離乳食をはじめるのに不安はありませんか?
離乳食はこれからの赤ちゃんのカラダを作り上げる大切な栄養源です。
はじめての子育てをするお母さんにとって離乳食は分からない事だらけだと思います。「何を食べさせたらいいの?いつ食べさせればいいの?」といった疑問や不安があって当たり前です。

このページでは離乳食でよくある質問をQ&A形式でまとめましたので参考にしてください。

Q離乳食って何なの?

そもそも離乳食とはいったい何なのかを解説します。離乳食とは「足らなくなる栄養を補う」、「噛んで食べる食事の練習」の2つの目的のために行うものです。それぞれを説明します。

母乳で足らなくなる栄養を補う

赤ちゃんは生後半年間は母乳やミルクで生きるために必要な栄養を補う事ができます。しかし生後半年を過ぎてくると、赤ちゃんの成長に合わせてカロリーやタンパク質、鉄分などの必要量が増えてきます。そうすると母乳やミルクだけでは栄養の補給が間に合わなくなります。そこで離乳食を始めることによって不足してくる栄養を補う必要が出てくるのです。ちなみにWHO(世界保健機構)では離乳食の事を「補完食」といい、不足分を補うための食事として位置づけられています。

最初は食べやすいように重湯などで始めますが、これではカロリーも栄養素も不足するので赤ちゃんが食べれるようになってきたらエネルギー濃度の高い食べ物を与えていく必要があります。

噛んで食べる「食事」の練習

これまでは赤ちゃんは母乳やミルクという液体を摂取していました。しかしいつまでも液体を与えておくわけにはいきません。段々と固形物を食べる「食事」が出来るようになる必要があります。

固形物を食べるためには練習が必要で、赤ちゃんに「ミルク以外にも食べれるものがあるんだよ」と教えてあげる必要があります。この訓練で使うのが離乳食です。

最終的には大人と同じように食事が食べれるようになる事が目標なので、食材や調理形態、食べさせ方、スプーンやコップ、箸といた食器も赤ちゃんの成長に合わせて変更していく必要があります。

Q離乳準備食は必要なの?

結論から言えば必要ありません。
以前はミルクや母乳以外のものに慣れさせる目的で、果汁などの「離乳準備食」を与える事が勧められていました。しかし栄養や生理的な意義は無いので特に必要性はありません。

逆に生後6か月未満の赤ちゃんに果汁やスープを与える事によって、腸内環境のバランスが崩れる恐れもあります。またミルクや母乳を飲む量が減ってしまう可能性もあります。こうなると必要なカロリーや栄養素が不足して、赤ちゃんの発育の妨げになってしまいます。

生後5~6か月ごろは消化器官が発達し、固形物やスプーンなどを舌で押し返す反射的動作が自然に消えて、噛んで食べる機能が発達してくるので離乳の準備は要らないのです。

Q離乳食中の母乳やミルクはどうすればいい?

基本的には赤ちゃんが欲しがれば飲ませればOKです。離乳食を始めたからといって減らす必要がありません。昔は母乳やミルクのあげ過ぎは良くないなんて言われていましたが、気にする事はありません。離乳食を食べても足らないようなら飲ませてあげましょう。

Qフォローアップミルクは必要?

特に必要ありません。
母乳で育てている赤ちゃんにフォローアップミルクを飲ませる必要はないので母乳を与えるようにして下さい。

また粉ミルクで育てている方に関しても、わざわざフォローアップミルクを買う必要は基本的にはありません。育児用ミルクのが栄養価が優れているからです。
ただし、生後9ヶ月を過ぎてから離乳食で十分食事を摂れている場合に限り、育児用ミルクをフォローアップミルクに変えてもかまいません。

Q食べさせてはいけないのはあるの?

まず特に注意しなければならないものを上げておきます。下記のものは食べさせないようにして下さい。
生モノ(さしみ等)
ハチミツ
肉のカタマリ
繊維の多すぎるもの
こんにゃく

かまぼこ
ソーセージ
プチトマト

なまものは絶対ダメ!

まず「なまもの」は絶対にNGです。刺身などのなまものは消化に悪く、食中毒の危険性もあります。赤ちゃんは消化や免疫力が低いので避けましょう。ただ肉などがダメという訳ではないので調理の際にしっかりと加熱するようにして下さい。

ハチミツも絶対ダメ!

