ノロウイルス対策

ノロウイルス対策
管理栄養士のタイゾーです。

冬場に毎年流行するノロウイルス、皆様の対策は万全ですか。

以前冬にかかりやすい3つの感染症という記事で紹介しましたが、ノロウイルスをあなどってはいけません。なぜならものすごく感染力が強いから。感染してしまった場合、本人が苦しむだけでなく同居する家族にも感染してしまう危険性が高いです。
しかもノロウイルスは特効薬が存在しない。。。さてどうやったらノロウイルスの間の手から自分や家族を守れるのでしょうか。そこで今回はノロウイルスを予防するための正しい対策をご紹介していきます。病院でも行われている対策なのでしっかりと目を通してくださいね。

そもそもノロウイルスとは

ノロウイルス対策を行う上で、まずはノロウイルスの性質を知っておく必要があります。詳しく解説していきましょう。

ノロウイルスは人間の体内に侵入すると「ノロウイルス胃腸炎」を引き起こすウイルス。病院でもインフルエンザ感染とならんで「院内感染アウトブレイクの2大疾患」と言われています。

ノロウイルスは感染力が非常に強い

注意しなければならないのは、院内感染が起こりやすいほど感染力が強いということ。

ウイルスがわずか10個でも感染すると、小腸で増殖して発症してしまいます。

家族のひとりが感染すると、家庭内で感染が拡大しやすいので注意しなくてはいけません。

次にノロウイルスはいつ流行しやすいのかをご紹介します。


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ノロウイルスの流行時期

ノロウイルスが流行しやすいのは、毎年11月~3月初旬の春先ごろまです。この時期に嘔吐や下痢をした場合、「ノロウイルスかも?」と疑うようにして下さい。

注意したいのは「冬場だけ気をつけていればいいんだ」という考え。実は気をつけなければいけないのは冬場だけではありません。

実は年間を通じてノロウイルスは存在している。したがって夏場などの温かい時期にもノロウイルスに感染する可能性は十分あります。

ノロウイルスの症状

感染性胃腸炎
ウイルスに感染してからノロウイルス胃腸炎を発症するまで、24~48時間程度の潜伏期間がある。そして発症してからは下記のような症状が出ることが多いのが特徴です。

・吐き気
・嘔吐
・下痢
・腹痛
・発熱

基本的には発症してから1~2日ほどで症状は緩和される。したがって死に直結することは無いとされているが、抵抗力や体力の落ちている子供や高齢者は要注意が必要です。嘔吐物を気道につまらせて窒息する場合もあります。

また、症状が出なくなったからといって油断してはいけません。体内にはノロウイルスがまだ残ってる可能性があります。症状がおさまってからも3~4日、長い場合だと1~2週間もウイルスが便に排出されるので人に感染させないように配慮が必要になってきます。詳しくはあとで解説しますね。

ノロウイルスは一度感染したからといって、再びかかわらいというわけではありません。一定期間を経つとまた感染してしまう可能性もあります。

ノロウイルスの感染経路

ノロウイルスは基本的には「経口感染」で拡大していきます。詳しくは次のような感染経路があるので確認しておきましょう。

・トイレや風呂といった共用設備を使用した際の感染
・感染者の排せつ物に触れたことでの2次感染
・感染した人が調理したものを食べる事での感染
・汚染された二枚貝を十分加熱せずに食べた場合
・消毒が不十分な水道水や井戸水を摂取した場合

ノロウイルスの消毒方法の知識

次にノロウイルス対策に重要な消毒法について解説していきます。感染の予防をするために手洗い&消毒が非常に大切。しかし適切な消毒を行わないとノロウイルスの魔の手からは逃れられないので、次の事はしっかり覚えておいてください。

ノロウイルスにエタノールは効かない

ぜひ覚えておいてもらいたいのが、エタノール、アルコールといったメジャーな消毒液はノロウイルスには効かないということ。アルコールをどれだけふりかけても効果はないので覚えておきましょう。

ノロウイルス消毒を行うために有効なのは「次亜塩素酸ナトリウム」。これを含む消毒液を使うようにしよう。念のため病院でもノロウイルス対策に使われる商品の名前をご紹介しておきます。

・ハイター
・ミルトン
・ルビスタ

他にもドラッグストアなどに行けば、ノロウイルス用の消毒液が手に入るはずなので、わからない方は店員さんに聞いてみましょう。適切なものを使って感染を予防するようにして下さい。

ノロウイルスの検査方法

「ノロウイルスかも」と思ったら病院で受診するようにしよう。これは自分のためだけでなく、周りにうつさないようにするためです。

ノロウイルスの検査にはノロウイルス抗原検査が用いられます。この検査は3歳未満の乳幼児や65歳以上の高齢者などは保険適用となっています。しかし必ず検査が行われるというわけだはなく、症状などから推定してノロウイルスだと医師が判断する場合も多いです。

病院でノロウイルスと診断された場合は、外出をせず自宅で療養した方が良いでしょう。ちなみに病院では職員が感染して嘔吐・下痢の症状がある場合は症状がおさまって48時間経過するまでは就業を禁止しています。(病院によって違う場合もある)

ノロウイルスに効く薬は?

