管理栄養士のタイゾーです。

今回は「はじめて離乳食を作る」という方はぜひ読んで頂きたい内容です。

前回は赤ちゃんの離乳食進め方離乳食のスケジュールについて解説しました。以下の記事を参考にしてこの記事を読んでもらうとより理解が深まります。

参考:【子育て初心者必読】栄養士が教える、離乳食の進め方とコツ。

離乳食のスタートといっても、「一番初めは何からあげれば良いのかな?」「なんでその食材なの?」「こんな感じでいいのかな?」と不安だらけになる人も多いでしょう。そんな悩みを少しでも解決できればママも気持ちが楽になるのでは…?そこで今回は離乳食を始める上での基本ポイントを5つ紹介していきます。この5つは最低限知っておきたい離乳食の知識と言えます。これを知っておかないと赤ちゃんの喉に詰まったり、体調を崩す原因になる可能性があります。

これから離乳食を始めるという人は、これから解説していく基本ポイントを確実に押さえてスタートさせましょう!

離乳食を始める前のポイント5

①食材は赤ちゃんが飲み込みやすい形に!

これは基本中の基本。自分たちと赤ちゃんが同じだと思ってはいけません。大人がリンゴを食べるとき、まずは前歯で一口噛んで、その後奥歯で細かくして、唾液と一緒に飲み込みます。このゴックンと飲み込むまでの一連の流れは、実はすごく複雑な動きが必要なのです。一方赤ちゃんは歯も生えていませんし、舌や口の機能も未熟です。そんな赤ちゃんでも無理なく飲み込めるように食材をやわらかくするのが基本です。トロトロのものから始め、徐々に赤ちゃんの発達に合わせて硬さを少しずつ変えていきましょう。

赤ちゃんが飲み込みやすい「形状」に関しては以下の記事の中で解説しています。

参考:【子育て初心者必読】栄養士が教える、離乳食の進め方とコツ。

②食材は必ず加熱して!生ものは禁止!

まず、大前提として「生ものには細菌がたくさんいる」という事を認識して下さい。私たち大人にとっては問題のない細菌でも、この頃の赤ちゃんにとってはまだまだ細菌に対して抵抗力が未熟です。ひとつ間違えれば、命にかかわることもありますので、赤ちゃんが食べるものはすべて加熱することが必要です。豆腐なども加熱しますし、特に生の刺身は厳禁です。また、特に注意したいのは牡蠣などの「二枚貝」。貝類には「ノロウイルス」が存在する可能性があるので絶対に食べさせないようにして下さい。

③まずは炭水化物からスタート!

離乳食をはじめて作る人の多くは「何から食べさせればよいの?」と疑問に思うのではないでしょうか。基本的には炭水化物から始めれば大丈夫です。もっと言えば、日本人の主食である「米」が良いです。食べ物を消化吸収するのは主に小腸です。でも、赤ちゃんの小腸の機能はまだまだ未熟。やわらかくトロトロのものであればどんなものでも食べさせて良いのではなく、消化吸収が良い炭水化物からのスタートが鉄則です。赤ちゃんの未熟な腸でも炭水化物であれば大丈夫とされています。それとは反対に、タンパク質はもう少し先にしましょう。タンパク質のタイミングも下記記事を参考にして下さい。

参考:【子育て初心者必読】栄養士が教える、離乳食の進め方とコツ。

④タンパク質は順番が大切!

炭水化物が慣れてきたら、成長には欠かせない野菜やタンパク質も必要になってきます。特にタンパク質は赤ちゃんにとって消化吸収しにくい脂質がたくさん含まれていることもあります。なので、タンパク質は与える順番を考えることが大切です。豆腐や白身魚など脂質の少ないものから順に始めましょう。

⑤基本は薄味!塩分に注意!

離乳食のスタートは味を付けないのが基本です。赤ちゃんの腎臓の働きはまだまだ未熟なため、余分な塩分を体外に排出することができません。つまり、塩分が多くなると、赤ちゃんの腎臓に大きな負担をかけてしまうことになります。だから離乳食が進んでからも、なるべく味付けは薄味にしましょう。

赤ちゃんの成長に重要な栄養素は次の3つ

「どういう物を食べさせていけばよいのか」という疑問を持つと思いますが、基本的には3つの栄養素を意識していけばOKです。その3つが次に紹介していく「3大栄養素」。これが食べれていれば健康的に育ちます。

炭水化物

炭水化物は必ず必要な栄養素です。カラダを動かすエネルギーや体温を生み出す栄養素です。われわれ大人も一日の食事の60%を炭水化物で摂っています。
食材:おかゆ、パン、めん類、いも類など
力や体温を生み出すエネルギーのもとのなる「糖質」は主食となる食品です。油脂(脂質)もカラダのエネルギー源になりますが、赤ちゃんには負担が大きいので、ごく少量にしましょう。おかゆを主体にして、少しずついも類やパン、めん類を取り入れていきましょう。

たんぱく質源!

炭水化物と同様に必ず必要になってくるのがタンパク質です。筋肉や内臓などカラダをつくる原材料です。
食材:肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など
タンパク質はカラダをつくる、つまり赤ちゃんの成長に不可欠な栄養素です。豆腐などの植物性タンパク質と、魚や肉、乳製品、卵などの動物性タンパク質を組み合わせ摂るようにしましょう。食べやすいように形状は注意して下さいね。

ビタミン・ミネラル源!

カラダの調子を整えてくれる作用を持つビタミンミネラル。炭水化物やタンパク質と比べると少量で構いませんが、必要な栄養素です。これは基本的に野菜やフルーツを食べさせれば摂れると考えましょう。
食材:野菜、フルーツ、海藻類、きのこ類、果物など
ビタミン・ミネラルを豊富に含む食材にはカラダの調子を整えてくれる働きがあります。色の濃い緑黄色野菜にはカロテンが豊富です。小松菜やひじきなどに含まれるカルシウムはカラダをつくる大切な栄養素です。カルシウムは骨の成長には欠かせない栄養素です。ただ、野菜に関しては離乳食初期は少なくて大丈夫です。野菜には食物繊維があるので消化があまりよろしくありません。