「糖質制限ダイエットをしたら尿酸値があがった・・・」
「糖質制限ダイエットで尿酸値上がるってホント?」
このページはそんな悩みや疑問を持つ方に向けて作成しています。
管理栄養士のタイゾーです。
ダイエットをしている方の中には『糖質制限ダイエット』を行っている方もいると思います。
糖質制限ダイエットとは、『糖質』を多く含む食品を食べないようにするダイエット法のことです。
糖質は私たちのエネルギー源になる栄養素ですが、過剰に摂りすぎると脂肪として蓄積される特徴があります。
したがって糖質の摂取量を減らせば、効率的にやせる事ができるとして登場したのが糖質制限ダイエットです。
事実、糖質の量を減らすことで短期間にダイエットに成功したという人も多々見かけます。
しかし、糖質制限ダイエットをしている人の中にはこんな声が聞かれます。
「血液検査をしたら尿酸値が上がってた」
このページを読んでいる方の中にも該当者がいるかもしれません。
そこでこのページでは、糖質制限ダイエットで尿酸値が高くなる理由と対処法について解説していきます。
安全に糖質制限を行いたい人はぜひ一読しておくことをオススメします。
スポンサーリンク
糖質制限をやるなら知っておきたい「尿酸値の基準値」
尿酸値の検査には、主に「血液検査」と「尿検査」がありますが、基準値は「7.0mg/dl以下」です。
7.0mg/dlを超えた場合、「高尿酸血症」と判定され「痛風」になるリスクが高くなってしまいます。
なぜ糖質制限ダイエットで尿酸値があがるのか
これはどんなダイエット法にも言えることですが、糖質制限ダイエットもメリットとデメリットが存在します。
そのデメリットのひとつが尿酸値問題です。
絶対とは言いませんが、糖質制限ダイエットを行うことで尿酸値は高くなりやすくなります。
これには以下の2つの理由が考えられます。
- プリン体の多い食品の摂りすぎ
- 筋トレのやり過ぎ
それぞれを具体的に見ていきましょう。
プリン体の多い食品の摂りすぎ
まず、糖質制限によって尿酸値が上がりやすい理由のひとつが『プリン体』を多く含む食品を多く食べる事にあります。
糖質制限中は、糖質の多く含まれる米、パン、イモ類といった食品を食べないようにする必要があります。
ただ、これらの食品を食べないようにした場合、カラダのカロリー不足を招いたり空腹感が襲ってくるため、「代わりに糖質の少ない肉・魚といった主菜類をたっぷり食べましょう」と言われます。
たしかに肉や魚は糖質がほとんど含まれないため糖質制限には向いています。
しかし肉や魚の中にはプリン体が多く含まれるものが多々あります。
プリン体は、体内で尿酸を作り出す材料となるため、プリン体が多い食品を継続して摂りすぎると尿酸値は必然的に上がりやすくなります。
近年、「食品に含まれるプリン体はあまり気にしなくても良い」なんて言う人もいいますが、摂りすぎれば尿酸値上昇のリスクになることは間違ありませんから注意せねばなりません。
プリン体が多い食品は後述してありますので、一度自分の食べているものをチェックすることをオススメします。
筋トレのやり過ぎ
糖質制限ダイエットを行っている人の中には「筋トレ(筋力トレーニング)」を合わせて行っている人も多いでしょう。
たしかにダイエットに筋トレを導入することはメリットが多いです。
なぜなら筋トレをして筋肉量が増えると代謝が上がり、痩せやすくなるし、リバウンドもしにくくなるからです。
しかし一方で過剰な筋トレは尿酸値の上昇をまねきます。
運動には「有酸素運動」と「無酸素運動」に大きく分けられますが、筋トレは無酸素運動に該当します。
筋トレのような無酸素運動は、急激に大量のエネルギーを消費するため、酸素の供給が間に合わなくなります。
すると、筋肉中にある「ATP」というエネルギー物質を分解してエネルギーを獲得します。
しかし、この過程で代謝産物であるプリン体が増加してしまうのです。
その結果、尿酸値が上がるというわけです。
また、激しい筋トレをすると「乳酸」という物質も出来ます。
乳酸は腎臓からの尿酸の排泄をさまたげてしまう作用があるため、尿酸値をあげる要因となります。
糖質制限ダイエットで尿酸値を上げないようにする方法
糖質制限ダイエットで尿酸値が上がる理由について少しは理解できたでしょうか。
次に尿酸値を上げないために必要なポイントをご紹介していきます。
有酸素運動を取り入れる
先に紹介したように激しい筋トレは尿酸値を上げてしまうため、尿酸値が高い方には向いていません。
