管理栄養士のタイゾーです。
「マヨネーズって健康に悪いの?」
このページはそんな疑問をもつ人に向けて作成しています。
私の知人にも何にでもマヨネーズをかける「マヨラー」が何人もいます。
茹でたブロッコリーにマヨネーズ。
唐揚げにマヨネーズ。
ごはんにもマヨネーズ。
「何にでもマヨネーズをかけずにいられない」
なんて人もいるのでは。
マヨネーズは多くの人を魅了する調味料ですが、はたして安全性はどうなのでしょう。
そもそも多くの人が市販マヨネーズにどのようなものが使われているかを知らないのが現状です。
そこで、このページではマヨネーズの危険性について栄養士視点で紹介していきます。
なお、ここで紹介するマヨネーズの危険性とは市販のマヨネーズを対象としています。
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マヨネーズとはどんなもの?
マヨネーズを当たり前に使っているひとも多いでしょうが、そもそもマヨネーズってどんなもので出来ているかご存知でしょうか。
まず市販のマヨネーズがどんなものかを御紹介しておきます。
マヨネーズとは「半個体状ドレッシング」の一種に位置づけられています。
したがってあくまでドレッシングです。
本来、自分でマヨネーズを作る場合は「卵」「油」「酢」「水」「塩」「コショウ」等で作ることができます。
水と油は混ざりませんが、卵黄の「レシチン」という成分が乳化剤の役割をすることで、水分と油が乳白色に混ざり合い完成します。
市販のマヨネーズも基本的にはこの卵の乳化作用を利用して作られますが、自宅で自作するものとは成分がずいぶん変わってきます。
市販マヨネーズは何が使われている?
消費者に「マヨネーズ」と表示して販売するためには「食品表示法」という法律で基準が定められています。
食品表示法によれば「卵黄または全卵を使用し、かつ必須原材料である「卵黄」「卵白」「たんぱく加水分解物」「食塩」「砂糖類」「はちみつ」「香辛料」「調味料(アミノ酸等)」以外の材料を使用していないもの、かつ原材料に占める植物油の重量の割合が65%以上のもの」と決められています。
ちょっとわかりにくいですね、ざっくりと要点をしぼると
- 卵黄か全卵は使ってね
- 使っていいのは、たんぱく加水分解物、食塩、砂糖系、はちみつ、香辛料、調味料。この他は使っちゃダメよ
- 総重量の65%以上は植物油にしてね
という感じになります。
では、上記の点をふまえて市販のマヨネーズの原材料はどのようになっているかというと
原材料名:食用植物油脂(大豆含む)、卵黄、醸造酢(りんごを含む)、食塩、調味料(アミノ酸)、香辛料、香辛料抽出物
となっているものが多いです。
ただ原材料を見ただけでは、一般の消費者は「よくわからない」というが率直な感想だと思います。
ではこれらの原材料から、市販マヨネーズにひそむ3つの危険性を栄養士視点で解説していきたいと思います。
トランス脂肪酸の危険性
市販のマヨネーズで最も危険性を指摘したいのは「トランス脂肪酸」の存在です。
「ん?原材料にトランス脂肪酸なんて書いてないよ」
と思うかもしれませんが、原材料にある「食用植物油脂」にトランス脂肪酸が含まれている可能性があります。
トランス脂肪酸とは簡単に言うと「人工油」です。
大豆など植物由来のサラダ油に「水素」を添加することで出来上がります。
なぜ植物の油にわざわざ手を加えるのかというと、「油の劣化を抑えるため」です。(もちろん一概には言えませんが)
油というのは、空気に触れると「酸化」して劣化していきます。
油が劣化してしまうと売り物になりませんから、化学的に手を加えることで「劣化しにくい油」を作るのです。
これがトランス脂肪酸です。
トランス脂肪酸がなぜ危険かというと、トランス脂肪酸を摂ることで血液中の「LDLコレステロール」という悪玉コレステロールを増加するからです。
悪玉コレステロールが増加することによって動脈硬化が起こり、心筋梗塞や脳梗塞の原因になります。
トランス脂肪酸の危険性は世界的に認知されはじめ、アメリカでは2015年に全面的にトランス脂肪酸の使用が禁止される事が決まりました。
「なんで日本では使われているの?」
と思うかもしれませんが、これは日頃のトランス脂肪酸の摂取量がアメリカ人に比べ、日本人は少ないからというのが理由です。
しかし禁止している国もあるくらいですから、摂らないに越したことはありません。
調味料(アミノ酸)に注意
市販マヨネーズに使われている調味料(アミノ酸)という添加物にも注意が必要です。
アミノ酸はタンパク質を構成する栄養素でもあるので「安全だ」という認識をしているひとも多いでしょう。
しかし、ここで使われている調味料(アミノ酸)とは、ほとんどが「L-グルタミン酸ナトリウム」を指します。
L-グルタミン酸ナトリウムは昆布に含まれる「うまみ成分」です。
昆布から人工的に抽出したものが、調味料(アミノ酸)という添加物として使われています。
L-グルタミン酸ナトリウムは確実に危険性があると認めれているわけではありませんが、一度に大量摂取することで頭痛や顔の炎症などが起こることが報告されています。
また2002年に弘前大学の大黒教授によって、「ラットにグルタミン酸ナトリウムを摂取させたところ目に異常が発生した」という研究報告もあります。
摂らない方が無難ですね。
グルタミン酸ナトリウムについては下記ページでも詳しく解説していますので参考にしてください。
関連:日清カップヌードルがレシピを変更!使用中止になる添加物のMSGとは
摂り過ぎると生活習慣病につながる
市販マヨネーズは、トランス脂肪酸や添加物以外にも「塩分」「脂質」が多く含まれる点にも注意が必要です。(塩分と脂質については市販品だけでなく、自家製のものも同様です)
塩分と脂質の過剰摂取は生活習慣病の原因となります。
まず塩分の摂り過ぎは、血管を収縮させ「高血圧」の原因になってしまいます。
またマヨネーズに含まれる65%以上は脂質であるため、摂り過ぎた場合、血液中の中性脂肪やコレステロールを増加させて「脂質異常症」につながってしまいます。
さらに脂質が多いという事はカロリーも高くなります。
マヨネーズを食品にかけて食べることでカロリーが一気にアップするため、肥満に繋がりやすくなります。
したがって、生活習慣予防のためにもマヨネーズの多用は控えねばなりません。
市販マヨネーズは使わない方が無難
私の結論を言うと、市販マヨネーズは使わない方が無難です。
トランス脂肪酸や添加物もそうですが、脂質や塩分も高い調味料です。
健康のためには、日常的に使うことはおススメできません。
ただ、どうしても安全なマヨネーズを買いたいという人は、どのような油が使われているのか(トランス脂肪酸ではないかどうか)、添加物の有無などをチェックして出来るだけ有害なものが少ないものを選ぶようにしましょう。
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