ミネラルウォーターの危険性

ミネラルウォーターの危険性
「市販のミネラルウォーターって危険なの?」

このページはそんな疑問を持つヒトに向けて管理栄養士が作成しています。


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そもそもミネラルウォーターって何?

私たちが普段当たり前に飲んでいるものということもあり、「ミネラルウォーターってどんなもの?」と考えたことがある人は少ないのかもしれません。

しかし、ミネラルウォーターにも種類があるのです。農林水産省が『ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン』というものを策定しており、種類が分類されています。

このガイドラインによれば、消費者が一般的にミネラルウォーターと言っているのは『ミネラルウォーター類』という大きい分類を指していることが多く、厳密には『ナチュラルウォーター』『ナチュラルミネラルウォーター』『ミネラルウォーター』『ボトルドウォーター』の4つに分けられます。(日本で生産されているものに限る)

それぞれの特徴を以下にまとめます。

ナチュラルウォーター・・・特定の水源から採水された地下水を原水として、ろ過、沈殿、加熱殺菌以外の物理的・科学的処理を行わないもの

ナチュラルミネラルウォーター・・・ナチュラルウォーターのうち、地表から浸透して、地下を移動中または地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶けた地下水を原水としたもの。

ミネラルウォーター・・・ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的等のため、ミネラルの調整等をしたものや、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行われているもの。

ボトルドウォーター・・・ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター以外のもの

(参考:農林水産省 ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の表示ガイドライン)

ミネラルウォーターは危険?安全?

当サイトにもミネラルウォーターに関する質問が寄せられています。

「ミネラルウォーターは十分に殺菌されておらず、危険と聞いたのですがホントですか?」

結論を言うと、市販されているミネラルウォーターの危険性を気にすることはありません。

そもそも市販されているミネラルウォーターは食品衛生法に基づく規格基準に『ミネラルウォーター類の製造基準』というものがしっかり定められており、適当に作られているわけではないのです。(もちろんメーカーが遵守している前提ですが)

また、「ミネラルの摂りすぎにならないの?」と聞かれることがありますが、これも心配ありません。

たしかにミネラルは摂りすぎれば過剰症のリスクも存在する栄養素ですが、一般的に市販されているミネラルウォーターに含まれているミネラル量では過剰症を気にするレベルではありません。

逆に「ミネラル補給できるから健康に良い」なんて意見も聞くことがありますが、ミネラルウォーターのミネラル量で健康に影響をあたえるには、ミネラルウォーターを数十リットル~数百リットル飲まないといけません。

これほどのミネラルウォーターを飲めないですよね?したがってミネラルウォーターに過度な健康効果を求めることはできないということです。

また、「水道水よりミネラルウォーターのが危険だ」とか言っている人がいますが、メーカーもバカではありませんから水質検査を実施し、安全性を確認した上で販売していますので気にする必要はありません。

危険性がでるのは保存法や取扱方法

ミネラルウォーターが人体に悪影響を及ぼす可能性は限りなく低いですが、購入後の保存や取扱方法によってはカラダに悪影響を及ぼす可能性があります。

これはミネラルウォーターに限った話ではありませんが、製品は開栓後、雑菌など様々な外的要因にさらされる事になります。

空気中にも多くの浮遊菌が存在し、開栓すれば少なからずそれらが侵入するでしょうし、ペットボトルに口をつければ、口の中の大量の菌が容器の中に侵入することになります。

するとそれらの菌は容器内で繁殖することになり、保存方法によっては健康被害をもたらす可能性はゼロではありません。

よってここからは、ミネラルウォーターの取り扱いで注意したいポイントをまとめていきます。

冷蔵庫or冷暗所で保管

保管方法は非常に重要です。極度に暑い場所や日光が直接あたるような場所に置いておくと品質が低下しやすいです。

保管は冷暗所か冷蔵庫で行うようにしましょう。

開栓後は冷蔵保存が必須!

、開栓後は冷蔵庫で保管するようにしてください。

もちろん口をつけてなくても冷蔵保存が必要です。

菌が侵入した場合、常温化でも雑菌は繁殖します。特に夏など高温になりやすい環境では雑菌は爆発的に増殖しやすいので『とにかく冷蔵庫』というのを徹底しましょう。

早めに飲み切る

ペットボトルに口をつけたら早めに飲み切るようにしましょう。

私たちの口内には多くの菌が存在しており、口をつけることで容器内に菌が侵入し繁殖し始めます。

水はジュースなどに比べ含まれる栄養分が少ないため短時間で爆発的に繁殖する危険性は低いでしょうが、夏場などの暑い状況では繁殖スピードが速くなってしまうので早めに飲み切りたいところです。

※飲みかけのペットボトル(口をつけた)は冷蔵庫で必ず保管を。ただし、冷蔵庫内でも菌の繁殖は進行するので早めに飲み切る。

開栓後の保証は効かない場合がほとんど

私も食品メーカーに勤めていた経験があるのでわかりますが、基本的にキャップを外した時点で品質保証対象からはずれる場合がほとんどです。

開栓したとたん外気にさらされ浮遊菌等はかならず入ってくるわけですから、ここからの取り扱いの責任は消費者に委ねられると思って下さい。

よって保管方法には十分ご注意を。

ただし、購入した時や開栓時に異臭や異物があった場合は大問題です。製造された時は問題なくても輸送時や販売業者の保管方法に問題が無いとも言いきれません。そんな時はパッケージに記載されているメーカーや販売店に連絡するようにしてください。

現在の企業は『お客様相談センター』や『お客様相談窓口』を設置している企業が多く、連絡先がパッケージに記載されています。何か心配な点等があればそちらに連絡するようにしましょう。

まとめ

・ミネラルウォーターは危険ではない。
・衛生上の観点から保存方法や開栓後の取り扱いには注意する


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