妊娠期の食事は、健康な子供を産むためにも食事内容が大切です。
もちろん前提となってくるのは規則正しく、バランス良く食べる事になる訳ですが、食品の中には妊娠期に注意したい食品がいくつかあります。
その中の一つがローストビーフ。
「ローストビーフってタンパク質豊富だし良いんじゃないの?」と思うかもしれませんが、妊娠期には控えて欲しい食品のひとつです。
なぜローストビーフに注意する必要があるのか、その理由について紹介していきます。また、ローストビーフ以外にも妊婦が気を付けたい食品についても解説していくので、妊娠期の食事の参考にしてみて下さい。
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ローストビーフを注意すべき理由
妊娠期の食事にローストビーフを控えるべき理由は、『寄生虫』の問題です。
具体的にはローストビーフの材料となる牛肉に『トキソプラズマ』という寄生虫が入り込んでいる可能性があります。
トキソプラズマは動物の筋肉内や中枢神経にいる寄生虫で、幅約3㎛、長さ6㎛ほどの非常に小さな寄生虫です。
妊婦が摂取したトキソプラズマは胎盤を通して胎児に影響を及ぼす可能性があり、実際に脳に障害をおわせたり、死産や流産につながるケースが報告されています。
本来は豚や羊に多く、牛には少ないとされますが危険性はゼロではありません。
問題なのはローストビーフという料理の特性です。トキソプラズマは加熱によって死滅するため、基本的には肉の中心部分まで火を通せば安全に食べることができます。
ただ、ローストビーフは中心部分までしっかり熱が通っていないため、トキソプラズマが死滅せずに残っている可能性があるのです。
67度以上で加熱すればトキソプラズマは不活性化すると言われていますが、ローストビーフの調理の過程で必ずしもその温度に達してるとは言い切れません。
妊婦の摂食が公に禁止されているわけではないですが、リスクを避ける意味で、妊娠中はローストビーフは控えた方が良いでしょう。
妊娠中に肉を食べる時は十分加熱すること!
これはローストビーフの材料となる牛だけの問題ではなく、哺乳類の食肉にトキソプラズマはいる可能性があります。
では、肉は食べれないってこと?と思う人もいるかもしれませんが、大丈夫です。
先に紹介したように、十分に加熱調理することで寄生虫は死滅します。ようは十分に加熱されていないのが問題なのです。
よってローストビーフをはじめ、十分に加熱されていないような肉料理には控えるようにし、食べる際は中心部までしっかり熱を通すようにしましょう。
ステーキを食べる際もレアな状態ではなく、中心部までしっかり加熱して食べればOKです。
その他に妊婦が注意したい栄養素や食品
ローストビーフの他に妊婦が注意すべき食品には以下のようなものがあります。
・レバー
・マグロ、キンメダイ
・ひじき
これらの食品は公に妊婦が食べるのを禁止されているわけではありません。しかし、健康な子供を産む上では、摂りすぎることでリスクのある食材なので注意する必要があります。
レバー
ビタミンAはカラダに必要なビタミンですが、摂りすぎは胎児に悪影響を及ぼしてしまいます。
通常の食事を摂っている分には摂りすぎになる可能性は低いですが、多く含まれる食材を食べていれば過剰になることがあります。
特に注意したいのはレバー。妊娠期は貧血を予防するために鉄分の多い食品を摂ろうと心がけている人がいると思います。
レバーは鉄分豊富というイメージを持つ人が多いため食べる方もいるかもしれませんが、摂りすぎは禁物。
レバーはビタミンAの含有量が多いため、食べすぎればビタミンA過剰になりやすくなります。
マグロ、キンメダイ
魚は健康に欠かせないタンパク質や良質な脂質を含んでおり、優秀な食材です。
しかし、マグロやキンメダイには微量の『メチル水銀』が含まれています。大人には問題にならない量ですが、小さな胎児には影響が懸念されます。
食べてはいけない事はありませんが、食べすぎには注意したいところです。
ヒジキ
健康食材というイメージのあるヒジキですが、ヒジキは微量の『無機ヒ素』が含まれていることが分かっています。こちらも微量ですが、リスクを軽減する意味では控えた方が無難でしょう。
リスクを下げる意味では食べない方が無難
先に紹介した通り、ローストビーフやレバー、マグロ、ヒジキを妊婦が食べていけないわけではありません。
しかし、何かしらの悪影響を及ぼす危険性があるのは事実ですから、リスクを下げるという点では食べない方が無難だと思います。
ローストビーフが好きでたまらないという人がいるとしても、出産後は食べれる訳ですし、上記で紹介した食品に含まれる有益な栄養素は、その他の食品でいくらでも代替え可能なのです。(ローストビーフ・魚のタンパク質→卵・大豆製品、魚の良質な脂質→ナッツ類・エゴマ油、ひじきの食物繊維やミネラル→野菜類など)
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