オリーブオイル
私は以前、スペインに1年半ほど住んでいました。スペインではお金の節約の為、ひとり暮らしの時は自炊をしていました。
自炊といっても、ほぼ毎日パスタ料理でした。
パスタ料理に欠かせなかったのがオリーブオイルです。スペインでは食用油と言えばオリーブオイルといっていいほど、スーパーにはたくさんのオリーブオイルが並んでいました。
オリーブといえばイタリアを想像する人が多いと思いますが、生産量はスペインが世界一です。
実に世界のオリーブの約半数がスペインで生産されており、イタリアやギリシャの生産量の約4倍もあるのです。
私見ですが、オリーブオイルは他の食用油に比べると体に良いというイメージがありますが実際はどうなのでしょう?
まずは、オリーブオイルの種類からご説明します。
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オリーブオイルの種類
海外の多くの国ではオリーブオイルの品質等級規格は国際オリーブ理事会(IOC)という機関が定めています。
エクストラヴァージン・オリーブオイル
オリーブの果実をすりつぶして絞った果汁を遠心分離などの処理で得られた油の中で、風味官能検査で味や香りに欠陥がひとつもなく、酸度が0.8%以下のものだけを「エクストラヴァージン・オリーブオイル」と呼びます。
ヴァージン・オリーブオイル
風味官能検査で味や香りに若干の欠陥があり、酸度が2.0%以下のものが「ヴァージン・オリーブオイル」と呼ばれます。
精製オリーブオイル
品質の良くないヴァージン・オリーブオイルを精製(脱酸、脱臭、脱色等)したもので、酸度が0.3%以下のものを「精製オリーブオイル」といいます。
ピュアオリーブオイル
精製オリーブオイルとヴァージン・オリーブオイルを調合したもので、酸度1.0%以下のものです。市販されている安価なオリーブオイルに多い種類です。
日本は独自の規格
実は、日本は国際オリーブ理事会に加盟していないため、日本で販売されているオリーブオイルは上記の規格では販売する必要がないのです。
日本で販売されているオリーブオイルは日本農林規格(JAS)が規格を設けています。
JASの規格では、そもそも、「エクストラヴァージン・オリーブオイル」という定義が無く、酸度が2.0%以下であれば、「エクストラヴァージン・オリーブオイル」を名乗っても問題にならないのです。
つまり、海外では「ヴァージン・オリーブオイル」と呼ばれているものと同等なものでも、日本では「エクストラヴァージン・オリーブオイル」と名付けることができるのです。
しかしながら、スペインで売られているオリーブオイルのほとんどが「エクストラヴァージン・オリーブオイル」というわけではないと思います。
私がスペインに在住していた頃は、オリーブオイルの種類など気にせずスーパーで購入していたので詳しくはわかりませんが、多くの家庭は安価なオリーブオイルを使っていたと思います。
オリーブオイルの健康効果
実際、良質なオリーブオイルにはいくつかの健康効果があるようです。
抗酸化作用
オリーブに多く含まれるオレイン酸には抗酸化作用があります。そのため、生活習慣病などを予防する働きや若返り効果が望めます。
保湿成分も多いので美肌効果にもつながると思います。
脳卒中や心筋梗塞などの予防
前述のオレイン酸には、血液中のLDLコレステロールを下げる効果があります。
LDLコレステロールが下がると動脈硬化の予防になるため脳卒中などの予防につながります。また認知症のリスクも軽減されるようです。
腸内環境の改善
オレイン酸が腸を刺激することで蠕動(ぜんどう)運動が活発になり排便を促してくれるそうです。また、硬い便も柔らかくしてくれて便秘の解消につながります。
良質なオリーブオイルを選びましょう
その他にもオリーブオイルには血糖値の急上昇を防ぐ効果が期待できるそうです。
上記の健康効果を期待する場合、高価ですが酸度の低い国際基準の「エクストラヴァージン・オリーブオイル」がお勧めです。
しかしながら、日本で国際基準のものを探すのは大変です。
“本物”のエクストラヴァージン・オリーブオイルは、とても香り高く瑞々しいので、おいしいと感じるものを選んでみたらいかがでしょうか。
ちなみに精製オリーブオイルは酸度が低いですが、オリーブオイル本来の風味や栄養素などは損なわれていますのでご注意ください。
おすすめのスペイン産オリーブオイル
私のおすすめオリーブオイルは、スペインのラファエル・アロンソ・アギレラ社の、Oro del Desierto(オロ・デル・デシエルト)です。
栽培からオイル製造までを1社で行い、手摘みでの収穫と収穫後4時間以内の低温圧搾で驚きの酸度0.1%を実現しています。
オリーブ本来の最高級の味・香り・風味が楽しめます。
是非これでスペインを感じて下さい。