残念ながら、現在ノロウイルスに対する特効薬は存在していない。したがって自宅で療養して自分で治す必要がある。

家庭で出来るノロウイルスの対策法

ここからノロウイルスの対策法をご紹介する。特効薬がないため予防が一番大切だが、気をつけていても感染してしまう場合もある。そんな時の対処法も合わせて紹介するのでしっかり読んで下さいね。

手洗いは必ず行おう

ノロウイルス対策に手洗いは必須。感染から身を守るだけでなく、感染が広がるのを防ぐ意味合いもあります。

しかし通常の石鹸などではノロウイルスは死滅しません。したがって「塩素系」の薬用ソープを使って手を洗うようにすると良いでしょう。塩素系の薬用ソープはドラッグストアなどで手に入るので店員さんに聞いてみましょう。

ただ塩素系のソープでなくても、手洗いをしないより断然予防効果はあるので行ってください。その際ポイントとなるのは「しっかり泡立てる」「流水で洗う」点に注意してください。

外出から帰ってくると、手はウイルスだらけになっていると思いましょう。しっかりと手を洗って対策をしたいところ。

感染者の汚物や便には注意!

もし家族でノロウイルス感染者が出た場合、感染した家族の「嘔吐物」「便」には注意が必要だ。

嘔吐物1gに100万個、便1gに1億個ものウイルスがあると言われています。ノロウイルスは10個ほどが体内に侵入しただけでも感染する可能性があるので、排せつ物には細心の注意を払うべきです。

一番良いのは排せつ物に触れないこと。しかし感染者が家族の場合はそうもいかないだろう。したがって二次感染を防ぐために以下の事に注意しましょう。

・排せつ物を取り扱う場合は、必ずゴム手袋とマスクを着用する。(使ったら必ず捨てること)
・排せつ物がついた衣類などは袋に入れて捨ててしまう。
・食器は絶対に共有しない。(日頃かどあらそれぞれ専用の食器を使うと良い)
・トイレやドアノブを次亜塩素酸で消毒する
・子供がいる家庭はオモチャもしっかり消毒しよう

調理は加熱をしっかりと!特に二枚貝には注意!

食品の中にはノロウイルスが付着している可能性もある。とくに牡蠣(カキ)などの「二枚貝」はノロウイルス感染の原因となる事が多いので調理には注意しましょう。

ノロウイルスを死滅(正確には失活化)させるためには十分な加熱が有効だ。食材に熱をしっかり加えることでウイルスは働きを失います。

では、どのくらい加熱すれば良いのかだが、85~90℃で90秒以上加熱する事が推奨されている。子供や高齢者がいるご家庭では特にこの加熱調理を心がけてほしいところ。

また二枚貝について、基本的には十分に加熱した場合は食べても問題はありません。しかし個人的な意見ですが、赤ちゃんがいるご家庭ではなるべくお父さんお母さんには食べないようにしてもらいたいです。

ノロウイルスに感染してしまった時

感染した時は有効な薬がないので、自宅で静かに療養する事が大切。

その際注意したいのが「水分補給」です。「ノロウイルスは排泄させた方が良い」という考えから下痢止めなどは飲まない方が良いとされています。排泄するにあたって危険なのが「脱水症状」。こまめな水分補給を心がけるようにしましょう。

ちなみに水分補給をする際は水よりも「スポーツドリンク」がおススメ。スポーツドリンクには糖分やナトリウムが含まれているため、水よりも吸収率が良くなっている。脱水予防に最適と言えます。

また先に解説したように症状が出なくなっても、排せつ物にはノロウイルスが含まれているので注意が必要。油断せずにしっかりと休養して治すようにしましょう。

遺伝子変異で再感染することも

2016年、ノロウイルスが遺伝子変異し、従来よりも感染力が強くなってしまいました。今まででも感染力が強かったのに、より強くなったので注意が必要です。

手洗いを徹底するとともに、感染者の嘔吐物にはくれぐれも気をつけて下さい。


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