管理栄養士のタイゾーです。

このページではアカモクの効能やおススメの食べ方についてご紹介しています。

アカモクとは

アカモクは主に秋田県でよく食べられている「海藻」の一種で、秋田県では「ギバサ」という別名で親しまれています。

秋田県でよく採れるというイメージがありますが、日本に広く分布しており秋田県だけで採れるというわけではありません。山形県では「ギバンソウ」、新潟県では「ナガモ」と呼ばれており、古くから食用として用いられてきました。

アカモクは浅瀬に自生し、生命力も強く大きいものだと5~7mも大きく育つと言われています。

主に加熱して刻んで食べられる事が多いですが、他の海藻類に比べてネバネバとした「粘り」が非常に強く、海藻類の中でもトップクラスです。この粘り成分こそが後述する様々な健康効果をもたらす源となります。

和え物や汁物に入れて利用されたり、味付けをしてご飯にかけて食べたりしても美味しく頂けます。

次にアカモクを食べる事で期待できる効能をご紹介していきます。


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アカモクで期待できる効能

  • がん予防
  • 抗アレルギー
  • 免疫力アップ
  • 便秘予防・改善
  • 血糖値を緩やかにする

がん予防効果のある「フコイダン」が豊富

メカブやワカメを食べるとネバネバした「粘り」がある事がわかります。この粘りを生み出す成分が「フコイダン」という成分で、がん予防効果が期待できると近年注目されている成分です。

フコイダンとは「水溶性食物繊維」の一種。海藻類に含まれていますが、全ての海藻類に含まれているわけではありません。主にメカブ、昆布、モズク、ヒジキといった「褐色の海藻」に含まれており、海苔などには含まれていません。

粘りの強いメカブにはフコイダンが豊富に含まれていますが、さらに強力な粘りをもつアカモクはメカブよりも多くのフコイダンが含まれています。

フコイダンの「がん予防効果」については1996年、アメリカのJFKメディカルセンター:デーリック・デシルバ博士によって研究発表が行われました。

博士の研究によればフコイダンによって、がん細胞が自滅する「アポトーシス」が起こるとの事です。

アポートーシスというのは細胞の「自爆」と思って下さい。私達のカラダは60兆個の「細胞」で出来上がっていますが、この細胞になんらかの異常が発生した場合に「自爆」することでカラダを守ろうとする防御システムが備わっています。

がん細胞ができる事も細胞の異常と言えますが、がん細胞にはこの自爆システムが動かず、どんどん増殖してしまうのです。

しかし博士の研究によれば、フコイダンががん細胞に接触して「DNA」が破壊されることで、がん細胞が自爆する(アポトーシス)としています。

※DNAというのは細胞の設計図と思って下さい。

また日本でも2007年、東海大学医学部で大腸がんマウスの飲水に「モズク由来のフコイダン」を5%混ぜて飲ませた所、マウスのがん細胞にアポトーシスが確認されています。

参考:静脈経腸栄養 22(4), 489-495, 2007 Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition

免疫力アップ

フコイダンはがん細胞の自爆を誘発するたけでなく、NK細胞などの免疫細胞を活性化することも動物実験で確認されています。

免疫細胞とは細菌などの「外敵」から身を守ってくれる「兵隊」と思って下さい。私たちの体の中には免疫細胞という兵隊がいて、つね日頃風邪の菌やがん細胞など様々な病気からカラダを守ってくれています。しかし兵隊が減少したり、働きが弱くなると外敵に勝てず病気になりやすくなってしまいます。これが免疫力の低下です。

つまり病気の改善・予防のためには兵隊である免疫細胞の活性化が必要ですが、そのためにフコイダンが有効と考えられています。

参考:日本補完代替医療学会誌 12(2), 87-93, 2015

アレルギーを緩和

アカモクに含まれるフコイダンにはアレルギーを抑制する作用が報告されています。

アレルギーとは、簡単に言えば免疫の誤作動です。先ほど紹介した免疫細胞は外敵を見つけると攻撃をしますが、この攻撃が涙や鼻水、炎症といった形で現れます。

花粉症を例にすると、本来はカラダに害の無い「花粉」を「敵だ!」と判断してしまい免疫細胞が攻撃してしまうのです。つまりアレルギーとは免疫の誤作動とも言えるでしょう。

つまりアレルギーを改善するには免疫システムが正常に働いてくれる必要がありますが、フコイダンには免疫システムを整えることでアレルギーを緩和する作用が報告されています。

参考:応用糖質科学 : 日本応用糖質科学会誌 5(3), B55, 2015-08-20 日本応用糖質科学会

便秘予防・改善

便秘に食物繊維が良いことは広く知られていますが、中でもアカモクに含まれる「水溶性食物繊維」は便秘の改善・予防をしたい方におススメです。

アカモクに豊富に含まれる「水溶性食物繊維」はヌルヌルとした性質から、便を柔らかくすることで排便をスムーズにする作用があります。

普段、食物繊維を摂ることに気をつかっている方も穀物由来の「不溶性食物繊維」ばかりを摂っていることがあります。もちろん不溶性食物繊維も便秘に役立ちますが、排便をスムーズにする効果は水溶性食物繊維のが高いです。

したがって穀物食品ばかり摂っていて便秘が改善しないという方はアカモクを試してみると良いかもしれません。

血糖値の急上昇を抑える

血糖値に悩んでいる方にもアカモクは良いでしょう。

アカモクの水溶性食物繊維は食事のはじめに摂ることで、ご飯に含まれる「糖質」の吸収を抑えてくれる作用があります。つまりアカモクは血糖値を緩やかにする効果が期待できるという事です。

血糖値が急上昇した場合、インスリンというホルモンが大量分泌されて肥満や糖尿病に繋がってしまいます。これらを防止するためにも水溶性食物繊維で血糖値の急上昇を防止すると良いでしょう。

血糖値の急上昇については下記ページでも詳しく解説しています。

関連ページ:睡眠障害の原因「ジェットコースター血糖」とは?りんご酢が効くってホント?

関連ページ:アナタの血糖値が危ない!血糖値スパイクとGI値って何?

アカモクは食事の最初に食べよう

血糖値対策にアカモクを取り入れる場合は食事の前か最初に食べる事をおススメします。

アカモクの血糖値を緩やかにする作用を効率よく利用するには、「糖質を摂取する前に」アカモクを食べておく必要があります。したがって食事の前かはじめに食べる事をおススメしておきます。

アカモクおススメの食べ方

味噌汁に混ぜる

アカモクの食べ方のおススメが味噌汁に混ぜて飲む方法です。

トロッっとして美味しくなりますし、フコイダンなどのアカモクの成分は熱に強いので味噌汁に入れても大丈夫です。

ご飯にかけても美味しい

アカモクに醤油を加えて混ぜるだけで美味しく食べる事ができます。

ご飯の上にかけて食べたり、卵かけご飯に混ぜても良いでしょう。


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