暑い夏が終わり、実り多い秋の季節がやってきます。過ごしやすい季節である一方、体調の変化にも気を付けて下さい。
特に秋など季節が変わった時に気を付けて欲しいのが自律神経の乱れです。
自律神経とは何?
自律神経とは、人間のカラダを24時間調整してくれている神経で、交感神経と副交感神経の2種類に分けられます。この交感神経と副交感神経は人間の、消化器官、循環器官、呼吸器官を調整しています。普段はこの2つの神経がバランスを取りながらカラダが保たれていますが、季節変化やその他様々な理由でバランスを崩してしまうと、体に色々な不調が出てきます。
交感神経とは
アクティブに活動している時に優位になる神経の事です。交感神経の特徴を下記に紹介します。
・活動している時に働く
・ストレスを感じている時に働く
・緊張している時に働く
・呼吸が速く、浅くなる
・心拍数が上がる
・血圧が高くなる
・胃腸の活動が低下する
副交感神経とは
リラックスしている時や、休息タイムなどに優位になる神経です。
・リラックスしている時に働く
・眠っている時に働く
・呼吸がゆっくりと深くなる
・心拍数が下がる
・血圧が低くなる
・胃腸の活動が上昇する
基本的に交感神経と副交感神経は逆の働きをすると思って下さい。日常生活の中で、昼間仕事をしている時などアクティブな時は交感神経。逆に夜リラックスしている時などは副交感神経が優位になります。これが乱れて、通常であれば夜、副交感神経が優位にならないといけないのに、夜に交感神経が優位になってしまうと、眠れず覚醒したりします。
自律神経が乱れる原因
自律神経が乱れる一番の原因はストレス。精神的、身体的ストレスが過度にかかると交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまいます。
・環境要因
温度や湿度、気圧や騒音や光などからストレスを受け、自律神経が乱れます。秋など季節の変わり目は、温度変化や湿度、気圧の変化も大きく、ストレスになります。
・精神的要因
仕事や人間関係などによるストレスです。プレッシャーや緊張している時に、手足が震えたり、過呼吸、吐き気などを経験した事はありませんか?これは精神的ストレスから自律神経が乱れた症状でもあります。
・肉体的ストレス
仕事による過労など身体的なストレスが加わっても自律神経のバランスが崩れます。さらに昼夜逆転や不規則な食生活なども自律神経の乱れの原因になります。
自律神経の乱れが引き起こす病気
自律神経失調症
近年、高齢者だけでなく若い方の間でも多いのが「自律神経失調症」。仕事のやりすぎなどによる肉体的な疲労、精神的なストレスが積み重なっておこると言われています。
症状
・気分が塞ぎがちになる等の「うつ症状」
・不安や緊張感
・異常に汗がでる
・吐き気
・体の倦怠感
・肩こり
・頭痛
・動悸
・不整脈
・目まい
・不眠
自律神経失調症はこれらすべての症状がでるというわけではなく、人に起こる症状が大きく違います。つらい時は無理して放置せずに、病院を受診しましょう。
神経性胃炎
精神ストレスや働きすぎなどによる肉体的過労が原因となっておこる胃炎のことをいいます。自律神経がバランスをくずしてしまうと、胃酸の分泌が過多になってしまい、胃の痛みや胃のもたれといった症状がでます。
症状
・胃の痛み
・胃のもたれ
・胸焼け
・喉のつかえ
メニエール病
自律神経のバランスが崩れ、ストレスが増大すると耳の内耳にあるリンパ液に異常が生じます。これがメニエール病です。
症状
・片側におこる耳鳴り
・目まい
・難聴
症状として上記が3つ同時に発生してしまいます。
過呼吸症候群
ストレスで過呼吸になる事があります。これも自律神経のバランスが崩れてなるケースがあります。浅く、早い呼吸を繰り返してしまう症状が出ます。
秋の自律神経の乱れに効果のある栄養素
自律神経の乱れ防止、乱れ改善の為に摂取して頂きたい栄養素をご紹介します。休息や運動も自律神経対策には大切ですが、栄養も効果があるのでおさえておきましょう。
ポイントは「脳のための栄養素」です。「自律神経に何で脳の栄養?」と思われる方もいるかもしれませんが、ストレスがかかっている人こそ脳の栄養素を摂取して頂きたいです。なぜならばストレスを受け止めるのは「脳」だからです。
精神的ストレスを受けた方は、いつも悩み事があったり、心配事を考えているはずです。これはいつも脳がフル回転した状態です。いつもずっと回転していれば脳も故障してしまいます。そして脳が自律神経のコントロールもしているので、脳の栄養を摂取するのがおススメなのです。
・リン脂質
昨今、脂質の健康効果が見直されていますが、リン脂質は脳に多く存在する栄養素です。そしてリン脂質は脳を構成する栄養素でもあります。卵には「レシチン」というリン脂質が含まれていますので、1日1個は卵を食べるようにしましょう。
・αリノレン酸
これも脂質栄養素です。別名を不飽和脂肪酸(n-3系の不飽和脂肪酸)といいます。この脂質成分は摂取すると体の中で、DHAやEPAといった脳に有効な栄養素に変換されます。
含有する食材としておススメなのは、青魚、エゴマ油です。自律神経の乱れを感じている人を3食のうち1食は青魚を入れてみましょう。青魚が苦手という方は、エゴマをティースプーン1杯を食べるようにしてみましょう。
・ビタミンC
ビタミンCは脂質ではありませんが、ストレスがある人にはおススメです。というのもストレスが多い時というのは体内でビタミンCの消費量が増大するからです。不足しがちなのでしっかり補いましょう。また、ビタミンCは抗酸化作用が強いのでストレスによる活性酸素(老化を促進するもの)対策にもなります。
その他の対処法
休息する時間を意識して作る
ストレスには休むという事が非常に重要です。時にはストレスのもとから離れるという事も時には必要です。睡眠時間を削って仕事に打ち込むのではなく、時にはしっかり休息タイムを作って下さい。休日も意識して心身のリフレッシュタイムとして過ごすようにしましょう。趣味、運動、睡眠、ショッピングなど自分がリフレッシュできると思えば何でも結構です。とにかくストレス源から離れる事を意識しましょう。
「そんな事言っても仕事が・・・」という方もいらっしゃるでしょうが、体が壊れては仕事どころではありません。
まとめ
・自律神経には交感神経と副交感神経がある
・自律神経の乱れの原因はストレス
・自律神経が乱れは自律神経失調症、神経性胃腸炎、メニエール病、過呼吸症候群につながる
・自律神経におススメの栄養素はリン脂質、αリノレン酸、ビタミンC
秋は過ごしやすい季節ですが、自律神経を崩しやすい季節でもあります。栄養をしっかりとって、楽しく過ごしましょう!