日本人の身近なフルーツである「ミカン」。
そんな、ミカンが血糖値の改善に役立つ可能性があることをご存じでしょうか。
ビタミンが多いことで知られるミカンですが、近年の研究によって血糖値の悩みに役立つ成分が含まれている事がわかってきました。
その成分とは「βクリプトキサンチン」。
あまり聞きなれない方も多いでしょうが、このページでご紹介していくので血糖値に悩みがある方はぜひ参考にしてください。
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血糖値が高いとなぜ悪い?
「血糖値が高いと良くない」というイメージを持つ人は多いと思いますが、誰しも食事を摂れば血糖値は高くなるものなのです。
ただ、問題なのは血糖値がずっと高い状態が続くことです。
血糖値が高い状態が続くと『糖尿病』という病気になるリスクがあります。
健常者の場合、食事を摂って血糖値が上昇しても時間の経過とともに血糖値は下がっていきます。
本来、血液に増えた糖は、全身に送られエネルギー発生に使われたり、インスリンというホルモンの働きによって、脂肪として蓄積されたりします。(筋肉にも貯蔵されます)
したがって血液中に糖が増えても、時間の経過とともになくなっていくわけですが、糖尿病になるとインスリンの働きが弱くなって血液中の糖が減りにくくなるのです。
糖尿病になってしまうと、治ることは難しいとされています。
さらに血糖値が高い状態が続くことで、網膜症、腎症、神経障害、失明といった合併症が引き起こされることも分かっており、脳卒中や心疾患のリスクを上げることも分かっています。
したがって糖尿病になってしまうと、日常生活を送ることが困難になってくるため、糖尿病にならないようにする食事習慣が非常に大切なのです。
ミカンの成分が血糖値改善に役立つ可能性
近年の研究によって、ミカンに含まれるある成分が血糖値の悩みのサポートに役立つことが分かってきました。
その成分とは『βクリプトキサンチン』。
βクリプトキサンチンが血糖値を下げる
結論的にいうと、βクリプトキサンチンは『インスリン』というホルモンの働きを良くして血糖値を下げる作用があります。
私たちが食事を摂ると、食べた物に含まれる糖を吸収して血液中の糖の量が増えます。これが血糖値を上げることになるわけですが、ずっと血糖値が高い状態が続くというわけではありません。
すい臓から分泌される『インスリン』というホルモンが働くことで、血液中の糖を脂肪や筋肉に移動して貯蓄するのです。
したがってインスリンがしっかり働けば血糖値は下がるわけですが、糖尿病の場合はこのインスリンの働きが低下したりしてしまうのです。
インスリンの働きが弱くなれば当然ながら血糖値が下がりにくい状態となります。
そんなインスリンの効きを良くしてくれる作用がβクリプトキサンチンにあることがわかってきたのです。
つまり、βクリプトキサンチンを豊富に含むミカンには血糖値の悩みをサポートする可能性があると言われているのです。
βクリプトキサンチンはミカン以外でも摂取できる?
このページで紹介したβクリプトキサンチンは、ミカン以外にも、類似する「ポンカン」や「いよかん」にも含まれます。
したがってこれらのフルーツを食べても摂取できますが、ミカンの方が圧倒的なβクリプトキサンチンの含有量を誇るのです。
日本食品標準成分表2015年版(七訂)によれば、100gあたりに含まれるβクリプトキサンチンの量は
ミカン・・・2,000μg
ポンカン・・・1,000μg
いよかん・・・270μg
となっており、ミカンが非常に多くのβクリプトキサンチンを含むことがわかります。
ミカンはどれくらい食べれば良いの?
ミカンにβクリプトキサンチンが多い事はわかりましたが、どのくらい食べれば良いのでしょう。
βクリプトキサンチンを研究する旭川医科大学の太田嗣人医師の研究によれば、ミカンは1日に3個ほどが目安とされています。
ミカンにはβクリプトキサンチンが多く含まれますが、糖質も多く含まれるというデメリットがあります。
したがってミカンも食べ過ぎれば血糖値に良くありません。したがって糖質の量を考えて1日3個までに抑える方が良いとされています。
血糖値コントロールの主役はバランスの良い食生活
このページで、βクリプトキサンチンが血糖値の悩みに役立つことをご紹介してきましたが、ミカンだけ食べていれば良いというわけではありません。
血糖値をコントロールの基本は、バランスの良い食生活です。
血糖値を上げる原因となる糖質の過剰摂取には注意し、魚・肉・卵といったタンパク源、ビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含む野菜類をバランス良くしっかり摂るようにしましょう。
食事のバランスを整えた上で、メニューのひとつとしてミカンを食べるようにしましょう。
※糖尿病と診断されている人は特定の栄養素に制限が出ている場合があります。医師の指導をしっかり守るようにしてください。
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