骨粗鬆症の予防するには

身近なところに転倒リスク!

私には95歳の祖母がいます。祖母は年齢のわりに元気で、家事はもちろん、趣味も多く、自分のことは自分で何でもできます。しかし、90歳を過ぎた頃から転倒が多くなり、最近も転倒したと聞きました。自分でも日々気を付けて行動していても、カラダの動きと気持ちが伴わないことがあるようです。
年齢を重ねるにつれ、カラダのバランス感覚や、筋肉の衰え、とっさの判断など、すばやく行えなくなってしまい、ちょっとしたことをきっかけに転倒しやすくなってしまいます。高齢者の転倒は、その後介護が必要になることや寝たきりになってしまうケースもあります。
そこで今回は「高齢者の転倒」についてお話していこうと思います。

なぜ高齢者は転倒が増えるのか?

先ほど少し触れましたが、内的要因として年齢を重ねるとともに身体機能が衰えてきます。目が見えにくくなる視覚の変化、筋肉の萎縮や骨粗鬆症などの筋骨格系の変化、心臓や血管に疾患を伴う心血管系の変化などのさまざまな変化によって転倒リスクが上がります。
このような内的要因によるリスクは、正直防ぐのが難しい部分もありますが、もう一方の外的要因は意識することで転倒リスクを下げることができると思います。外的要因とは、自分の周りの環境です。今まであまり意識したことがないかもしれませんが、日常の中には意外と転倒リスクが高まりそうな危険な場所が潜んでいます。自分の家の中、外出先など、この機会に意識してみてみましょう。

【自宅編】

自分の住み慣れた家は大丈夫!なんて思っていませんか?実は自分の家の中で転倒する高齢者は少なくないのです。身近な場所から生活環境を見直していきましょう。

リビング

●大前提として、床に物を置かないようにしましょう。
●コードの配線などはできるだけ壁側にして、躓きやすい場所にこないようにしましょう。
●カーペットやこたつ布団、座布団など、少しの段差にも気を付けましょう。

玄関・廊下・階段

●照明を活用して、足元が明るく見える環境にしましょう。
●玄関に段差が大きい場合は、椅子などを置き、段差を減らすようにしましょう。
●必要があれば手すりをつけましょう。
●滑りやすい靴下やスリッパも使用を控えましょう。
●階段は一段一段ゆっくり上り下りしましょう。

寝室

●ベッドを利用される際は、ベッドを壁側にくっつけたり、ベッドガードを付け、転落リスクを減らしましょう。
●ベッドはなるべく低床のものにしましょう。

脱衣所・浴室

●衣類を着脱する際は椅子に座るなどして、バランスを崩さないように心がけましょう。
●滑りやすいマット等は敷かないようにしましょう。
●浴室内は水はけを良くして、滑らないようにしましょう。
●必要であれば手すりをつけましょう。

【外出編】

行き慣れているスーパーや近所の場所にも転倒リスクはたくさんあります。自分は注意して行動していても、子どもが走ってきてぶつかってしまったり、思いがけないところで転倒することもあるので、十分気を付けましょう。杖や歩行器を利用するのもよいと思います。

道路・駐車場

●歩道と車道の段差など、意識して歩きましょう。
●車止めに躓かないように気を付けましょう。
●マンホールやグレーチングも濡れると滑りやすいので、注意しましょう。

建物

●建物内に入る際は段差に気を付け、スロープや手すりがあれば使用しましょう。
●雨の日は床が非常に滑りやすいので、いつも以上に足元や周囲を意識して行動しましょう。

いかがでしたでしょうか?今回の内容で、転倒リスクが無くなるというものではありませんが、今まで何とも思っていなかった場所やご自身のカラダの変化を意識するきっかけになればと思います。
気持ちは若くても、カラダの機能は少しずつ変化していきます。自分のカラダに合った環境づくりを大切にしていきましょう。