骨粗しょう症とは骨がスカスカになり転倒や骨折のリスクが上がってしまう疾患です。平成26年度の厚生労働省の患者調査によると、50代以上の女性では3人に1人が骨粗鬆症と言われかなり多い割合です。
骨粗鬆症の予防・改善をするためには「カルシウム」が必要ですが、カルシウムだけでなく、ある成分を一緒にとることで骨粗鬆症の予防や改善により役立つ事がわかってきました。その成分が「テアフラビン」という成分。この成分は紅茶に含まれる成分で骨粗鬆症改善に注目の成分です。
このページでは骨粗鬆症と紅茶(テアフラビン)の関わりを解説していきますので、骨粗鬆症で悩みがある方は是非参考にしてみて下さい。
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なぜ骨粗しょう症になるのか
骨粗しょう症とは簡単に言えば骨がスカスカになる病気ですが、なぜこのような状態になるのか。
簡潔に話せば、骨を破壊する力が骨の再生力を上回った状態です。
もう少し詳しく解説します。私達のカラダは60兆個の細胞で出来ており、古くなった細胞は破壊されて新たに作り出される(再生)といったサイクル「代謝」が行われています。これは骨も同じで、骨も破壊と再生を繰り返しています。
骨には「破骨細胞」という骨を破壊する細胞と、骨を修復する「骨芽細胞」という2つの細胞があります。この2つの細胞が古くなった骨を破壊し、また修復するというバランスをとることで骨の健康が保たれています。
この破骨細胞と骨芽細胞のバランスが崩れておこるのが骨粗しょう症です。一般的には20代前半から破骨細胞の数が増え、徐々に骨芽細胞の修復が追付かなくなってきます。そして女性は「閉経」によってホルモンバランスが崩れ、より破骨細胞の力が強まってしまいます。
骨密度が低下して骨がスカスカになってしまうと転倒や骨折のリスクが高まってしまいます。特に高齢者が骨折した場合、そのまま寝たきりになるケースもありますので普段から骨粗しょう症にならないように注意しておく必要があります。
骨粗しょう症にならない為には、骨芽細胞が骨の修復に使う「カルシウム」を摂取する必要があります。これは広く知れ渡っており、多くの方が牛乳や小魚を食べることでカルシウムを摂る努力をされています。
カルシウムの摂取だけではいけない
先に紹介したように骨粗鬆症の予防・改善をしていくためにはカルシウムの摂取は必ず必要になってきます。しかし、中にはカルシウムだけ摂取していても結果が出てこない人が多くいます。これは破骨細胞の力が強く、カルシウムを摂取しても骨の再生が追付かない為と考えられています。
したがって、カルシウムの摂取による「骨の再生」だけではなく、「骨の破壊を抑制する」事が着目されるようになりました。
そして骨の破壊を抑制するために有効なのが「紅茶」です。もう少し詳しくいうなら、紅茶に含まれる「テアフラビン」という成分が骨の破壊を抑制する働きがあります。
紅茶に含まれるテアフラビンとは
テアフラビンという成分を聞きなれない人もいるでしょう。テアフラビンとは紅茶に含まれる成分で、紅茶独特の赤色を作り出す成分です。
テアフラビンは本来の茶葉では摂取する事ができず、紅茶を作る過程で行われる「発酵」によって生まれる成分です。
テアフラビンに破骨細胞を減らす効果
近年の研究によって紅茶に含まれるテアフラビンには、骨の破壊に関わる破骨細胞を減らす効果がある事が分かっています。
大阪大学免疫学フロンティア研究センターのマウス実験でも破骨細胞が通常の2倍ある骨粗鬆症のマウスに、テアフラビンを3週間投与したところ、破骨細胞が約半分に減少し、結果的に骨密度は2倍に増加したという研究結果が出ています。
したがって骨粗しょう症の予防や改善にはカルシウム摂取だけでなく、紅茶を飲むようにすると良いでしょう。
テアフラビンはアッサムティに多い
紅茶の茶葉は発酵して作るので、様々な種類の紅茶を飲むことでテアフラビンを摂取する事が可能です。ただ、骨粗しょう症で悩んでいる方は「多くのテアフラビンを摂りたい」と考える人もいるでしょう。そんな方の為にテアフラビン量を下記に紹介しておくので参考にしてみて下さい。
※1gあたりのテアフラビン量(mg)
※出典:鳥取県産業技術センター
ウバ | 0.99 |
セイロン | 1.02 |
ダージリン | 1.68 |
キームン | 2.99 |
アッサム | 3.52 |
上の表を見てもらうとアッサムティーが一番テアフラビン量が多い事が分かりますね。
紅茶を飲むタイミングは?
骨粗しょう症の為に紅茶を飲む場合、夕食後がおススメです。
これは破骨細胞や骨芽細胞は寝ている間に活性化するので、破骨細胞の骨破壊を抑制して骨芽細胞の骨再生をよりスムーズにすることを狙いとしています。
紅茶の飲み過ぎには注意
骨粗しょう症の予防・改善効果が期待できるからといって紅茶の飲みすぎには注意しなければなりません。
紅茶にはカフェインが含まれているため、寝る前に大量に飲んでしまうと脳が覚醒して眠れなくなる可能性があります。また依存症にもなりかねません。したがって先に紹介したように夕食後くらいに1杯を摂るようにして下さい。
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