チーズで内臓脂肪が減る

管理栄養士のタイゾーです。

このページでは、チーズと内臓脂肪・脂肪肝の関わりについて紹介しています。

内臓脂肪や脂肪肝に悩みを抱えている方も多いと思いますが、これらは私たちのカラダにどのように影響するのかも解説していきますのでぜひ参考にしてください。


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内臓脂肪が増えるとなぜ悪い?

内蔵に脂肪がたまる状態を『内蔵型肥満』といい、私たちの健康に関係しています。

肥満には『内蔵型肥満』と『皮下脂肪型肥満』の大きく2つに分けれられますが、これらの肥満は見た目に違いが出てきます。

内蔵型肥満は、内蔵に脂肪がたまりやすいため、お腹周りが大きくなってきます。いわゆる『リンゴ型』の体型をしている人がこの内蔵型肥満に該当します。

一方、皮下脂肪型はお腹周りよりも下半身に脂肪がつきやすい人です。いわゆる『ナシ型』と言って、洋梨のような体型の人がこちらの皮下脂肪型肥満に該当します。

どちらの肥満も健康に良くありませんが、特に病気のリスクとなるのがリンゴ型の内蔵型肥満の方です。

なぜ、内蔵型肥満が病気を引き起こすかというと、『肝臓』に脂肪がつくからです。

肝臓に脂肪がたまった状態を『脂肪肝』といいますが、肝臓に脂肪がたまってしまうと肝臓の機能が低下してしまい、様々な病気の引き金となってしまうのです。

脂肪肝が引き起こす病気には以下のようなものがあります。

  • 脂質異常症
  • 動脈硬化
  • 糖尿病
  • 肝炎

脂肪肝になっても最初のうちはほとんど自覚症状がありません。しかし、そのままの状態が続くと『肝炎』をおこして『肝硬変』に進行する可能性もあります。すると『肝臓がん』になるリスクも出てくるのです。1)

NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)が注目

これまで脂肪肝の主な原因は飲酒が問題視されてきました。

しかし、近年はアルコールだけでなく『過食』『運動不足』などアルコール以外からおこる脂肪肝の炎症が問題視されるようになってきました。

アルコールを飲まない人の脂肪肝からおこる肝炎を『NADH(ナッシュ)』と呼び、将来的に肝硬変や肝臓がんに発展する危険性が指摘されています。

内蔵脂肪(脂肪肝)が増える原因

内臓脂肪が増える要因は普段の生活習慣が深く関わっています。次に内臓脂肪が増えてしまう生活習慣について紹介していきます。

お酒の飲み過ぎ

過度の飲酒は内蔵脂肪を増やし、脂肪肝を引き起こします。

これはアルコールを摂取することで、『コルチゾール』というホルモンが分泌されることが理由のひとつです。

コルチゾールは内臓脂肪を増やす働きがあるため、アルコールを摂りすぎると内臓脂肪が増えやすくなるのです。

またお酒に含まれる『糖質』にも注意が必要です。

糖質はエネルギーとして利用される栄養素ですが、摂りすぎると『インスリン』というホルモンの作用によって脂肪に変わってしまいます。

現在では糖質の少ないお酒も増えてきましたが、だからといって過剰摂取には気をつけねばなりません。

お酒のツマミも脂肪肝の原因に

お酒自体の飲み過ぎに注意する必要がありますが、一緒に食べる『お酒のつまみ』にも注意せねばなりません。

特に唐揚げなどの揚げ物は、脂質が多く含まれているため脂肪肝になるリスクを高めてしまいます。

お酒を飲む際は、刺し身や焼き魚、野菜類など低糖質・低脂質なものを選ぶようにしましょう。

過食

私たちは、食べたものから必要な栄養素を利用して生命活動を営んでいます。

しかし、必要以上に食べ過ぎた栄養素は脂肪に変換されて非常時用に蓄えておくという、システムが備わっています。

この時、皮下脂肪だけでなく、内蔵にも脂肪が蓄積していくと脂肪肝になります。

したがって食事の量は適正範囲内を守り、過不足のないように食事をする必要があるのです。

運動不足

運動不足は内臓脂肪が増え、脂肪肝になりやすくなります。

内臓脂肪も皮下脂肪も運動をすることによって燃焼されていきます。

もともと脂肪は、『非常時のためにエネルギーを貯めておく』という役目もあるため、運動をしてエネルギーを消費すれば貯蓄された脂肪は減っていくことになります。

しかし、普段から運動不足になっていると貯蓄された脂肪は燃焼されず、さらに蓄積していくばかりです。

脂肪肝の人は、『消費カロリー>摂取カロリー』の状態を作り出さなければなりません。

つまり消費カロリーを増やすために運動をする必要があるというわけです。

チーズが内臓脂肪対策に良い

近年、粉チーズが内臓脂肪を減少させるという事がわかってきました。

「チーズって太るような気がするけど」

と思う人も多いでしょう。

確かにチーズは多くの脂肪を含みカロリーが高い食品です。

したがって逆に内臓脂肪を増やしそうなイメージを持つ人が多いと思います。

しかし、東北大学農学部 齋藤忠夫農学博士の研究によればチーズを摂ることによって内臓脂肪対策に役立つとされています。

脂肪になりにくい短鎖脂肪酸

確かにチーズは脂質が多くカロリーも高い食品ですが、含まれる脂質の性質が内臓脂肪がつきにくい脂質なのです。

具体的にいうと、チーズには『短鎖脂肪酸』と呼ばれる構造の脂質が多く含まれます。

短鎖脂肪酸は、脂質の構造が短いものをいい、摂取してもエネルギーとして燃焼しやすいという面があります。

この短鎖脂肪酸の性質から、チーズは脂肪肝になりにくい食品と考えられます。

チーズのカルシウムが内臓脂肪燃焼に役立つ

チーズに含まれる栄養素に『カルシウム』があります。

カルシウムというと、骨の回復に役立つというイメージを持つ人が多いかと思いますが、実は脂肪を燃焼させるためにも働いてくれる栄養素なのです。

しかし、カルシウムは小魚などにも含まれているので、他の食品でも摂取できるはずです。

ただ、小魚とチーズではカルシウムの吸収率が違うのです。

小魚は『リン酸カルシウム』という名前のカルシウムであるので対し、一方の乳製品は『カゼインカルシウム』といい、吸収率が高いのです。

したがって小魚などで摂取するよりもチーズで摂取した方が効率的と考えられます。

また、「だったら牛乳でも良いのでは?」と思う人もいるかもしれません。

たしかに牛乳でも多くのカルシウムを摂取できますが、牛乳とチーズを比べた場合、脂肪になりやすい糖質が少ないという特徴があります。

内臓脂肪対策の基本は食事と運動

チーズについての有効性をご紹介してきましたが、注意して欲しいのは、チーズだけ食べていれば良いということではありません。

先にも紹介したように、内臓脂肪は普段の食事は運動習慣がふかく関わっているため、日頃からバランスの良い食事や、継続した運動も必ず必要になってきます。

また脂肪肝による炎症がずっと続く状態は様々な病気を招く危険性もあるため、必ず病院を受診して医師の指導を仰ぐようにしましょう。


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