食べ物によって引き起こされる食物アレルギーは子供に多いと思っている方もいると思います。

しかし、子供だけでなく大人にも食物アレルギーは存在します。

また大人の食物アレルギーの場合、突然発症し、さらに症状や原因となる食べ物が子供と異なる場合も。

そこで今回は突然起こる大人の食物アレルギーについてまとめていきます。


スポンサーリンク




食物アレルギーってどんなもの?

まず、食物アレルギーとはどのようなものかをご紹介していきます。

食物アレルギーは食べ物に対して、体が過敏に反応してしまうことで起こる症状のことです。

食物に含まれている、本来はカラダに悪影響を及ぼさないものを『敵だ!』と認識することで、免疫システムが働いてしまい、カラダに様々な症状が現れます。

具体的な症状としては以下のようなものがあります。

食物アレルギーの症状

  • 皮膚症状
  • かゆみ、あかみ、じんましん、湿疹、腫れ

  • 粘膜症状
  • 目のかゆみ、充血、腫れ、まぶたの腫れ、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、口の中の腫れ、舌のかゆみ

  • 呼吸器症状
  • のどのかゆみ、違和感、声のかすれ、飲み込みにくい、せき、ゼーゼー、ヒューヒュー、息苦しさ

  • 消化器症状
  • 気持ち悪さ、嘔吐、下痢、腹痛、血便

  • 神経症状
  • 頭痛、ぐったり、不機嫌、意識もうろう、失禁

  • 循環器症状
  • 脈が速い、脈が触れにくい、脈が不規則、手足がつめたい、血圧低下、顔色が悪い、くちびるや爪が白い(抹消循環不全)

※食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017を参考に作成1)
※牛乳を飲むと下痢をするといった食物不耐症は食物アレルギーにふくまれない。

大人の食物アレルギーの原因

食物アレルギーの症状は、食物に含まれる『アレルゲン』という物質よって引き起こされます。

このアレルゲンという物質の正体は、食物に含まれている『タンパク質』のことです。

タンパク質は様々な食品に含まれる栄養素で、アミノ酸が鎖のようにつながって作られています。本来は私たちの体つくりに欠かせない栄養素なのですが、ひとくちにタンパク質といっても構造が違うものが存在するのです。

この特定のタンパク質(アレルゲン)が体内に侵入すると、カラダは「敵が来た!」と判断して『IgE』という抗体を作り出します。※IgEは血液中の免疫グロブリンの一種

この抗体は肥満細胞という細胞にくっついて蓄積されていくのです。そして、ある一定以上を超えた時に肥満細胞から『ヒスタミン』などの化学伝達物質がでるのです。

このヒスタミンがでることで鼻水、くしゃみ、かゆみを始めとしたアレルギー症状が発生します。

触っただけでもアレルギーがでる?!

先にアレルギーが食物に含まれるアレルゲンによって引き起こされると紹介しました。

こう考えると、「食べなければアレルギーにならない」と思うでしょうがそうとは限りません。

大人になってからのアレルギーは、『食べて発症するもの(経口感作)』と『皮膚や粘膜から発症するもの』の2つに分かれるとされているのです。2)

つまり、食べるだけでなく、皮膚にアレルゲンが付着するだけでもアレルギー症状が出る可能性があるということです。

このことから、現在ではアレルギー対策にスキンケアの重要性が指摘されるようになっています。

大人で多いのが小麦アレルギー

特に大人の食物アレルギーは果物や野菜類が頻度的に最も多いとされていますが、中でも代表は『小麦のアレルギー』です。2)

小麦は、パン、麺、菓子類や調味料など広く使われているため、食べれる料理がかなり制限されるこになってしまいます。

特に困るのが外食です。

自宅で料理をする分には原材料に注意をはらうことができますが、外食では使われている材料がわかりにくいため、「気づいたらアレルゲンを食べていた」なんてことも。

仮に焼き魚定食や焼き肉定食などの一見食べれそうな料理を見つけても、使われている調味料に小麦が使われているパターンもあります。

たかが調味料程度と思うかもしれませんが、食物アレルギーは少量でも症状がでることがあります。

したがってメニュー表や食品パッケージに記載のアレルゲン表示は必ず確認するようにし(飲食店なら店員にも必ず聞く)、医師の指導は必ず守るようにましょう。

大人の食物アレルギーは治る?

先に食物アレルギーの症状の一例をご紹介しましたが、もし何かを食べて「食物アレルギーかも?」と思った場合、必ず病院で医師の診察を受けるようにしましょう。

食物アレルギーの場合、医師指導のもと適切な治療を行っていく必要があります。

安易な民間療法やサプリメントの利用は、症状を逆に悪くする可能性もありますので、必ず医師の指導を守るようにして下さい。

参考にさせて頂いた資料

1)食物アレルギー研究会 『食物アレルギーの栄養指導の手引き2017』
2)東京都消費者生活総合センター 食物アレルギー発症のメカニズム 1-2


スポンサーリンク