果物って太る?

管理栄養士のタイゾーです。

ダイエットをする人の中で、「果物は食べてはいけない」「果物は太りやすい」と思っている人が結構います。

結論から言えば、これは誤解です。

基本的にはダイエット中のフルーツはOKです。でも誤解してしまっている人も多いので、今回は誤解されやすい果物の知識と、ダイエット中に果物を食べてOKな理由を紹介していきます。

果物は太りやすいという誤解

ダイエット果物
なぜ「果物は太りやすい」というイメージを持つ人がいるのでしょう?その理由のひとつに「糖質制限ダイエット」の存在があります。

ダイエット法の中で「低糖質ダイエット」を推奨している本やサイトを良く見ます。糖質制限ダイエットとは、名前の通り「糖質の摂取を制限したダイエット法」です。
基本的に糖質を多く含むものを食べないようにします。御菓子類はもちろんのこと、ご飯、パン、麺といった「主食」、ジャガイモやサトイモといった「芋類」などを食べないようにするわけです。野菜についても同じで、糖質を多く含む野菜はNGとなります。
そして問題となる「果物」も糖質を含むため、糖質制限ダイエットではNGとされています。

このような低糖質ダイエットの流行から「糖質=太る」というイメージが一般の方の間で定着するとともに、「果物も太りやすい」と考える人が多くなったように思います。

もちろん、果物を過剰に摂り過ぎた場合は肥満につながります。しかしこれはカロリーオーバーになった場合の事で、果物だから太りやすいという事はありません。

ダイエットは糖質量ではなく、カロリーを重視しよう

栄養士としての意見ですが、そもそもダイエットをする人は「カロリー量」で考えて行った方が良いです。糖質の摂取量を少量減らすなら良いですが、極端な糖質制限ダイエットは良くありません。なぜなら、糖質を制限した場合デメリットも存在するからです。

糖質は3大栄養素の一つで、効率の良い人間のエネルギー源です。糖質制限を行った場合、カラダを動かすためのエネルギーが不足します。糖質が足りない場合はタンパク質と脂質がエネルギーとして使われますが、糖質よりも利用効率が悪い為、カラダが上手く動かず「なんかカラダが重いな~」と感じます。また、これだけでなく以下に紹介するようなデメリットがあります。

糖質制限のデメリット
・カラダが動きにくい
・脳が動きにくい
・免疫力が下がる

実際に糖質制限ダイエットをやった人は「風邪をひきやすくなった」という人もいませんか?これらのデメリットを考えると、私としてはダイエットはカロリー制限で行た方が良いと考えます。

ダイエットに果物がOKな3つの理由

ダイエット中は「甘い物が食べたい!」という欲求が高まりますよね。そんな時は果物を食べて下さい。実際に、私の栄養カウンセリングを受けている方には果物はOKと言っています。何で果物がOKなのか理由を解説していきますね。

果物のカロリーは高くない

カロリーで考えた場合、果物は決して高カロリーな食べ物ではありません。たとえば「りんご」と「枝豆」のカロリーを比較してみましょう。
100gあたりのカロリーはリンゴが57キロカロリー。一方の枝豆は100gあたり135キロカロリーです。枝豆の方がカロリーが高いのがわかります。

また、甘いものの代表であるスイーツと比較しても果物はカロリーが低いです。以下を見て下さい。いずれも100gあたりのカロリーです。

果物名 kcal お菓子 kcal
40 ショートケーキ 327
43 ビスケット 432
みかん 46 煎餅 465
ブドウ 59 ポテトチップス 554
バナナ 86 チョコレート 558

同じ量でも圧倒的に果物の方が低カロリーであることがわかりますね。スイーツを我慢しなくてはいけないダイエット中も、果物であればOKという事です。

美しく痩せるためのファイトケミカル

ダイエット中は食事を制限する事によってお肌が荒れたり、美容面への影響があります。せっかく痩せるなら美しく痩せたいですよね。そんな時に果物が役立ちます。果物にはポリフェノールのような「ファイトケミカル」という成分が含まれています。果物がもつ「緑・黄・オレンジ・赤・青・紫」といったの色素がファイトケミカル。ファイトケミカルはカラダに起こる酸化(老化)を防止してくれる作用があるため、美しく痩せる為に役立ってくれます。また、抗ウイルス物質としての機能も持っているので、免疫力が下がるのを防いでくれます。

ファイトケミカルについては下記記事にて詳しく解説しています。

参考:癌・老化防止成分「ファイトケミカル」を上手に摂るたった1つの方法

ダイエット中の高血圧を防げる

実はダイエット中は高血圧のリスクが高まります。これは何でかと言えば、ダイエット中の人は満足感を得るために食事の味を濃くしがちだからです。味を濃くするという事は塩分量が上がるということ。

過剰な塩分は高血圧を招いてしまうため、本来であればダイエット中は塩分にも気を配らなくてはなりません。しかしここで活躍してくれるのが果物。

果物は「カリウム」が含まれているものが多く、カリウムには塩に含まれる「ナトリウム」を排泄してくれる作用があります。したがってダイエット中の塩分コントロールをサポートしてくれる力があるのです。

 

まとめ

今回ご紹介した内容から、ダイエット中の果物がOKな理由がわかって頂けたでしょうか。ダイエット中は、甘いものがどうしても食べたくなる時だってありますよね。そんな時は果物を食べるようにして下さい。我慢も必要ですが、我慢のし過ぎはストレスになるしリバウンドに繋がりかねません。