「ハチミツは自然のものなので赤ちゃんに良いだろう」と思っている人もいますが、絶対ダメです。ハチミツには「ボツリヌス菌」という細菌が潜んでいる可能性があるため、赤ちゃんが摂取してしまうと「ボツリヌス菌中毒」になってしまう危険性があります。
ハチミツは少なくとも1歳になるまでは与えないようにしましょう。

丸飲みしやすい物は避ける

先に紹介した餅、かまぼこ、こんにゃく、ソーセージ、プチトマトは丸飲みしやすい食品です。赤ちゃんは飲み込む力が未熟なので、丸飲みすると窒息してしまうリスクがあります。したがって丸飲みしやすい食品は避けましょう。
また、煮豆などを与える際もしっかりとすり潰すようにして下さい。

Q何から食べさせればいい?

まずは日本人の主食である「米」から食べさせましょう。といっても大人が食べるごはんでなく「お粥」にして下さい。お粥も最初はすり鉢などで粒をすりつぶし、ペースト状にして食べさせましょう。
また、米だけではタンパク質や鉄分が不足するので、飲み込みやすい豆腐やカボチャなどの野菜をすりつぶして与えるのも良いでしょう。慣れてきたら魚や赤身の肉を加えていきます。
食材を柔らかくしっかり煮てフォークやスプーンで潰せば大抵のものは食べられます。
フードプロセッサーを使えば一気にペースト状にする事ができますが、洗物も増えるので結構面倒です。よく煮て食べさせる時に潰した方が簡単です。

Q味付けはどうすればいい?

味付けに関しては薄味から始め、素材そのものの味を意識しましょう。特に重要なのは「出汁(だし)」の存在です。自分で出汁をとって調理に使って下さい。出汁を多く使って離乳食を作る事で塩分も抑えられ、素材そのものを美味しく食べさせることが出来ます。
特に小さなうちに味覚が形成されるので、多くの味を体験させることが良いでしょう。赤ちゃんは甘い物を好む傾向にあるので、甘い物ばかり与えすぎると好き嫌いがでやすくなってしまいます。砂糖や砂糖の過剰摂取に気をつけて素材の味を大切にして下さい。

Qなかなか食べてくれない。どうすれば?

せっかく作った離乳食も、食べてくれなければイライラしてしまいますよね。食べない理由には、食欲がない、味、におい、食感が嫌など様々な理由があります。しかし赤ちゃんは教えてくれないので原因を探るのは難しいです。

ひとつの対策としては「空腹」を作ることです。空腹感がしっかりでる事で赤ちゃんも食べるようになります。空腹を作るためには規則正しい生活が影響するので、特に朝は早めに目覚めさせ、空腹のリズムを作るようにしましょう。

テレビを消して一緒に食べる

離乳食を食べさせる時は、家族そろって一緒に食事をとるタイミングであげるようにして下さい。赤ちゃんは親の行動を良くみています。家族が美味しそうに食べていると赤ちゃんも食べる興味が湧いてきます。食べている時は「美味しいね~」と声をかけ「食事とは楽しいもの」という印象を与える事も心がけて下さい。

また離乳食を食べる時はテレビを消しましょう。赤ちゃんは音や光に気をとられやすい傾向にあります。余計な刺激を与えないようテレビは消し、離乳食を食べる環境作りを大切にしてあげて下さい。

Q離乳食を食べさせる量はどうすればいい?

赤ちゃんの食欲に合わせて下さい。
「友達の子供はすごい食べてるのに、うちの子は・・・」なんて心配になると思いますが
離乳食を食べる量については個人差が大きいです。余り考えすぎるとストレスになってしまいますので赤ちゃんの食欲に任せて食べさせて下さい。基本的に心配な場合は小児科医に相談して下さい。栄養が足りているかどうかを判断してくれます。

離乳食は食べなくてイライラしてしまうお母さんが多いと思います。しかし赤ちゃんには赤ちゃんの食べたいタイミングがあります。お母さんの食べさせたいタイミングが、必ずしも赤ちゃんの食べたいタイミングではありません。
「何で食べないの!」と思わず、「食べなくて当たり前」くらいの大らかな気持ちを持つようにして下さい。また困ったら家族や小児科医に相談したり、地域の子育てサポートを受ける事です。役所に問い合わせれば子育てに関するサポートを案内してくれます。アナタは決して一人ではありません。