トマトの抗がん作用

ファイトケミカルとは

ファイトケミカル
ファイトケミカルとは植物に含まれる栄養素で、植物の色素、匂い成分、渋み成分、アク(灰汁)成分、辛味成分が該当します。ファイトケミカル自体は欠乏症が無いので、必ずしも摂らなくてはならない成分ではありませんが、近年の研究で体にとって良い成分であることがわかってきました。※ちなみに「フィトケミカル」とも言ったりしますが、英語の読み方の違いなので同じものです。栄養学.netではファイトケミカルで統一して解説していきます。

ファイトケミカルの最大の魅力は「抗酸化作用」

近年ファイトケミカルが注目されているのは、その抗酸化作用にあります。
我々人間は生きていれば必ず体内で「活性酸素」というものが発生します。この活性酸素は細胞を傷つけ、癌や老化の原因なることがわかっています。ちなみに活性酸素はストレス、喫煙、排気ガス、紫外線、添加物等、良くない生活習慣の中で増えます。
そんな活性酸素対策(抗酸化作用)として注目されているのがファイトケミカルという栄養成分なのです。ファイトケミカルには体の整理活動を活性化してくれる様々な効果があります。その種類もたくさん存在し、現在も新たなファイトケミカルが発見され続けています。ちなみに食物繊維が第六の栄養素と言われますが、ファイトケミカルは第7の栄養素と呼ばれるようにもなりました。
ファイトケミカルは抗癌性を示す研究データが多く存在し、疫学研究により、野菜や果物のファイトケミカルは癌リスクを減少させるという証拠が得られており、癌予防としてこれからより注目されていく栄養成分です。

ファイトケミカルの分類

ファイトケミカルの分類と含まれる食品と名称をご紹介しておきます。

アントシアニン・・・ブドウ、ブルーベリー、黒※
イソフラボン・・・大豆
セサミノール・・・ゴマ
クルクミン・・・ウコン
スルフォラファン・・・ブロッコリースプラウト
アリシン・・・タマネギ、ニンニク
ルテイン・・・ホウレンソウ
リコピン・・・トマト
β-グルカン・・・キノコ類
サポニン・・・豆類、穀物、ハーブ

意外と身近な食材にも含まれている事がわかりますね。サプリメントでもよく見かける成分名もあります。上記にある成分は全てファイトケミカルです。サプリメントで摂らなくても食材を食べる事で摂取が可能です。
それではファイトケミカルを効率よく摂る方法をご紹介します。

ファイトケミカルを上手に摂る方法は「煮る」

ファイトケミカルとスープ
ファイトケミカルを効率よく、上手に摂取するためにはファイトケミカルを含んだ野菜を、煮て、スープや鍋として食べるのがおススメです。
ファイトケミカルは野菜や果物に含まれますが、そのまま食べてもあまり吸収ができません。これはファイトケミカルが細胞と細胞膜の中にあって守られているからです。野菜や果物の細胞を破壊してファイトケミカルを出してやる必要があります。その為に「煮る」がおススメなんです。ちなみにファイトケミカルは熱に強いので、煮てもOKな栄養素。
たとえばトマトのリコピンを摂取したいなら、コトコト煮込んだトマトスープにすると良いでしょう。ある程度煮込むことで8~9割りのファイトケミカルが溶け出します。野菜スープは食物繊維、ファイトケミカル、ミネラルを摂取できるので、健康におススメですね!
それ以外にも果物で言うならジャムを作りましょう。ブルーベリーのアントシアニンを摂取したいのであれば、砂糖と煮てブルーベリージャムにすると良いですね。

注意してほしい調理法

調理する上で、注意してもらいたいのが、「ミキサーにかける」「包丁でみじん切りにする」といった方法。先ほど、ファイトケミカルを摂るためには細胞を壊す事だと紹介しましたが、ミキサーや包丁ではファイトケミカルを出す事はおススメできません。植物の細胞壁はセルロースという繊維で守られているので、結構防御力が高いです。効率よく調理するなら煮る方が簡単です。

まとめ

・ファイトケミカルは野菜や果物(植物)に含まれる成分である。
・ファイトケミカルは強い抗酸化力があり、癌予防や老化防止になる。
・ファイトケミカルと上手に摂るには煮てスープやジャムにしよう。
日本では現在2人に1人は癌になると言われるほど癌患者は増えています。抗酸化栄養素を取り入れるべく、野菜の摂取に気をつけましょう。