BCAAの副作用

BCAAの副作用
管理栄養士のタイゾーです。

ダイエットを成功させるためには、筋肉をつけることが非常に効率が良い。なぜなら筋肉をつける事によって代謝(エネルギー消費)が上がり、脂肪を燃焼する事ができるからだ。

しかし、筋肉をつける為には運動だけしていれば良いというものではない。運動にプラス筋肉の材料となる「栄養」が必要になってくる。

その栄養の中でオススメとなるのが「BCAA」という栄養だ。しかしBCAAというもの自体を知らない人も多いだろう。

そこで今回はBCAAについて詳しく解説していく。ダイエットやボディメイク、ボディビルダーを目指す人はぜひ読んで欲しい。

BCAAとは何?BCAAの基礎知識

まずは、BCAAとはどのような栄養素なのかを知って頂こうと思う。BCAAとローマ字で表現されるので「薬」と勘違いされそうだが注意して欲しい。BCAAは「栄養素」だ。サプリメントでも販売されているが、我々が食べる一般の食品にも含まれている。

BCAA(Branched Chain Amino Acids)とは簡単にいうと「アミノ酸」。アミノ酸の役割はあとで説明するが、アミノ酸の中の「ロイシン」「バリン」「イソロイシン」の3つをBCAAという。BCAAはローマ字の数が4つなので4つの栄養素と勘違いされそうだが、3つのアミノ酸なので注意してほしい。

筋肉をつけて、脂肪が燃えやすいカラダにしていくためには、筋肉の材料となるアミノ酸が必要となってくる。したがってBCAAも必要なものだという認識を持って欲しい。

次にBCAAを摂ることでのメリットを解説する。

筋肉の材料であるBCAA

先に解説したとおりBCAAはアミノ酸だ。筋肉は20種類のアミノ酸で出来てるが、20種類のうちの9種類はカラダの中で合成する事ができないため、食品として食べる必要がある。この9種類を「必須アミノ酸」という。
名前の通り、必ず必要なアミノ酸というわけだ。必須アミノ酸を摂取していくことで効率よく筋肉をつくり、痩せやすいカラダをゲットできると思ってほしい。

では、BCAAであるロイシン、バリン、イソロイシンはというと、必須アミノ酸である。

つまり筋肉をつくっていく上でもBCAAの摂取は有効ということだ。

筋肉の分解を防ぐ

筋肉というのは、いちどついたら一生そのまま維持されるというわけではない。何もしなければ筋肉は分解をされてしまう。つまり筋肉量が減るということ。

ダイエットをやめた人がリバウンドしてしまう理由のひとつがこれだ。運動や適切な食事をやめた途端、筋肉が分解されてしまい、代謝が落ちてまた太ってしまうという事態が起こる。

ボディビルダーなど筋肉をつけたい人にとって、筋肉が分解されるのは死活問題だ。

しかし、筋肉の分解を食い止めてくれる栄養素がある。それがBCAAなのだ。

BCAAを摂って、血液中のBCAA濃度が上昇すると筋肉の合成が活性化され、分解を食い止める事ができる。つまり、「筋肉量を減らしたくない」という人には良い栄養だ。

疲労回復に役立つ

「BCAA=マッチョになりたい人が摂る」と思っているひとがいるが、これは間違った認識だ。BCAAは疲労回復に役立つ作用もしてくれる。

人間のカラダは働いたり、カラダを動かしたりしていると「乳酸」という物質をだす。この乳酸が疲労物質だ。乳酸が大量にでることで疲労は増えると考えてよいだろう。

BCAAには、この乳酸の生成を抑えてくれる作用があるのだ。つまり疲労回復を促してくれると言える。ダイエットや筋トレ目的以外にも摂取するメリットはあるだろう。

BCAAのダイエット効果

栄養士として言わせてもらえば、BCAAはダイエット効果があると言える。

先に紹介したようにBCAAは筋肉をつくり、筋肉を保ってくれるという作用をする。ダイエッターにとっては「脂肪こそが敵」。そんな脂肪を燃焼していくためには筋肉は必要だ。筋肉がついていくこでエネルギー消費が増えて、効率よく脂肪を燃焼していくことができる。

筋肉をつけていくとう観点で、ダイエット成功のためにBCAAは有効と言えるだろう。

BCAAの量はどのくらい摂れば良い?

