナの発症を防ぐ効果は91%、重症化を防ぐ効果は95~100%と効果がわかる数値になっています。
新しいワクチンなので安全性はまだまだ分からない部分も多い
今回、ワクチンに関する中間発表が厚生労働省からありましたが、安全性についてはまだ不明な部分が多いと個人的には思いました。
「接種を受けた後に副反応が起きた場合の予防接種健康被害救済制度」が設置されていることからも、危険性はゼロではありません。
なお、下記ページはワクチン接種にあたって必ず一読しておくことをおススメします。(万一に備えて)
参考ページ:厚生労働省 健康被害救済制度とは
まとめると、新型コロナに対するワクチンは約90%の予防、重症化防止効果がありつつも、2回目の接種時に副反応が出やすいというのが現段階の結論と言えそうです。
ただ、まだまだ接種数が増えるに従って副反応や発症抑制効果や重症化抑制効果の数値は変わっていきます。
続報があれば更新していくつもりです。