女性に多い冷え性。冬も夏も手先、足先などの冷えに悩まされている人は多いのではないでしょうか。
「冷え=体に悪い」というイメージを持つ方は多いと思います。しかし、そもそも「冷え」とはいったい何なのかを知らない人も多いはず。今回は、冷え症でよくある疑問をQ&A形式でご紹介していきます。
Q1 そもそも「冷え」って何?
A.全身や、手足の一部が冷えることで「つらい」と感じるのが冷え
もともと「冷え」という概念は西洋医学には存在しません。実は、冷えというのは東洋医学の考え方なのです。
冷え性とは、人間が寒いと感じない温度でも、足やお腹、手足の指先などカラダの一部が常に冷たくてツラく感じる事をいいます。他の人は「全く寒くない」と言っているのに、自分だけ体の一部が、いつも冷えているといった状態ですね。これに「苦痛」を伴うと冷え性です。
気をつけて欲しいのが、冷えは低体温症とは違うという事です。「低体温症」とは西洋医学で、カラダの深部体温が35℃以下の状態をいいます。極めて気温の低い雪山などで、遭難した時などに起こりやすいものです。
Q2 冷えの根本的な原因とは何か?
A.冷えの原因は「血流」が悪いこと
冷え性になる原因には、体の血液の流れが悪い事があります。血液は酸素を栄養素を全身の細胞に運び、「熱」を生み出す役目を持っています。血液の流れが悪くなることで、カラダの全体に酸素と栄養が届かず、熱(体温)を作り出す事ができないのです。特に、足先や指先に冷えの症状が現れやすい理由は、足先や指先が血管が細いからです。血管が細い場所は、血流の影響を大きく受けます。
■血流が悪くなる要因
・筋肉量が少なく、代謝が悪い。
・熱(体温)を作り出すための栄養が不足している。
・ストレスによって神経が緊張している
・月経の影響
Q3 冷えが続くとなぜ良くないのか?
A.冷えは体の危険信号。様々な病気のもとになる
本来、カラダの細胞は、温かい環境下で元気(活性化)になります。しかし、カラダが冷えた状態が続くと逆の事が起こってしまいます。全身の細胞が活動しにくい環境になってしまうのです。つまり、冷えとは、細胞が元気を無くしやすい状態と考えましょう。
細胞が元気を無くすと、全身の臓器の機能が低下して様々な病気につながる可能性があります。次に冷えで、起こりやすいと言われる病気や症状を下記にご紹介します。
・がん
・うつ
・不妊症
・肩こり
・頭痛
・疲れ
・むくみ
・疲れ目
・不眠
・不安感
・動悸
・カラダのだるさ
Q4 冷えで悩む人は増えているのか?
A.冷え性の人は増加中。男性の冷え性も増加。
冷えで悩んでいる人は増加しており、実に女性の8割近くが「冷え」に悩んでいると言われています。なぜこれほど女性の冷えは多いのでしょう?
女性は男性に比べて筋肉量が少ない事が原因のひとつです。筋肉は、熱(エネルギー)を発生する最大の器官。筋肉が少ないと、代謝が低くなってしまう為、冷えに繋がりやすいのです。
また、月経などでホルモンバランスが乱れることで、自律神経バランスが崩れる事も女性に多い原因と言われます。
また、近年は男性にも冷えが増加しています。
便利な乗り物やパソコンなどの普及によって、活動量が減ったためとも考えられています。また、ストレスに対する抵抗性も低下していると言われます。
Q5 冷え性を改善するにはどうしたらいい?
A.冷え性を改善する5カ条を実践しよう
1.カラダを冷やさないようにする。
基本中の基本ですが、カラダを冷やさないようにしましょう。特に血管の細い足先や指先は、冷えの症状が出やすいので、靴下を重ねてはくなどの対応を心がけましょう。また、冬はもちろんですが、温かい夏であっても、冷房の強い場所は冷えを悪化させるので、出かける時は上着を一枚持つようにしましょう。
2.カラダを温める
冷えの症状を感じた時には、一刻も早くカラダ温めるようにしましょう。おススメはゆったりと入る半身浴です。普通に入るお風呂は、すぐに暑くなりますが、カラダの深部まで温まりにくくなっています。その点半、半身浴で、30分ほどゆったりとお湯につかると深部からカラダが温まります。
3.カラダを温めるものを摂る
重要なのが、カラダを温める食べ物、飲み物の摂取です。特におススメなのは、「朝一の白湯」。朝起きてすぐは、胃腸の働きが鈍っているので、温かい白湯を飲む事で、胃腸を温めてやる必要があります。その他にも、しょうが、にんにく、唐辛子、カカオなどにカラダを温める作用があります。
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4.カラダが冷えるものを摂らない
カラダを冷やしてしまう食材がある事を知っておきましょう。特に夏場に旬を迎えるスイカなどはカラダを冷やす作用があるので、夏だからといって冷え性対策を軽く見てはいけません。またホットドリンクでも、緑茶やコーヒーなどはカラダを冷やします。紅茶やジャスミンティーなど中国茶がおススメです。
5.筋肉を作るために運動する
体温を上げていくには、筋肉量を増やす事が有効です。筋肉量を増やすためには運動は必須。運動量を増やすために、エレベーターを使わずに階段を使うなど、工夫して運動量を増やしましょう。