管理栄養士のタイゾーです。

毎年、正月を中心として餅を喉につまらせて救急搬送されてしまう方が結構いらっしゃいます。

以前「こんにゃくゼリー」が喉を詰まらせる原因に。なんてニュースで叩かれたりしていました。でも正直、餅の方が喉に詰まる確率は格段に高いです。

そこで今回は餅が喉に詰まった際の対処法をご紹介していきます。

餅を詰まらせる大半は高齢者

まず、喉に餅をつまらせてしまうのは圧倒的に「高齢者」が多いです。

なぜ、高齢者に多くなるのでしょう。これは次に紹介する高齢者に見られる「食事機能の低下」が原因です。

嚥下機能の低下

嚥下(えんげ)とは、飲み込む力の事です。餅は以上に弾力があり、高齢者は噛み切る事が困難です。したがって餅を「丸飲み」してしまう人も少なくありません。若い方は嚥下機能(飲み込む力)が強いので大事に至ることはありませんが、嚥下が弱った高齢者は餅をうまく飲み込む事ができません。したがって喉に餅を詰まらせやすくなります。

唾液量が低下

私たちは歳をとるごとに唾液量が減ってしまいます。唾液は喉の通りを良くするという側面も持っているので、唾液が少なくなるという事はそれだけ食べ物がのどを通りにくくなると考えて下さい。したがって、唾液量の少ない高齢者は餅を喉につまらせやすくなってしまいます。

子供も餅に注意が必要

高齢者が一番餅をつまらせやすいですが、子供にも注意が必要です。

特に小さな子供の場合、餅を食べることになれていません。したがって、口いっぱいに餅をほおばってしまうと、そのまま丸飲みして詰まらせる可能性があります。また、成人とくらべて、飲み込む力や噛む力が弱いので、大人が十分に注意してやる必要があります。

餅を詰まらせた際の5つの対処法

それでは、家族や目の前にいる人が餅を詰まれせてしまった場合の対処法をご紹介していきます。

1.チョークサインを見逃すな!

餅を食べていて「チョークサイン」が見えたら注意して下さい。これは餅を喉につまらせた際に人間が自然に出す仕草です。さらに顔が青くなったら要注意です。

2.すぐに救急車を呼ぼう!

餅を喉につまらせた場合、自分たちで何とかしようとする方々がいますが救急車をすぐに呼ぶようにして下さい。

医療知識がある人がその場にいれば良いですが、そう都合良くもいきません。逆に素人が間違った対処をして重症化してしまうのも避けねばなりません。まずは119に電話するようにしましょう。パニックになっても適切な対応法をその場で教えてもらえます。

しかし、救急車を待っていられない場合も考えられます。そんな時のために対処法を次にご紹介していきます。あくまでも救急車を呼んだ上で行って下さい。

3.背部叩打法

つまった餅を衝撃によってとる方法です。背中の左右肩甲骨の間を何度も叩くようにして下さい。

4.指で取り除く

口を開けさせて、餅が目に見える場合は指で取り除くのも手です。しかし、喉を傷つけてしまう可能性もあるので注意して下さい。

5.掃除機で吸い出す

意識が無くなるなど、本当に急を要した場合に掃除機を使って吸い出す方法があります。

まず掃除機の吸い口に、すき間を掃除する時に使うような「先が細いノズル」を取り付けます。スイッチが切れている状態で喉にセットし、スイッチを入れるようにして下さい。スイッチを入れて喉に入れると、喉を傷つけてしまう可能性があるので絶対に喉にいれてからスイッチをONにして下さい。

掃除機を使う方法はリスクが高いです。あくまで119に電話し、指示を仰いで行って下さい。

また、ここで紹介した以外にも「ハイムリック法」などいろいろな方法がありますが、小さな子供や高齢者にはリスクが高いと言われています。とにもかくにもまずは「救急車」という事をお忘れなく!

つまらない予防が大事

そもそも餅を喉に詰まらせないようにする予防が大切です。下記記事で予防法をご紹介していますので合わせてお読み下さい。

■栄養士が教える「餅を喉に詰まらせないようにする4つの食べ方」


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