管理栄養士のタイゾーです。
「血糖値が気になる」
「糖尿病になるのが恐い」
このページはそんな方のために作成しています。
血糖値が急上昇したり急降下することはカラダにとって負担となります。
私達は誰しも食事や間食を摂ると血糖値が上昇します。
これは当たり前の反応ですが、通常は緩やかに上がり、緩やかに下がっていくものです。
ところが悪い食習慣や生活習慣で、血糖値が急激に上がったり下がったりすることがあります。
このような、血糖値に急激な上がり下がりがある状態を「ジェットコースター血糖」といって、近年危険視されるようになっているのです。
ジェットコースター血糖になると不眠や肥満、糖尿病に繋がるなどカラダに悪影響を及ぼす危険性があるのです。
では、ジェットコースター血糖を防いだり改善するにはどうしたらいいのか
そこでこのページでは栄養士視点で、ジェットコースター血糖を防ぐための「食事法」について紹介させていただきます。
ジェットコースター血糖を防ぐためにぜひ重要視してもらいたいのが「食事」です。
ここで紹介する食事法を参考にして頂ければ、血糖値の急上昇を抑えることができるはずです。血糖値に悩む方の参考になればうれしいです。
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ジェットコースター血糖とは
まず、「ジェットコースター血糖とは何か」を御紹介していきます。すでにご存知の方は飛ばして読み進めていただければと思います。
さきほど紹介したように、ジェットコースター血糖とは血糖値が急激に上がったり、下がったりする状態の事をいいます。
「血糖って?血糖値って?」という方のために、まずは血糖値について解説しておきますね。
血糖というのは血液の中に含まれる「ブドウ糖」の事をいいます。
そのブドウ糖が「血液にどれくらいの糖が含まれているのか」をわかりやすく数値化したのが「血糖値」です。
健康診断や病院の血液検査で出てくるやつですね。
食事や間食を摂ることで、食品に含まれるブドウ糖を摂取することで、血液中のブドウ糖量が増加して血糖値が上昇します。
血液中のブドウ糖の量が増えると「インスリン」というホルモンが分泌されます。
インスリンはブドウ糖を脂肪に変換したり、エネルギー源として筋肉に貯蔵します。
これによって血液中のブドウ糖が少なくなるため、血糖値が低下します。
本来はこの一連の流れが「緩やか」に行われます。
しかし、糖質の多い食事内容や寝る直前の食事など、悪い食習慣を送っていると「ジェットコースターのように急上昇・急降下」を起こすようになります。
これが「ジェットコースター血糖」です。
ジェットコースター血糖で現れる症状
ジェットコースター血糖になるとカラダへどのような悪影響がでるのでしょう。
主だったものを紹介しておきます。
・糖尿病につながる
・肥満になりやすい
・不眠がおこる
血糖の急上昇は大量のインスリン分泌を促します。
先に紹介したようにインスリンはブドウ糖を脂肪に変換させる働きをしているので、大量に分泌されると脂肪に変換されやすく、結果的に肥満を招きやすくなります。
またインスリンが大量分泌されるという事は、インスリンを分泌する「すい臓」という臓器に負担がかかる事になります。
ずっとジェットコースター血糖が続いてしまうと、すい臓の機能が低下してしまいインスリンが徐々に分泌されにくくなる恐れがあるため、糖尿病になるリスクも高まってしまうでしょう。
また睡眠中にジェットコースター血糖状態が続いた場合、アドレナリンが分泌されて深い眠りが出来なくなってしまう事が懸念されています。
睡眠とジェットコースター血糖については下記ページでも詳しく解説しています。よければ参考にどうぞ。
関連ページ:睡眠障害の原因「ジェットコースター血糖」とは?りんご酢が効くってホント?
