管理栄養士のタイゾーです。
今回は薬膳の「食事の食べ方」の知識を解説していきます。
以前、薬膳の基礎知識をお伝えしましたが、こちらを合わせて読んで頂くとより理解が深まりますのでご参考下さい。
今回は薬膳に関してより理解を深めて頂ける内容です。
薬膳の基礎知識の中で解説しているように、薬膳では「食事のとり方」「食材自体がもつ効果」の２つを学んでいく必要があります。
そこで今回は「食事の食べ方編」です。
薬膳を含む「漢方」の世界では、食事のとり方を変える事が健康につながるとされています。その食事のとり方は大きく３つのポイントがあります。それが「薬食同源」「一物全食」「身土不二」の３つです。
薬膳初心者の方は全く聞き覚えの無い言葉でしょうが、この記事でひとつづつ解説していきます。
薬膳における食材の食べ方
薬膳をこれから作ろうと思っているかたや、学んでいこうと思っているかたは、薬膳における食材の食べ方を知っておく必要があります。それが「薬食同源」「一物全食」「身土不二」なのですが、結局は以下の3点を気をつけようということです。
・食事に漢方の考えをとりいれよう・・・薬食同源
・食材はまるごと食べよう・・・一物全食
・地産地消で地元のものを食べよう・・・身土不二
以上の3点が薬膳における食材の摂り方になります。ではそれぞれを詳しく解説していきます。
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薬食同源とは
まず、薬膳の基本となる薬食同源について学んでいきましょう。これを知って頂くと薬膳が何を目的にしているのかが見えてきます。
薬食同源とは「漢方を食事にとりいれて食べていく」という考え方です。
薬膳は、病気になった時に単に症状を治す事だけを目的とはしません。根本から体調を整え、「自然治癒力」を高めていくことが一番の目的になります。
自然治癒力とは人間が本来もっている「カラダを回復しようとする力」のことをいいます。たとえば、指を切ったときでもそのままにしておけば治りますよね？これがまさに自然治癒力。人間がもともと持っている回復パワーです。
この自然治癒力は体質が安定していないと効果が発揮されません。そしてそのカギを握っているのが毎日野「食事」です。薬膳の世界では自分に合ったものを摂ることで体質を安定させ、自然治癒力を上げていく事ができるとしています。
すると大病を患う前（未病）のうちにカラダの不調を改善できるようになります。
薬膳はいくつもの食材で作ることができる
薬食同源を実践するために、特定の食材を使わなければならないというわけではありません。中には苦手な食材もあるでしょう。それを無理に食べる必要は無く、いくつもの食材や生薬を組み合わせて自分にあった料理を作っていけばよいのです。
薬膳で使われる食材は、「生薬」と呼ばれる馴染みの無い食品も存在します。しかし実は身近な食品が薬膳として使われているのです。薬膳は「食べれるかなあ？」「まずくないかなあ？」と心配されますが、そんな事はありません。
大切なのは「自分の体質に合った食材」を知り、「どう食べるか」です。
その為にはまず、自分の体質がどういう状態かを把握する事です。自分の弱点を知って、適した食材を選び、適した料理法を選択していきます。これが薬食同源の考え方です。
一物全食（いちぶつぜんしょく）
次に「一物全食」を学んでいきましょう。
一物全食とは簡単にいえば、「食材をまるごと食べましょう。」ということです。
恐らく多くの方が食材を調理をする時に、皮、芯、葉、根といった部分を捨ててしまっているのではないでしょうか。薬膳の世界では、これは非常にもったいないこととされています。
薬膳では一物全食の考えに基づき、食材を出来る限り丸ごと食べる事が推奨されています。
動物も植物も全ての部位に、生きるために必要な機能がバランス良く備わっています。特に普段は捨ててしまいがちな皮、根、芯、葉といった部分には漢方の薬効作用が非常に多く存在します。
これから薬膳を作っていく方は、ぜひ食材はまるごと使うようにしましょう。
身土不二（しんどふじ）
身土不二とは「自分が住んでいる土地や風土で採れる食材を食べよう！」という事です。つまり「地産地消」ということですね。
食材には温かい地域や寒い地域など、様々な環境に合わせて採れる食材が存在しています。薬膳ではアナタの暮らす土地や風土で採れる食材を食べることが最も自然で、理にかなっているとされています。
現在、交通が整備された事で日本にとどまらず、世界中の食材が手に入るようになりました。しかし、地元の食材を大切にして食べていくことが重要だと薬膳は教えてくれています。ぜひ地産地消を心がけて下さい。
この記事を読んで頂いた方は是非下記の記事も読んで下さい。薬膳の基本を学んで頂けます。
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