妊婦が飲んではいけない飲み物

妊娠している方の中にはカフェインの摂取に気をつけている人もいるでしょう。
「コーヒーは控えている」という方は多くいますが、実は他の飲み物にもカフェインは含まれています。
これを知らないと実はカフェインを摂取していたなんて事も。そこでこのページでは妊婦に注意して欲しいカフェイン入りの飲み物や、カフェインの摂取量についてご紹介していきます。


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カフェインってどんなもの?

カフェインとは?
まずカフェインがどのような成分なのかをご紹介します。

カフェインは『アルカノイド』という化合物の一種で、コーヒー豆やお茶の葉っぱ、カカオの実などに含まれる成分です。中枢神経を興奮させ、覚醒作用や利尿作用がある成分です。

一般的には眠気覚ましや、運動時のパフォーマンスアップなどに用いられることがあります。

妊婦がカフェインを控えた方が良い理由

カフェインは覚醒作用があることが広く知られており、眠気ざましなどにカフェイン入りのドリンクを用いている方は多いでしょう。

しかし、一方でカフェインは過剰摂取することでデメリットも報告されています。

厚生労働省の発表によれば、カフェインの過剰摂取によって中枢神経が刺激され以下のような症状が現れる可能性があるとしています。

  • 心拍数の増加
  • めまい
  • 興奮
  • 不安感
  • 震え
  • 不眠
  • 下痢
  • 吐き気

これらの過剰症のリスクから世界保健機関(WHO)をはじめとする世界各国の保健省などから、妊婦をはじめ子供、成人にいたるまで過剰摂取を控えるように注意喚起がなされています。

特に英国食品基準庁(FSA)は2008年に妊婦がカフェインを過剰に摂取することによって、生まれてくる子供が低体重になったり将来の健康をそこなうリスクがあると発表しているのです。

(参考)
厚生労働省
食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

英国食品基準庁(FSA)
Pregnant women advised to limit caffeine consumption
http://webarchive.nationalarchives.gov.uk/20120206100416/http://food.gov.uk/news/newsarchive/2008/nov/caffeinenov08

妊婦に注意して欲しいカフェイン入りの飲み物

妊婦が飲んではいけない飲み物
冒頭にご紹介しましたが、カフェイン=コーヒーというイメージがありますが、その他の飲み物にもカフェインは含まれます。
そこでコーヒー以外に妊婦が注意したい、カフェイン入りの飲み物をご紹介させて頂きます。

具体的には以下のようなものがあります。

  • 煎茶
  • 番茶
  • 抹茶
  • 玉露
  • ウーロン茶
  • 紅茶
  • コーラ
  • 栄養ドリンク

これらは日本人にも馴染みの深いお茶と言えますが、カフェインが含まれているため極端に摂取するのは控えた方が無難です。

なぜ上記のお茶にカフェインが含まれているのかというと、いずれも同じ茶葉が使われているからです。原料となる茶葉は同じで発酵方法など作り方が変わってくるだけなので基本的にカフェインは含まれてくるのです。

ただ、コーヒーと比べればカフェイン含有量は少なく、コーヒーの1/2程度になっています。

またメーカーにもよりますが、コーラやエナジードリンクといった清涼飲料水にもカフェインが含まれているものがあります。「ジュースだから大丈夫」と思って摂取していると知らないうちにカフェインを摂取しているなんてことも。

なお、カナダ保健省はコーヒーだでなくコーラや栄養ドリンク(エナジードリンク)の摂取に関して注意喚起を行っています。コーラは1日1~2缶まで、エナジードリンクは大人で1日2本までとなっており、子供は摂取するべきでないとしています。子供はもとより妊婦も摂らない方が無難でしょう。

気になる人は製品に記載されている成分表示を小まめにチェックするようにしましょう。

どらくらいまでなら飲んで良い?

注意して欲しい飲み物をご紹介しましたが、これらは飲んではいけない訳ではありません。(といっても妊婦は子供のために控えた方が無難ですが)

どうしても飲みたいという方のためにカフェインの摂取量についてご紹介しておきます。

ちなみに、日本ではカフェイン摂取量に関して明確な基準が定まっていないため、WHO(世界保健機関)の基準でお伝えします。

WHOでは妊婦のカフェインの摂取量に関して『1日200mgまで』と定められています。これを

この他にも各国の保健省等からカフェイン摂取の注意喚起を下記にまとめておきます。

各機関のカフェイン摂取量

WHO・・・カフェイン摂取量1日200mgまで、コーヒーは1日3~4杯まで

アメリカ保健福祉省&農務省・・・カフェイン摂取量1日400mgまで、コーヒーは1日3~5杯まで

英国食品基準庁(FSA)・・・カフェイン摂取量(妊婦)・・・200mg、コーヒーは1日2杯まで

欧州食品安全機関(EFSA)・・・400mgまで(成人)、200mg(妊婦)まで

カナダ保健省・・・4~6歳は1日45mgまで、7~9歳は1日62.5mgまで、10~12歳は1日85mgまで、妊婦および母乳保育をしている人は1日300mgまで、成人は1日400mgまでとしています。

各国によって数値に若干の違いはあるものの、総合的にみると、カフェインの摂取量に関しては妊婦で1日200mgまで、成人は400mgまでとしておいた方が良さそうです。

これを実際の飲み物の量にすると、コーヒーに換算すると1日3~4杯程度まで、お茶類は1日5杯程度までとした方が無難でしょう。

ちなみに、カナダ保健省の注意喚起の中にはコーラの摂取量についても盛り込まれており、コーラ(355ml)缶は1日1~2缶までとしています。

ただ、やはり妊娠期は健康な子供を産むためにもカフェインの摂取は控えることをおススメします。

参考)
世界保健機関(WHO)
Healthy Eating during Pregnancy and Breastfeeding. WHO, 2001
アメリカ保健福祉省
Scientific Report of the 2015 Dietary Guidelines Advisory Committee
http://health.gov/dietaryguidelines/2015-scientific-report/
英国食品基準庁(FSA)
Pregnant women advised to limit caffeine consumption
http://webarchive.nationalarchives.gov.uk/20120206100416/http://food.gov.uk/news/newsarchive/2008/nov/caffeinenov08
欧州食品安全機関
Scientific Opinion on the safety of caffeine EFSA Journal 2015;13(5):4102
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4102
カナダ保健省
Caffeine in Food Health Canada
http://www.hc-sc.gc.ca/fn-an/securit/addit/caf/food-caf-aliments-eng.php

妊婦は摂らない方が無難

妊婦のカフェイン摂取に関してご紹介してきましたが、個人的には妊婦はカフェイン入りの飲み物を摂らない方が良いと思います。各国のカフェイン摂取量に関する数値にはバラつきがあるものの、いずれも『〇〇mgまで』としていることや、過剰症のリスクを報告していることを考えれば『摂らないに越したことはない』という結論に至ります。

世界保健機関(WHO)は2001年に『カフェインが胎児に与える影響は確定はしていない』としていますが、摂取量について言及している点やリスクを考えれば妊娠期から母乳育児をしている期間は控えた方が良いでしょう。


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