管理栄養士のタイゾーです。
ご飯やパン、麺類などの『主食』に多く含まれる『糖』の摂り過ぎには気をつけねばなりません。
なぜなら、糖の摂り過ぎがカラダに様々な悪影響をおよぼすからです。
中でも糖の摂り過ぎでおこるカラダの老化現象は『糖化』といって近年注目されるようになりました。
このページでは、このカラダの糖化度合を示す『糖化年齢を下げるための方法』について紹介していきます。
スポンサーリンク
老化の原因になる『糖化』について知ろう
まず、糖化とは何かを解説しておきます。
糖化とは糖の摂り過ぎによって引き起こされる老化現象のことをいいます。
私たちが生きていくうえで、ご飯やパン、麺類等の主食を摂ることは必要不可欠ですが、摂り過ぎた場合は万病のもとになることがわかってきました。
糖が老化を引き起こす仕組みについて紹介していきます。
糖を大量にとった場合、当たり前ですが体内の糖の量は増えます。
本来、この糖はエネルギーとして利用されるため、体内の糖の量は減っていくのですが、過剰に摂り過ぎた分は、タンパク質と結合して『AGE』という老化物質を生み出します。
このAGEこそがカラダの老化をひきおこす物質で、血管の壁を傷つけ動脈硬化を進行させてしまうのです。
動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳梗塞など様々な病気につながってしまいます。
糖化については老化の元凶である糖化とはというページでも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
糖化年齢とは
糖化年齢とは、先に紹介した糖化で生まれる『AGE』の体内量を数値化し、年齢に照らし合わせたものです。
糖化年齢は専用の測定器で計測することができ、糖化年齢が、実年齢よりも高い場合はカラダの糖化が進んで、老化しやすい環境にあることを示しています。
糖化年齢を下げるには
では、糖化を防止して、糖化年齢を下げる為の方法を次に解説していきます。
糖化年齢を下げるためには、カラダの糖化を防ぐ事がなにより大切になってきます。
糖化を抑える事を『抗糖化』といい、具体的なポイントは次に紹介する2点があげられます。
- 血糖値が急上昇しないようにする
- 糖化を抑える食品を摂る
ひとつずつ見ていきましょう。
血糖値の上昇を抑える
カラダの糖化を防ぐためには、まず血糖値が急上昇しないように注意する必要があります。
これは血糖値が急上昇してしまうことで、血液中の糖が一気に増えてしまうことで、タンパク質を結合しやすい環境になってしまうからです。
したがって糖化を防ぎ、糖化年齢を下げていくためには、血糖値の急上昇を防ぐ必要があるわけでです。
では血糖値の急上昇を防止する具体的な方法を次に紹介していきます。
野菜から食べる
近年、血糖値の急上昇を防ぐ方法としてメジャーな知識になりつつあるのが『野菜から食べる』という方法です。
ご飯やパン、麺類などの主食を食べる前に、まずサラダなどの野菜類を食べる事によって血糖値の急上昇を防ぐ事ができます。
これは野菜類がご飯やパンなどの主食に比べて糖質量が少なく、食物繊維を多く含んでいるためです。
ぜひ食事をとる際には、サラダなどの野菜類を1品は必ず用意するようにして、最初に食べるようにしてください。
ただ、注意してほしいのは野菜の中にでも、じゃがいも、サトイモなどの『芋類』には糖質が多く含まれているので食べないようにしてください。
水溶性食物繊維を積極的にとる
血糖値の急上昇を抑えるためにおススメしたい栄養素がまず『水溶性食物繊維』です。
水溶性食物繊維は、オクラ、納豆、海藻類(もずく、メカブ、わかめ)、キノコ類に含まれている食物繊維のことでネバネバとした粘りがあるのが特徴です。
この粘りの作用によって、小腸で水分を吸収してゲル化状になり、糖質を包み込むことで消化吸収を緩やかにし血糖値の急上昇を抑えてくれる作用があります。
調味料はお酢を使う
料理に使う調味料でもおススメなのが『酢』です。
これは酢の主成分である『酢酸』に、糖の吸収をおだやかにしてくれる作用があるためです。
もう少し具体的にいうと、酢酸を摂取することで、食べ物が胃から腸へ移動するスピードが遅くなります。
糖がカラダに吸収されるためには、ブドウ糖という小さいサイズまで分解する必要がありますが、食べ物の移動スピードが遅くなることによって、糖の分解スピードも遅くなるため、糖の吸収が穏やかになるのです。
糖化(AGE)を抑える食品を摂る
次に押さえておきたいポイントが、糖化にの発生を抑える食品を摂ることです。
糖化の発生を抑えることで、老化が防止され糖化年齢を下げることにつながると考えられています。
同志社大学 糖化ストレス研究センターの研究によると、以下に紹介する食品が糖化を防ぐと考えられています。
- サニーレタス
- 春菊
- ゴボウ
- ドクダミ茶
- ルイボスティー
- 柿の葉茶
- カルダモン(香辛料)
- ローズマリー(香辛料)
ホエイ(乳清)に糖化を防ぐ効果?!
同志社大学 生命医科学部 糖化ストレス研究センターの八木雅之教授によれば、ヨーグルトの上澄み液であるホエイ(乳清)に糖化を防止する効果があるとして研究が進められています。
八木教授の研究によると、含まれている乳酸菌に糖化を防ぐ可能性があるとのことです。
ホエイ(乳清)とはヨーグルトを作る時にできる『透明な上澄み液』のことで、多くの人がヨーグルトを買ったときに捨ててしまっているものです。
しかし、この上澄み液であるホエイは、本体のヨーグルトよりも栄養価が高くなっているので捨てずに食べることをおススメします。
ホエイには、カラダの回復に使われる良質なアミノ酸やミネラル類が豊富に入っており、栄養価の高さから『プロテイン』としても利用されています。
ホエイについては『高血圧対策や筋トレに!自宅で出来るホエイ(乳清)の作り方』というページで詳しく解説しているので、そちらもあわせて確認してください。
スポンサーリンク