ジェットコースター血糖になる原因
ジェットコースター血糖のカラダへの影響は先に御紹介した通りですが、なぜジェットコースター血糖になってしまうのでしょう。
ジェットコースター血糖になる原因は間違った食習慣が大きく関わっています。
次にジェットコースター血糖につながりやすい食習慣を御紹介しておきます。
以下のような食習慣は血糖値を急上昇させてしまいジェットコースター血糖につながりやすくなる要因となります。ひょっとしたらアナタに当てはまるものがあるかもしれません。
・寝る直前の食事
・空きっ腹のお菓子
・糖質が多すぎる食事
ジェットコースター血糖を防ぐ3つの食事法
ではここからジェットコースター血糖を防ぐための「食事法」について解説していきます。
これから紹介していく方法は、血糖値の急上昇を抑えるために有効な方法です。
ジェットコースター血糖を防ぐだけでなく、とにかく血糖値に悩みや不安のある方はぜひ参考にしてみてください。
1.寝る直前の食事は絶対しない
ジェットコースター血糖がおこらないようにするためには、第一に寝る直前の食事をやめることです。
「夜中にどうしてもお腹がすいちゃって・・・」なんて思う時ありますよね。
でも、そこをグッとこらえてガマンしましょう。
寝る直前に食べるのは2つのデメリットが存在します。
それは太りやすくなる、深く眠れなくなる(不眠)の2つです。
私達は寝ている間、活動量が減っているため、食べた糖質が脂肪に変換されやすくなっています。
したがって寝る直前に食べることは肥満をまねく原因になってしまいます。
また寝る直前に食べると不眠にもつながります。
寝る直前に食べると、寝ている間に血糖値が急上昇します。すると大量のインスリンが分泌されて血糖値が急下降しはじめます。
すると今度は「血糖値が下がり過ぎちゃう!血糖値をあげなきゃ!」とカラダが判断してアドレナリンというホルモンを出します。
アドレナリンとは興奮する時に分泌されるホルモンのことで、アドレナリンが分泌されることで、興奮状態を招いて深い眠りができなくなってしまいます。
以上のことから、寝る直前に食べることは絶対にやめましょう。
2.夕食は糖質の摂りすぎに注意する
先に紹介したとおり、寝る直前に食べる行為は絶対にNGですが、夕食に食べる食事内容にも気をくばると良いでしょう。
具体的にいうと、夕食に糖質の多いものを食べすぎないようにしてください。
たとえば・・・
「ラーメンとチャーハン」
「お好み焼きとごはん」
など炭水化物に炭水化物をかぶせてくるメニューはやめるべきです。
血糖値は糖質を摂ることで上昇しますから、当然糖質量の多いものを食べれば血糖値は上がりやすくなります。
また、夕方から夜にかけては活動量が減り、血液中のブドウ糖を消費しにくい環境になるため夕食内容に気を配る必要があるのです。
したがって糖質(炭水化物)の多いご飯は茶碗1杯程度に抑えてもらい、魚や大豆製品などのタンパク質が多い食品や野菜を多く食べるようにしてください。
3.順食(じゅんしょく)をしよう
ジェットコースター血糖をふせぐためにオススメしたいのが順食(じゅんしょく)です。
順食という名前を初めて聞く方も多いと思います。
私は仕事がら栄養カウンセリングをすることが多いのですが、糖尿病や血糖値で悩んでいる人に毎回オススメするのがこの順食というものです。
順食とは「血糖値を上げにくい食品から順番に食べる」という食事法のことです。略して「順食」といいます。
食事メニューの中で血糖値を上げにくい食品から食べていくことで、血糖値の急上昇を抑えることが可能になります。
例えば、ハンバーグ定食を例にしてみます。
内容は・・・
・ご飯
・味噌汁
・ハンバーグ
・サラダ
・温かいお茶
一般的なハンバーグ定食の内容ですね。これを血糖値が上がらないように食べていきます。
①まず味噌汁か、温かいお茶を少し飲んで下さい。一番最初に温かい汁物を摂ることによって胃腸を温め、これから食事を摂る準備をします。
②そしてサラダを全て食べて下さい。先に野菜を食べることを「ベジファースト」なんて言ったりしますが、野菜類は糖質量が少なく食物繊維が多い為、先に食べることで血糖値の急上昇を防ぐ効果が期待できます。
ただ、注意したいのは野菜の中でも「じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、サトイモ、トウモロコシ」。
これらの野菜は糖質が高いため、先に食べると逆に血糖値の急上昇に繋がる恐れがあります。
したがってキャベツ、ブロッコリー、インゲン、ピーマンといった糖質の少ない野菜を食べるようにして下さい。またしっかり「噛む」ことも意識してください。
③サラダを食べたのち、ご飯とハンバーグを食べましょう。
この順食をする上でのポイントは、食事に必ず野菜類を入れることです。
糖質の多いご飯などの主食を食べる前に、野菜を食べておくことで血糖値の急上昇を抑え、ジェットコースター防止に繋がります。
なお、食品の糖質量が気になる方は下記ページで一覧にしてありますのでご活用ください。
まとめ
今回はジェットコースター血糖を防ぐための食事法を紹介させてもらいました。
ポイントは「寝る直前は食べない」「夕食に糖質の多いものを食べ過ぎない」「血糖値の上がりにくいもの(野菜)を始めに食べよう」という3ポイントです。
ジェットコースター血糖になりたくない方や、すでに血糖値に悩んでいる方はお試しください。
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