お茶の農薬問題

管理栄養士のタイゾーです。

当サイトではこれまで食の安全について様々な記事を書いてきました。

で、今回の食の安全のテーマは「ペットボトルのお茶」です。

みなさんはペットボトルのお茶は安全だと思いますか?

現在、コンビニやスーパーには多く種類のペットボトルのお茶が売られていますね。そして買って飲んでいるという方も多いはず。

しかし多くの人は「お茶だから安全に決まってるよね~」と安全性を疑っていない人ばかりです。

しかしペットボトルのお茶にも、実は危険性が潜んでいます。この記事を読んだら明日からペットボトルのお茶の選び方が変わるかもありません。

 

ペットボトルのお茶に使われる添加物事情

お茶の農薬問題

私が仕事で講演をした時に、参加者の方から「ペットボトルのお茶には添加物が使われているんですか?」という質問を受けた事があります。

答えは「YES」。ほとんどのペットボトルのお茶には添加物が入っています。もっといえば紙パックのお茶にも入ってます。

ペットボトルの原材料表示を見てみましょう。下の画像を見て下さい。使われている添加物が明記されています。画像のように多くのペットボトルの緑茶にはこう書かれています。「緑茶、ビタミンC」
 
お茶の添加物
 
「添加物なんて使われてないじゃん」と思うかもしれませんが、添加物書かれていますよ。「ビタミンC」。これが添加物です。

これは人工的に添加物として作られたビタミンCで、主に酸化防止剤として使われています。つまり腐るのを防ぐ為に添加されているという事です。

添加物は身体への影響が気になるところですが、ビタミンCに関しては特に害はありません。

つまり、結論をいうなら基本的にはペットボトルのお茶には添加物は入っているが害は無いという事です。

ただ、一個だけ注意するとすれば、まれに「グルタミン酸ナトリウム」と書かれたお茶が存在します。個人的な意見ですが、これは買わない方が良いでしょう。グルタミン酸ナトリウムはいわゆる「うま味」を引き出す添加物です。メーカーはお茶を美味しくする為にお茶に添加するのですが、グルタミン酸ナトリウムは身体への影響が考えられるので買わない方が無難です。最近ではあまり見かけませんけどね。

グルタミン酸ナトリウムについては下記記事で詳しく解説しているので参考にして下さい。

参考:日清カップヌードルがレシピを変更!使用中止になる添加物のMSGとは

ペットボトルのお茶は農薬の方が怖い

多くの人が添加物を心配しますが、私としてはペットボトルのお茶の場合は「茶葉の質」が心配なのです。詳しく言うなら茶葉の「残留農薬」の問題です。詳しくお伝えしていきましょう。

ペットボトルのお茶に使われているのは「二番茶」以降の茶葉

まず、そもそもペットボトルのお茶に使われている茶葉はどんなものが使われているのかを解説していきます。

みなさんは「一番茶」「二番茶」「三番茶」という名前を聞いたことありますか?茶葉は1年で4回ほど摘まれますが、4月~5月にかけて摘まれるお茶を「一番茶」と言います。いわゆる「新茶」というやつですね。二番茶は、一番茶を摘んでから45日程度で摘むお茶を言い、三番茶は35日程度開けて摘むお茶をいいます。※摘む時期や期間は地域で差があるようです。

ペットボトルの茶葉はどれを使っているかというと、二番茶以降です。基本的にメーカーは何番茶かを情報開示していませんが、もし一番茶を使っているならパッケージに宣伝で必ず載せますよね?でもしていません。二番茶以降の茶葉は1番茶(新茶)に比べると10分の1くらいですので儲かりますね。

問題なのは一番茶と二番茶では安全性にかなり差があるということです。

二番茶以降には多くの農薬が使われる

知らない人も多いと思いますが一番茶と二番茶以降では農薬の量がだいぶ違うのです。

一番茶は温かくなって虫が発生する前に茶葉を収穫します。したがって無農薬か最小限の農薬で作る事ができます。しかし、二番茶以降は虫が発生しやすい時期になってくるため農薬の量が増えるのです。
業界では二番茶には13種類、三番茶には7種類の農薬を使う例が多いようです。

つまりペットボトルのお茶の茶葉にはこれらの農薬の危険性があるんですね。

とは言っても茶葉の残留農薬の量は検査基準内になってます。

「じゃあ安心だね」と思うかもしれませんが、残念ながらこの検査基準値自体がゆるすぎるのではないかという懸念があります。次に解説していきます。

日本茶の残留農薬の検査基準はゆるゆるだった?!

まず日本で認可されている農薬の種類にも問題がささやかれます。たとえば日本で近年使用量が増えている「ネオニコチノイド系農薬」。この農薬はEUでは危険性があるとして使用が禁止になっていますが日本ではOKです。その他にもEUの基準値の数百倍も高い濃度で使用を許可されている農薬も存在します。

また、日本では、お茶は他の農作物に比べて残留農薬の基準値がゆるく設定されています。「アセタミプリド」という農薬を例にしてみれば、基本的に農作物に使うアセタミプリドの使用上限量は0.01~5ppmとされています。しかしお茶については上限量が30ppmも使って良いとされているのです。

なぜこんなことが許されているかというと、「お茶は、茶葉から抽出して飲むもので、農薬が薄まるから大丈夫」と見なされているからです。

安全にお茶を飲む方法

緑茶の安全性
ペットボトルのお茶の農薬が気になる人は、基本的に自分で淹れて飲むようにしましょう。それも二番茶以降でなく新茶を買うようにすれば心配は要りません。

また有機JAS認定の茶葉は安全性が高いのでおススメです。

ペットボトルのお茶を飲んではいけないというわけではありませんが、今回ご紹介したような危険性もあるという事を知っておきましょう。