したがって、かわりに取り入れたいのが尿酸値の上がりにくい「有酸素運動」です。
有酸素運動はさまざまな種類がありますが、代表的なものは以下のようなものがあります。
- ウォーキング
- ジョギング
- サイクリング
- 水泳
- 水中ウォーキング
有酸素運動は脂肪を燃焼させやすくする効果があるため、継続して行うことをオススメします。
ポイントは無理なく続けられるものを種目を選択することです。
プリン体の多い食品の摂取を控える
先に紹介したようにプリン体は尿酸の材料となるため、プリン体の摂取量を控える必要があります。
ちなみに日本痛風・ 核酸代謝学会による『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』にはプリン体の1日の摂取制限は「400mg」が目安とされています。
しかし、プリン体は多くの食材に含まれているため摂取量をゼロにすることはほぼ不可能です。
したがって多く含まれる食品の摂取を控えるようにしてください。
以下にプリン体の多い食品と少ない食品を上げておきます。
※100gのプリン体量
非常に多い(300mg以上)
鶏レバー、あん肝、いわしの干物、かつお節、煮干し、干しエビ、ちりめんじゃこ、しらす干し、白子
多い(200~300mg)
豚レバー、牛レバー、カツオ、真イワシ、アジの干物、さんまの干物
少ない(50~100mg)
豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛タン、マトン、ベーコン、つみれ、ホタテ、ほうれんそう、カリフラワー
非常に少ない(50mg以下)
コンビーフ、かまぼこ、ちくわ、さつま揚げ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、豆乳、海藻
野菜を1日350g目標に食べる
尿酸値を上げないために取り入れてほしいのが「野菜」です。
これは野菜を多く摂取することで、尿酸を腎臓から排泄させる事につながるからです。
野菜にはビタミンやミネラルが多く含まれ、尿をアルカリ性にする役割があります。
尿酸は、尿が酸性の時にとけにくく、逆にアルカリ性の時に溶けやすい性質があるため、尿をアルカリ性に傾けることが尿酸排泄には良いとされています。
尿のpH(ペーハー)は食事によって左右されるため、アルカリ食品である野菜の摂取が良い訳です。
また野菜に含まれる食物繊維には腸内でのプリン体の吸収を抑えてくれる効果もあります。
では「野菜はどのくらい食べれば良いのか?」という疑問を持つひともいるでしょう。
基本的に1日に「350g」を目標にしましょう。
この350gという量は、厚生労働省が推進する「健康日本21」で定められている量になります。
多いと思うかもしれませんが、ブロッコリーやピーマン、オクラといった緑黄色野菜やキャベツやナス、セロリなどの淡色野菜を好みにあわせて組み合わせて上手に摂取するようにしましょう。
水分をたっぷりと摂る
尿酸を多く排泄させるためには、尿の量を増やす必要があります。
尿の量を増やすためには水分の摂取が不可欠ですから、糖質制限中は1日に2Lを目安に水分補給を積極的に行うようにしましょう。
ただ、糖質制限ダイエットは糖質の摂取量を減らす必要がありますから、炭酸飲料、ジュースや缶コーヒー(砂糖入り)での水分補給はNGです。
水やお茶など糖質の少ないもので水分補給を行ってください。
尿酸値を下げるための食べ物に関しては以下のページでも詳しく解説していますので合わせてお読み下さい。
>>栄養士が教える「尿酸値を下げる食べ物」
尿酸値が高い人が糖質制限をする時は主治医に相談を
このページで紹介したように、糖質制限ダイエットを行った場合、尿酸値が高くなる可能性があります。
もちろん、糖質制限ダイエットを行う全ての人が尿酸値が上がるとは言えませんが、日頃から尿酸値が高い方はこのリスクを覚えておかねばなりません。
したがって、尿酸値が高い方が糖質制限ダイエットを行う場合は必ず事前に医師に相談するようにしましょう。
自分の判断で行った場合、痛風になってしまう危険性もあります。
糖質制限中の尿酸値対策に役立つコンテンツ
糖質制限ダイエット中の尿酸値対策に役立つ情報を下記ページでも紹介しています。よければ参考にしてください。
>>【栄養士推奨】尿酸値を下げたいなら牛乳とヨーグルトを食べるべし
スポンサーリンク