「エクオールって何?」
「エクオールを増やすには何を食べればいいの?」
このページはそんな疑問も持つ人に向けて作成しています。
管理栄養士のタイゾーです。
近年、注目されるようになってきた『エクオール』という物質。
このページはエクオールがどのようなものかと、何を食べれば増やすことができるのかを解説しています。
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エクオールとは
まず、エクオールをはじめて知るという人のためにエクオールがどのようなものかをご紹介します。
エクオールとは私たちの腸内細菌のチカラで作られる物質で、エストロゲンというホルモンと同じような働きをする物質です。
エクオールの効果
エクオールは更年期障害を緩和
エストロゲンは別名を女性ホルモンともいいますが、特に女性が加齢とともに減少するホルモンで『更年期障害』が発生する原因とされています。
このため、エストロゲンに似た働きをするエクオールを体内で作ることができれば更年期障害が緩和される可能性があるとして注目されているのです。
日本女性医学学会の更年期障害の人を対象した研究によると、更年期障害の症状が軽い人は、重い人に比べてエクオール量が多いという結果が出ています。
骨粗しょう症の予防
女性は加齢と共に骨粗しょう症になるリスクが高まります。
これも更年期障害同様、女性ホルモンであるエストロゲンの量が減ってしまうからです。
エストロゲンは骨のカルシウムが溶け出すのを防ぐ役割があるため、エストロゲン量が減ることで骨粗しょう症になるリスクが高まってしまいます。
そんな中でエクオールが骨粗しょう症予防にも役立つと言われています。
これはエクオールの原料となる大豆イソフラボンが弱い女性ホルモンの働きをし、骨の分解を抑える作用をするからです。
北米閉経学会で発表された吉形玲美医師の研究によると、2年間毎日豆乳500mlを飲むグループと飲まないグループでは、飲まないグループの骨密度が4%低下したのに対し、飲んだグループは骨密度の低下が見られなかったというデータがあります。
この研究過程で、エクオールが体内で出来ていると骨密度が高いという事がわかっています。
エクオールを増やすには何を食べればいい?
エクオールを体内で増やすためには2つのポイントがあります。
そのポイントとは『エクオールの材料を摂る』、『腸内環境を良くする食べ物を摂る』という2点です。
これら2つのポイントを抑えたうえで管理栄養士がオススメする食べ物をご紹介していきます。
大豆製品を摂ろう
エクオールを体内で生み出すためには、材料となるものを摂取する必要があります。
ではエクオールの材料が何なのかというと『大豆イソフラボン』です。
大豆イソフラボンというと『美容に良い』なんてイメージを持つ人も多いハズです。
エクオールの原料となる大豆イソフラボンは、名前の通り大豆に多く含まれる成分です。したがって大豆製品を多く摂取することがエクオールを作るために重要とされています。
次に大豆イソフラボンを多く含む食品をご紹介しておくので参考にしてみて下さい。
大豆イソフラボンを多く含む食品
品名 | イソフラボン含有量 |
納豆50g | 65.0mg |
豆乳125ml | 69.0mg |
豆腐1/2 | 55.0mg |
油揚げ1/2 | 52.5mg |
大豆煮50g | 30.0mg |
きな粉6g | 15.6mg |
※いずれも1食分を目安に作成
腸内環境を良くする食品を摂ろう
大豆に含まれるイソフラボンは、『エクオール産生菌』と呼ばれる腸内細菌によってエクオールに変換されて、吸収されます。
したがって腸内環境を改善した方がエクオール産生が良くなると考えられています。
次に栄養士がオススメする腸内環境改善に役立つ食品を紹介していきます。
納豆
古くから日本人に愛される発酵食品である納豆は、腸内環境の改善に役立ちます。
納豆が発酵される課程で生まれる『納豆菌』は腸内の悪玉菌の繁殖を抑え、善玉菌の活動を活発にしてくれる作用があります。食物繊維も多く含まれるため、同じく腸内環境の改善に役立ちます。
また、先にも紹介しているように納豆は大豆から作られるため、大豆イソフラボンも多く含みます。そのためエクオールを増やすために一番オススメな食べ物と言えます。
海藻類
ワカメなどの海藻類は腸内環境を整えるためにおススメな食材です。
この理由は海藻類に豊富に含まれる『水溶性食物繊維』にあります。
水溶性食物繊維は、ネバネバとした性質があり、腸内の老廃物を吸着して排便をうながすことで腸内環境を良くする作用が期待できるのです。
ワカメは味噌汁やスープに入れて食べれば、日頃から摂取しやすい食品なので特におススメです。
きな粉
きな粉を腸内環境の改善にオススメする理由は含まれている『オリゴ糖』という成分にあります。
オリゴ糖は腸内環境を良くしてくれる『善玉菌』のエサになることで、善玉菌を増やす効果が期待できます。
オリゴ糖は色々な食品に含まれていますが、中でも『きな粉』は他の食品に比べて多くのオリゴ糖が含まれています。
ヨーグルトや牛乳など色々な食品にちょい足しすることが出来るので、手軽にオリゴ糖を摂取することができます。
また、きな粉は大豆から作られますから大豆イソフラボンも摂取することが出来ます。
エクオールは作れる人と作れない人がいる
エクオールはカラダの中で作られますが、実は『作れる人』と『作れない人』が存在します。
2015年に行われた日本抗加齢医学会のエクオールに関する研究発表(吉形玲美医師)では、エクオールを体内で作れる人は30%ほどであるとされています。
よって先に紹介した食品を摂取しても必ずエクオールが出るとは言い切れません。
しかし、エクオール産生には腸内環境の改善と原料となる大豆イソフラボンの摂取は必要なので摂取する必要はありますし、先に紹介した食品はエクオール産生以外にも色々な健康効果が期待できる食品ですから、摂取するメリットは多くあると言えます。