みなさんは定期的に歯医者さんを受診されていますか?
歯医者と聞くとあまり良いイメージはないと思います。できるなら、あまり受診したくないですよね。
私は以前、歯科衛生士として歯医者で働いていましたが、口腔内の調子が悪いと歯医者に受診される方が多く、自ら定期健診に受診される方はあまり多くないように思いました。
しかし、年齢を重ねるごとに口腔内のトラブルは増えていきます。
悪くなってからではなく、悪くならないように口腔ケアを行うことが重要だと思います。
そこで今回は高齢者の口腔ケアの重要性についてご紹介いたします。
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■なぜ口腔ケアが必要??
先ほども触れましたが、年齢を重ねるにつれ、口腔内のトラブルが増えることが分かっています。
歯の損失や歯周病、口内炎、口臭、ドライマウスなどの問題が発生する可能性が高くなります。
これらの問題は、高齢者の健康状態に深刻な影響を与えます。
例えば、歯の損失によって咀嚼が困難になり、食事の制限を余儀なくされることがあります。
また、歯周病は心臓病や糖尿病などの全身の疾患と深く関連しており、健康上の問題を引き起こす可能性があります。
口腔内を健康に維持することで、全身の健康にもプラスの影響を与えることができます。
■高齢者の口腔ケアのポイント5選
①歯磨き
歯ブラシや歯磨き粉を使って、適切に歯磨きを行うことが大切です。歯ブラシのかたさはかたすぎるものではなく、歯茎にあたっても痛くないブラシを選びましょう。
磨く際は、歯と歯茎の境目を意識し、細かく歯ブラシを動かしましょう。自分に適した歯ブラシのかたさが分からない際は、歯医者で相談させることをおすすめします。
歯磨きは、朝昼晩の食後に行うようにしましょう。
②フロス、歯間ブラシ
歯ブラシだけでは取り除けない汚れを取り除くために、フロスや歯間ブラシを使うことが効果的です。
高齢者は、歯周病などの口腔内の病気にかかりやすいため、フロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間を清潔に保つことがとても重要です。
③口内洗浄液
口内洗浄液は、口腔内の細菌や汚れを取り除くために利用できます。
高齢者になると口の中が乾燥しやすいため、口内洗浄液を使用することで、口の中を清潔に保ち、口臭を防ぐことができます。
④水分補給
年齢を重ねるにつれ、唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥しやすくなります。そのため適度な水分補給が必要です。
また、水分補給は全身の健康管理をするためにも必要です。喉が渇いたと感じてから飲むのではなく、こまめに水分補給を行いましょう。
⑤定期的な歯科検診と歯石の除去
高齢者は、口腔内の感染や病気のリスクが高いため、定期的な歯科検診を受けることが重要です。歯科医師は、歯や歯茎の状態を確認し、歯石の除去や、歯周病などの問題を早期に発見することができます。
以上5選が口腔ケアのポイントになります。
■口腔ケアと全身疾患の関係
口腔内には、数百種類以上の細菌が生息しています。これらの細菌は、口腔内でバランスが取れている場合には、健康を維持する働きをしますが、バランスが崩れることで悪影響を及ぼすことがあります。
口腔内の細菌が増殖することで、口臭、歯周病、虫歯などの口腔疾患が発生します。
さらに、口腔内の細菌は、血流やリンパ液によって全身に広がることがあり、全身の疾患に関連することがあるとされています。
たとえば、口腔内の細菌が炎症を引き起こすと、その炎症が全身に広がり、心臓病、糖尿病、呼吸器疾患などの全身疾患につながる可能性があります。
また、口腔内の細菌が全身に広がることで、免疫系の働きを弱め、感染症にかかりやすくなることがあります。
逆に、全身疾患が口腔内の健康に影響を与えることもあります。
例えば、糖尿病や免疫不全状態の人は、口腔内の細菌が増殖しやすくなり、歯周病や口内炎のリスクが高まることが知られています。
このようなことから、口腔ケアは口腔内の健康維持だけでなく、全身の健康にも深く関わることがわかります。
■まとめ
毎食後時間をかけて口腔ケアを行うことは正直大変です。まずは一日一回、寝る前の歯磨きは時間をかけて丁寧に歯磨きやフロス、歯間ブラシ等を行いましょう。
そして、定期的な歯科検診や適切な口腔ケアを行うことで、口腔内の健康を維持し、健康に生活できるようにしていきましょう。