管理栄養士のタイゾーです。

「健康のために運動をしようと思ってるけど、どんな運動をしたらいいんだろう?」

「ダイエットのために運動してるけど、今やってる事が合ってるのかな?」

このページはそんな運動への疑問を持つ方へ向けて作成しています。

私達が健康でいるためには「食事」「運動」「休養」の3つのバランスが重要です。

中でも運動は脂肪を燃焼して肥満を防いだり、免疫力を上げて様々な病気を予防するといった健康効果があります。

ただ、運動をする人の中には

「運動は、やればやるほど良い」

なんて思っている人もいるのではないでしょうか。

確かに運動は健康を維持するために必ず必要なことですが、度を過ぎた激しい運動は逆に健康を害する可能性があります。

ではカラダにとって効果的な運動ってどんなものでしょう。

そこで利用してもらいたいのが今回紹介する「METs(メッツ)」という指標です。

詳しくは後述しますが、このMETsを参考にすることで、病気の予防やダイエットに効果的な運動をすることが可能になります。

順番に解説していきますので、病気の予防やダイエットに運動している人や、これから運動をしようと思っている人はぜひ参考にして下さい。


スポンサーリンク




なぜ激しい運動がいけないのか

一般的には、運動をする人は健康な人が多いイメージがあります。

しかし、私が今まで出会ってきた人の中に、中年以降にカラダを鍛えはじめてトライアスロンやフルマラソンに挑戦する人が動脈硬化を起こしたり、がんや糖尿病になったりしています。

なぜこんな事が起きるのでしょう。

実は、その人にとって強度の高すぎる運動はストレスとなってカラダを破壊してしまうのです。

強度の高い運動も若い頃であれば問題にはなりません。
しかし、中年以降に行ってしまうと体へのストレスとなって「活性酸素」という物質を大量発生させることになります。

この「活性酸素」こそカラダを破壊し、病気の引き金となる物質です。

活性酸素とは本来は細菌などの「外敵」からカラダを守るために働いてくれています。

こう聞くと「いいやつじゃん」と思うかもしれません。もちろんけっして本来は悪者ではありません。
しかし、体内で過剰に発生すると悪影響を及ぼすのです。

活性酸素が大量に発生すると、私達の正常な細胞を傷つけて破壊するようになります。

私達のカラダは60兆もの「細胞」で作られてますから、細胞が破壊されていった場合、様々な悪影響を及ぼしてしまいます。

活性酸素が招く病気のひとつが「がん」です。
細胞を傷つけることによって、細胞のがん化がおこりやすくなってしまいます。

また細胞が破壊されていくと血管の老化も進み「動脈硬化」など様々な病気につながってしまいます。

どれだけカラダを鍛えて見た目が良くなっても病気になったら意味がありませんよね。

つまり強度が高く、激しい運動はしない方が良いということです。

「じゃあ、具体的にどいう運動をしたらいいの?」

そう思いますよね。

高齢者と運動に関する研究をしている、東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利博士によれば「日常生活の中に、中強程度の運動を取り入れることが大切である」と結論づけられています。

中強程度の運動を取り入れることによって、カラダを壊さずに運動の健康効果を得ることができるとしています。

さあ、ここで問題なのが「中強度の運動って何?」ということです。

中強度の運動と言われても何をすればいいのかわかりませんよね。

そんな時に使って欲しいのが「METs(メッツ)」というものです。
METsを知ることによって中強度の運動がどのようなものかがわかります。

つぎにMETsについて解説していきます。

METs(メッツ)とは

※以下メッツで表記

「メッツなんて聞いた事もない」という人もいるでしょう。

メッツとは、身体活動と運動の強度を表す国際的な指数です。

カラダを安静にしている時のエネルギー消費を基準値の「1」として、家事などの生活行動やランニング・ウォーキングといった運動がどのくらいのエネルギーを消費するかを数値で表したものです。

つまりメッツ数値は安静時の1がもっとも運動強度が低く、数値が増えていけばいくほど激しい(強度が高い)運動であることをしめしています。

3~5メッツの運動をしよう

先に紹介したように運動は中強度が良いとされています。

青柳博士は中強度をメッツで表すと「3~6.9」にあたるとしています。

メッツを知っているひとからすれば、「3~5は幅が広いな」と感じるかもしれません。
ただ、これは人によって年齢や体格、体力が違ってくるためです。
例えば、筋トレなどのウエイトトレーニングは3~3.5メッツに設定されています。
しかし同じトレーニングでも、20代と60代では年齢によって、ツラさの感じ方が違うと思いませんか?

つまり、年齢によって中強度のメッツ量は変わることになると思って下さい。
そこで次に年齢別のおススメのメッツ量をご紹介しておきます。

60代以上 → 3~5メッツ
40~50代 → 4~6メッツ
20~30代 → 5~7メッツ

これを基準にして運動を選ぶようにすると良いでしょう。

では自分のメッツ数に合った運動を選ぶために、つぎに各運動とメッツ数をご紹介します。

3メッツ以上の運動

3~3.5 ウエイトトレーニング、ピラティス、釣り、ボウリング
3.6~4 卓球、バレーボール、やや早歩き、太極拳
4.1~4.5 ゴルフ、バドミントン
4.6~5.0 ソフトボール、カヤック、シュノーケリング
5.1~5.5 スケート、乗馬、ジムでの運動、アクアビクス
5.6~6.0 ジョギング(10分未満)と歩行の組み合わせ、ロッククライミング
6.1~6.5 バスケットボール、美容体操、エアロビクス
6.6~7.0 スキー、ジョギング、テニス、サッカー、水泳

3メッツ以上の生活行動

3~3.5 自転車通勤、階段上り下り、台所仕事、庭の草むしり、モップ掛け、子供と遊ぶ
3.6~4 洗濯干し、動物と遊ぶ、ガーデニング、床拭き、風呂掃除、介護(入浴介護など)
4.1~4.5 農作物や花を植える、丸太切る、カーペットを敷く、フェンス洗浄、苗木の植盆栽
4.6~5.0 部屋の片付け、雨戸を設置、家の外壁塗装、軽い荷物の持ち運び
5.1~5.5 雪かき、子供と活発に遊ぶ、芝刈り
5.6~6.0 家具の移動、屋根拭き、大工仕事、畑や庭をたがやす

※厚生労働省「身体活動のエクササイズ数表」を基に作成

早足をまぜたウォーキングが一番おススメ

各運動のメッツ数をご紹介しましたが、「どれをやったらいいかな~」と迷う方のためにおススメの方法をご紹介します。

それは早足をまぜたウォーキングです。

ジョギングなどの有酸素運動は、脂肪燃焼効果や心肺機能の向上に有効な運動です。
しかし、やり過ぎると心臓や血管などの負担になり、ストレスが加わり続けることになります。

そこで試してほしいのがジョギングとウォーキングの良い所取りをした「早足をまぜたウォーキング」です。

やり方は簡単で、20分を目安に早歩きと普通の歩行を織り交ぜるだけです。

自分が早歩きと思うスピードを意識して歩き、疲れたなと感じたら普通の歩くスピードに切り替えて下さい。
これを行うことで強度と軽度の負荷が組み合わさり、丁度良い中強度の運動が可能になります。

健康のために運動をするなら、ぜひ取り入れてみて下さい。


スポンサーリンク