BCAAについて少しずつ理解できてきただろうか。次に気になるのが「BCAAはどのくらい摂ればいいの?」という点。

栄養素はどのくらいの量を摂れば良いのか「有効量」を知っておくのは非常に大切だ。

現在、BCAAは2,000mg以上の摂取が有効とされている。

BCAAがカラダに作用するためには、血中のBCAA濃度が高まる必要がある。摂取量があまりに少量だと血中のBCAA濃度は高まらず、効果は期待できない。血中BCAA濃度を高める有効量が2,000mg以上というわけだ。

しかし、人間のカラダは人それぞれなので、万人に絶対に効果が出るという量は存在しない。継続しながら、自分に合う量を見極めていく必要があるだろう。なお、過剰症防止のために多くても摂取量は4,000mgまでに留めてほしい。

ちなみに以下に食品に含まれるBCAA量の一例を紹介。

※100g当たりの含有量

食品名 BCAA量mg
マグロ赤身 4,800
牛肉 3,040
鶏卵 1300
牛乳 207

ちょっと話は変わるが、以前友人のボディビルダーが寿司屋にいくとマグロばかり食べていた。当時は「どんだけマグロが好きなんだ笑」としか思っていなかった。しかし、BCAA含有量ではマグロは超優秀であることから、ボディビルダーが好んで食べるのがよくわかる。

BCAAを摂るタイミング

BCAAタイミング
次に気になるのが「BCAAはいつ飲んだらいいの?」という点。これについては薬では無いので確実なタイミングは定められていない。しかし、科学的研究から「このタイミングで摂ると良いでしょう」というタイミングは存在するのでそれを紹介しようと思う。

結論を言えば、運動の30分前にBCAAを摂取するのがオススメだ。

BCAAの摂取タイミングを考える上でポイントとなるのが「BCAAは摂取後およそ30分で血中濃度がピークに達する」ということ。BCAAは血液の中を流れている間に利用されるため、BCAAが血液を流れている状態で運動することが有効と考えられている。したがって、運動30分前にBCAAを補給するようにしよう。

また、運動中や合間にもBCAAを摂ると良い。これは先にも紹介したが、運動する事で発生する疲労物質の乳酸が作られるのを防ぐためだ。

BCAAに副作用はあるのか

BCAAのメリットを多くお伝えしてきたが、注意点も解説しておく。いわゆる「副作用」や「過剰症」だ。栄養素の副作用に関しては下記記事で詳しく解説しているので、そちらも参考にしてほしい。

参考:過剰症になりやすいサプリメントの栄養素まとめ

サプリメントで摂取する場合は副作用に注意

BCAA副作用
栄養士としての見解だが、BCAAは食事で摂る分には副作用の心配はそんなにないだろう。(もちろん無茶な食べ方をすれば別)

ただし、サプリメントで摂取する場合には注意が必要だ。個人的にはBCAAは2000~4000mgまでにして欲しい。

これを超えて摂取し続けた場合、腎臓や肝臓に負担がかかる可能性があるからだ。特に、すでに腎臓や肝臓の数値が悪い方は主治医に相談するなどして欲しい。

とは言ってもサプリメントで摂ってはいけないというわけではないのでご注意を。BCAAはメリットのある栄養素なので量を守って摂るようにして欲しい。逆に量さえ守れば運動前などに気軽に摂取しやすいメリットがある。

まとめ

まとめるとこういうこと
・BCAAとは「ロイシン」「バリン」「イソロイシン」という必須アミノ酸のこと。
・BCAAは筋肉を増やし、代謝を上げてダイエットにつながるというメリットがある。
・BCAAは運動をする30分前から2000mg以上を摂取すると良い。運動中もオススメ。
・摂取量は2,000~4,000mgにしよう。